ゴーン・ガールのレビュー・感想・評価
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怖すぎ。
<映画のことば>
私を破滅させ、ニックだけが幸せに?
冗談じゃない。勝ち逃げはさせない。
夫婦で年金を分割することができるようになった途端、長く定年まで会社を勤め上げ、ようやく退職金を手にすることができた、その夜に、妻から離婚を切り出されて、青天の霹靂と感じる亭主族が、世には跡を絶たないと聞き及びます。
そのいわば「アメリカ版」というのが、本作なのでしょうか。
本作の場合は、エイミーの計画の完全性・周到性というものは、彼女が「アメイジング(無欠な)エイミー」として、両親から育てられて来たこととも、無縁ではなかったように思います。評論子は。ロザムンド・パイクの迫真の演技とも相まって。
いずれにせよ、自分は充分に妻に幸せを与えていると盲信して、高を括っている世の亭主族にとっては、根底から、その心胆を寒からしめる一本になったことだと思います。
(かつての評論子を含めて。)
本作を観終わったら、とりあえず何か奥様の好物でも買って、差し入れておくのが安全・得策ではないでしょうか。
まだ何とか、首の皮一枚ででも、間に合うかも知れませんから。
(奥様の好物すら心当たりがないという向きには、その時点で手の施しようもありませんので、その場合は「人間、諦めが肝心」と開き直る以外に方法はないと思われます。)
アメリカは、ボランティア精神が社会の根底にあると聞き及びます。
(アメリカに初めて進出した日本企業は、アメリカ市民のそういうボランタリズムや、アメリカでは企業に求められるメセナ精神を最初は充分に理解できず、「アメリカはたかり社会」と思い違いをしたという話も聞きます)。
そういう意味では、SNSの普及とも相俟って、お隣・近所、あるいはテレビの前の市民一般の「思惑」というものも、彼の地(アメリカ)では、いっそう影響力が大きいのかも知れません。
(わが国でも、昨今は、そういう風潮が出来上がりつつあるのかも知れません。)
エイミーが、まんまと作戦を成功させ、ニックを追い込むことができた背景には、そんな事情もあるかも知れないと思いました。評論子は。
まんまとエイミーの手玉にとられてしまうニックや、生け贄にされてしまうデジーが哀れと言えば哀れなのですけれども。
また、流血シーンの文字どおり「血腥(なまぐさ)さ」は、デビッド・フィンチャー監督に特有なようで、本作も、その例外ではなかったように思いました。評論子は。
いずれにしても、怖いですね、怖すぎ。
変なホラー映画よりも、よっぽど「怖い」一本でした。評論子には。
(余談)
<映画のことば>
君たちほどイカれた夫婦は初めてだ。
私でも…な。
ニックのやらかし
ベン・アフレックは今作でもシリアスな場面で絶妙に口が開いていて良かった
電撃的に結ばれた夫婦が徐々に膿んでいく5年目の結婚記念日、突然、妻のエイミーが失踪する。
煽動的な内容で視聴率を稼ぐメディアと、それに踊らされる衆愚によって、共依存的な夫婦関係が織りなすリアルな人間関係がコンテンツとして消費される。終わりの見えない恐怖に空恐ろしさを覚える。
繰り広げられる頭脳戦の数々は「鬼才」という敬称が最も似合う男、デヴィッド・フィンチャー監督作品ならでは。これでもかというほど展開が周到に用意されていて、2時間半があっという間に過ぎる。
失踪する妻をロザムンド・パイクが怪演。メイクや衣装でこんなに顔が変わるか。ゴーンのダブルミーニングにも注目。ベン・アフレックは今作でもシリアスな場面で絶妙に口が開いていて良かった。
ゴーン・ガール
2回目の鑑賞。やっぱり面白い、大好きだ。こういう映画を作りたいんだと思えた。フィンチャーは基本的に音楽の使い方がうますぎると思う。それからずっと漂う不穏感。これは編集の仕方と撮影の仕方、それから色味全てが関係してる。不穏な空気の作り方がうますぎる。
「人の弱い部分が見えたか?」
ニックは浮気をしてるけど隠そうとした。エイミーは完璧に見えて裏ではサイコパスだった。フィンチャーの作品は、一見ただのサイコ映画、謎解き映画に見えるけど、それがちゃんと人間の心を映し出すものだから面白い。みた後に傷跡を残すような。
「謎があったか」
表面的に見えるものが全てではないということがこの映画を支配していた。全員嘘つきで、それがどんどん観客に見せられ、暴かれていく。エイミーもニックも。だからこそ、最後の八方塞がりになった状況でのエイミーの不気味さ、怖さ、何を隠しているのか、何を計画しているのか全くわからない状況が起きる。
これこそ俺がやりたいものだ!と思った。「謎」が主軸にあって、でも実際は人物の心の中の話。
心の中の葛藤や対立、ジレンマ。それから謎。
それぞれのキャラクターの人間性や感情に乗っかって入り込んで観ること...
演出マル 脚本サンカク
これが結婚!
セブンのデヴィット・フィンチャー監督作品。彼の作品は後味が悪いことが多いので覚悟して鑑賞した。
ニューヨークからミズーリ州に移住してきた夫婦ニックとエイミー。結婚五周年の記念日に突然、妻エイミーが失踪する。当初、夫ニックには同情が集まるが、夫に不利な真実が暴き出されるにつれ、夫はマスコミのバッシングに晒され、妻殺しの容疑で追い詰められていく。ここまでは夫視点の良質なサスペンス。しかし、ここからは妻視点の心理劇に一変し、妻の失踪理由が夫の浮気であることが明らかになる。そして、物語は予想外の展開を繰り返しながら意外な結末を迎える。
本作は、夫婦双方の視点で失踪事件を捉えることで、真実の多面性、そして、“理屈で動く男性と直感で動く女性”の価値観の違いを浮き彫りにしている。また、主人公夫婦が移住した背景には、セレブ崩壊というアメリカ経済の陰りが垣間見えるが、敢えてそこには触れず、結婚生活の在り方にテーマを絞り、主人公夫婦の心理を深く掘り下げて描いている。
失踪したのは大人の女性なのに、ゴーン・ガールというタイトルが意味深。子供の頃、母親が書いた童話の創作物であるアメイジング(完璧な)エイミーという偶像を演じ、虚構の中で生きてきた妻は、大人になってもその生き方を変えず、ガールのまま。そして、完璧な結婚生活を演じ続けるため、悪女に変貌していく。一方、だらしなく頼りない夫。主人公夫婦に限らず、本作の登場人物は、女は逞しく、男はイマイチであり、エイミーを筆頭とする女性の強かさが際立っている。
紆余曲折の末に、結局、大人の分別で元のさやに納まるラストは意外であっけなかったが、多様な答えがあるテーマなので、後味はそれ程悪くなかった。
妻の台詞にもあるが、これが結婚!それでも結婚します?結婚を続けます?というフィンチャー監督の強い問題提起に狼狽するか反論できるか、自分の気持ちを確かめたい人、特に男性は心して御覧あれ。
75点
息をする様に嘘をつく
えきさいてぃんぐ‼️
人間的な怖さ
もっと重苦しいのかと
よくできたファンタジー
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