「解説します。」複製された男 saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)
解説します。
全然わからんという人は調べてください。
理解出来ずにボロカス言う人が沢山いるので…。調べる癖をつけると映画リテラシーがあがります。
では解説します。
三流俳優と大学教授は同一人物です。
男は俳優になりたくてエキストラなど演っていたのだが夢破れ大学の先生になる。
妊娠中の可愛い奥さんもいて、良いマンションに住んでいるが、浮気した過去があり、今でも浮気妄想・浮気願望が止まらず、変態クラブにまで通っている。
そんな男の妄想話がこの映画です。
ラストの車事故で2人が死んだ時に、妊娠してる奥さんと愛を交わすのは、彼の頭の中で妄想が終わった事を表してます。
男は謝り、奥さんは許します。
しかし翌朝ポケットの鍵を見て、今夜の予定は?僕出掛ける用事がある。と奥さんに言います。これはまたもや変態クラブにいって浮気しようとしてるという事。そして部屋に行くと奥さんは蜘蛛となり警戒した態度をとる。何故警戒してるかというとまた夫が浮気するつもりだとわかっているから。
それも含めて男はやれやれといった表情をする。
蜘蛛は女の象徴。蜘蛛の糸を張り巡らし束縛する嫁の象徴です。
街に張り巡らされた電線や、事故の時に割れた窓ガラスにズームするのも蜘蛛の糸の象徴です。
この後男はおそらくまた変態クラブに行くでしょう。何故なら最後奥さんに、お母さんから電話があったわよと言われます。思い出してください。映画の冒頭はお母さんの留守電から始まり、鍵を持った主人公が変態クラブに入っていったでしょ?
男は浮気を繰り返すんです。
そしてその変態クラブで蜘蛛を踏み潰そうとする描写がありますが、それは束縛する奥さんを踏み潰す象徴です。
以上の事柄を理解してもう一度見るとよりよくわかるでしょう。
僕ははじめ見た時は理解できませんでした。が、何故かこの映画が好きでした。ラストの蜘蛛でギョッとしたし、まるでカフカの変身のようでもあったので、そのままの印象でも良かったのですが、調べて謎が解けると新たな印象が出来て、2回楽しめました。
ジェイクギレンホールの大ファンですが、皆さんの感想を読んで見るのをやめていました。(笑)
素晴らしい解説ありがとうございます。予習した上で、鑑賞してみようと思います!