「道は開かれる」複製された男 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
道は開かれる
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というレンタルDVDから端を発するストーリーなのだが、現実でも、今作品原題『アンエネミー』を延滞してしまい、高くついてしまった顛末である。
監督、主演とも、去年くらいから注目度が高い人物なので、今作品に対する期待は俄然高く、ハードルの上げすぎを抑制しながらの鑑賞である。
始めに結論から言うと、大変な哲学的問題作なのだ。いや、それ位完成度が高いということではなく、常人にはサッパリ理解出来ない展開が淡々と繰広げられる。いくつものフリと、しかし回収されないオチ。いくつものテーマが交差する中で、最終的にあの禍々しい蜘蛛がメタファーとして示唆しているのは、『後ろめたさに男は結局元鞘に収まる』という結論を公式に監督は公表しているらしい。とにかく何が何だか狐に摘まれるような、全体がセピア掛かった色彩にイメージが重層的に溢れてきて、脳が蕩けるような作品だ。でも、嫌いにもならないのは何故だろう?やはりこの手の作品を仕上げることに長けた異才かと改めて感心した。
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