「いつの間にかこの作風の虜になってしまいました、味のある映画でしたね」リトル・フォレスト 冬・春 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
いつの間にかこの作風の虜になってしまいました、味のある映画でしたね
夏・秋編に続いて、今回の冬・春編もストーリーは有って無いようなものでしたが、一季節約一時間のこのスタイルが妙にクセになると言うか、不思議な魅力溢れる作風で、今回もまたとても心癒されました。
前作のラストからようやくストーリーが大きく動いていくのかなと思いきや、蓋を開けてみればそうでもなく、いつも通り淡々とした展開だったので最初はあれ?とも思ったのですが、結局この映画はこれがいい、これがホント落ち着くんですよねぇ。
生きる為に食べる、食べる為に作る、シンプルだけど、生きていく上での必要絶対条件でもあったりしますから、だけに心にスッと入ってくるところもあったのかなと。
来年食べるものを、一年前から作り始める、農業ってシンプルだけど奥が深いですねぇ。
農家の方々が丁寧に手間隙かけて作られた食材に対して、もう少し感謝の念を持たないといけないなと、強く思わされましたよ・・・。
しかしこの映画は、飯テロ描写が半端ない!(笑)
季節季節の食材で、橋本愛演じるいち子が本当においしそうなものを作るんですよねぇ。
もう最初の納豆餅からしてやられた~大好物なんで。
中にはちょっと失敗作もあったりしたのも、お茶目で可愛かったです。
料理好きなら、即実践してみたくなること間違い無しでしょう。
それにしても、農業している橋本愛が、料理している橋本愛が、とにかく美しかった、こう言う映画で、作品と役者がこれほどマッチした映画もそうそうないのでは?
また今回は、前作では出番がそれほど無かった親友キッコ役の松岡茉優も、ガッツリ話に絡んできて、対照的な2人を堪能できましたね。
前作の段階ではそれほど親友感はなかったですが、今回は2人の間の強い絆が垣間見れて、よりストーリーに深みを持たせたなと思いました。
小森に逃げ帰ってきたことで苦悩葛藤するいち子、苦悩するいち子に対してとある感情を抱くキッコ、その構図が橋本愛と松岡茉優のキャラにピタリ嵌って、前作よりは話的にも少し見所があった後編って感じでしたね。
それと相変わらず三浦貴大もピンポイントでいいこと言いますね、リアルではこう言うタイプ正直苦手ですけど(苦笑)
まあよくよく考えると具体的なことはストーリー上ほとんど語られてない感じではありましたが、まあこの映画はこれでいいんですよね、ホント心癒されましたよ。