「過大評価と言われるかも知らないけれど素晴らしい作品。」リトル・フォレスト 冬・春 なかむらさんの映画レビュー(感想・評価)
過大評価と言われるかも知らないけれど素晴らしい作品。
春夏秋冬、全て鑑賞済みですが原作は未読です、
夏秋の時もそうでしたが、リトルフォレストは映像、役者の演技、音楽、全てが合っている。一つの作品としてお互いに支えあっていると感じます。
自分の好みに合っていたという事もありますが、私はこの作品が大好きです。
今まで多いとも少ないとも言えない数の映画しか、見てきていませんが私は「リトル・フォレスト」がとても好きです。料理も美味しそうだし。
ジブリ作品などもそうですが、何処か懐かしい感じのする作品というのを作るのは難しいと思います。(人の感性はそれぞれ異なる訳ですし、)
それを踏まえた上での本作の懐かしさは凄いです。
リトルフォレストの懐かしさはただ故郷、田舎に思いを馳せるだけではなく、「帰りたくなる」そんな感情を昂らせる。凄い。
本当に凄い。そしてとても虚しい気持ちになる
自分のことに揺れ動く主人公と、時間と共に変わっていく自然。
誰もが経験するであろう「自分の居場所はどこか」そんな感情を抱きながら故郷にいる。嫌なこと、面倒なことから目をそらして他のことに集中して。
所々重なる部分があり少し辛かったです。
私は自分の納得できる場所が自分の居場所だと思っています。
いち子は故郷にいる自分に納得できなかった。
だから故郷を出て、都会に行き、でも戻って、そしてもう1度故郷を出る。そして戻ってくる。
言葉にするととても意味の無いことをしているように見えますが、この迷いこそがとても大切なのだと思います。
それこそ、作中いち子の母が手紙に記した通り「人生はらせん」と同じなのかも知れません。
外から見て意味の無いことも、自分自身からすれば重大なことだったりする。いち子にとっ小森にいた時間、都会にいた時間はどちらも意味のある事だったのではないでしょうか。
自分を成長させるためには何かを育てたらいい。リトルフォレストはその意味を考えさせてくれる映画でした。
私はこの作品がとても好きです。
しかし、まさかキッコとゆう太が結婚するとは……てっきりいち子と結婚かと思っていたので意外でした。