「このアルバム(MV) 欲しい!!!」はじまりのうた とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
このアルバム(MV) 欲しい!!!
「音楽があれば、陳腐でつまらない景色が美しく輝く真珠になる」この一言に尽きる映画です。
アレンジ一つで、音楽ってこんなに変わるんだと言うことを改めて思い出させてくれます。街の雑音まで音楽になる。プロデューサーがアーティストをのせる。同じ楽曲が、音に翼が生えて活き活きと拡がり、踊りまわる。
楽曲一つで、アレンジの仕方で、二人の関係があからさまになってしまう。言葉を重ねて歩み寄ろうとしても、音楽を聴けば…。反対にニ度と重なり合わないと思っていた関係も、音楽を介せば…。
物語は、ダンとグレタの設定がこうならこうなるだろうという予測を何気にはずします。失職、離婚の危機、失恋と人生の重大事件を描くのですが、盛り上げはなく、あっさりと堅実に描かれます。
劇的な場面はないものの、日常的にありそうな場面を丁寧に描いていきます。ダンの娘へグレタが恋のアドバイスをする場面で、隣で聞いているダンの慌てぶりとか笑いました。お父さんとしたら気が気じゃないよねぇ。
音楽と、映像と、演技と、演出が醸し出す妙。
マーク・ラファロ氏目当てで鑑賞。
『コラテラル』の刑事役で、なんてキュートでハンサムな方だろうと注目。『死ぬまでにしたい10のこと』でも艶と切なさを映画に添えていました。
そんな役を観ていた私には、あのハンサムガイの面影はいずこに??って感じだけど、やっぱり時折見せる視線はラファロ氏でした。しかも、今回はかっては飛ぶ鳥落とす勢いだった業界人という設定だと思うのに、どこか間抜けに見える。そこがまたツボにはまりファン度UPです。
キ―ラ・ナイトレイさんののびやかな歌声良かったけど、ヘイリー・スタインフェルドさんが拾いもの。
題名は原題の方が良かったかな?
鑑賞後、音楽の持つ力に改めて気付かされ、なにげない風景が愛おしくなり、忘れていた何かをもう一度始めたくなりました。
この映画の関係者に感謝です。