ゴーン・ガールのレビュー・感想・評価
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かなり一生懸命に観ました。
弛緩する部分が少なく緊張したままラストにたどり着いたような感じです。画面からの恐怖感は少なく、実際には一箇所だけでした。分かりやすい怖さなので、スリラーが苦手な人でも大丈夫かな? 面白い映画でした。
胸糞悪いけど観るべき映画
こんなに観終わった後不快になった映画は久々で、でも沢山考えさせられて頭の中には言葉が溢れてきて、気付いたら観てよかったって思ってた。観終わったあとはどっと疲れたから、現実世界に戻って冷静になれたのかな。いやーーー…凄い。こんな映画フィンチャーにしか撮れない。長いのにテンポが良いから見飽きない。でも疲れる。精神的にくる。
恋愛や結婚ほど合法的に狂ったことはこの世にないのかも。そして狂気を拗らせると悪魔になる。程度の差こそあれこれは起こり得る狂気だ。だからこそ恐い。そう、とても身近な問題なのだ。
現実は悲劇であり喜劇。
にしても、キャスティングの的確さには本当に参る。演技、演出、パーフェクト。
こんなにカップルにクリスマスに観る映画としてオススメできないのないかも。
いや、でも、みんな観ればいいと思うよ!
クリスマスの浮かれたムードがぶち壊れるからね。笑
心の強さが試される。
前夜祭上映で観て参りました。
いやね。
正直キツいです。
男女で観に行くなら覚悟して下さい。
よほど絆の深い関係でないとヒビが一つ入りそうな
爆弾を秘めてます。
今年の「渇き。」に似たテイストを感じます。
(ただし残酷描写はあまりありません。)
万人には勧められませんが、強烈な印象を残していく作品、といいますか。
いやね。(大事なことなので)
正直、観る前は、失踪した妻と犯人見つかって
ハッピーエンドと勘違いしてました。
ちょうど、折り返し頃の時間帯で展開がガラリと
変わります。
はっ、えっ?えっ?
ついていけない進み具合ではなかったので
置いてきぼりにはなりませんでしたが
正直、度肝を抜かれました。
そこからは望みを立てては一つずつへし折っていく
もう(ある意味で)素晴らしい展開。
自業自得という言葉が作中で出てきますが
まさにその通りですね。
また、おそらく男性と女性では
この作品の受け取り方、かなり変わってくると思います。それも受け取り方を巡ってわだかまりができそうなレベルで。
私はとりあえず観賞後に
「すいませんすいません、もうごめんなさい」って
謝ってました。
万人向けかどうかと言われれば
間違いなくNo!と即答します。
そんな作品をよく作れるフィンチャーはやっぱり凄い。
夢も希望も無い!
装いに満ちた夫婦生活の交錯しない生き様っぷりが見事。
溜め息を散りばめたサスペンスで結婚の破綻を、
示唆に富んだ皮肉を織り交ぜて滑稽の連続を描く。
反面教師としての見応えをたっぷり疲労を伴いながら堪能。
恐ろしい
観始めた時はレイミーの両親が犯人かと疑っていたのですが、徐々に人々が語るエイミーーと手紙や主人公や妹の言動から感じるエイミーのイメージの違いにおや?と思っていたら成る程。
二重人格なのか?とも思ったらそれよりももっと恐ろしいエイミーの姿に驚きました。
中盤でエイミーの正体がわかる流れにもう?とも思いましたが、そこから主人公がエイミーを見つけだす展開か新鮮で面白かったです。
もうひとつ面白かったのが周りの人、メディアの反応をそれぞれ使ったところでしょうか。
しかし、このメディアや人々の反応がこの映画を観て恐ろしいと思った要因のひとつです。
メディアや表面上のやりとりでいとも簡単に踊らされ、利用される様は、現実にも起こっていることだと思うと、エイミーよりも恐ろしく感じました。
ラストはなんとも後味の悪く、果たして主人公に未来はあるのかと問いたくなる形ではありましたが、きっとこれが現実かとも。
あんなに騒ぎたてたメディアも興味をなくし、人々もすぐに事件を忘れ、残るのはひとつ屋根の下で恐ろしい殺人者と暮らさざるえない主人公…背筋がぞっとします。
征服欲そして先が読めないストリー展開!
本日12/12公開の当該作品は、米国で600万冊を売り上げた
女性作家ギリアン・フリンのベストセラー小説を
映画化した作品です。
結婚5周年に突如姿を消した妻を捜す男が、
警察の捜査やメディア報道に追い込まれ、
さらに妻殺害の疑いを掛けられてしまう物語を描くスリラーです。
本編149分のR15+です。
『女は怖い、妻は怖い』こんなコメントがありましたが、
そんな単純なストーリーではありません。
なぜ、エイミーはこの様な判断と行動を取ったのか?を考えると、
私は、夫婦生活をはじめとした人間関係の難しさを感じました。
『征服欲』これは、人を愛せば、多かれ少なかれあるものです。
しかし、エイミーの場合、それが結婚生活の必要条件だったのです。
さすがに、米国で600万部のベスト・セラーだけあり、
先が読めないストーリー展開が、たまらなく楽しい!
私は、この手の難しいスリラーが好きです。
お薦めします!
MK
恐ろしい・・・。
この映画…一言で言うと怖い。
突然失踪した妻…その妻を探す夫。
夫は妻を心配し、捜索するが…
実はこの夫、かなりのクソ夫で、妻がいるにも関わらず、教え子とヤりまくっていた。分かりやすく言うと不倫していた。
それを知った妻は、自分が使い捨てだと思うようになり、そして夫を復讐することを決意する。
どのように復讐するかというと夫が妻を殺したように見せかけ、殺人の罪で逮捕させるということ。数々の罠を残していきます。自分はそうだろうなって思っていたので、特に驚きもしなかったのですが、問題はそっからが恐ろしい!
あまり詳しくは書きませんが、元恋人の別荘のシーン…あれはないだろう~(>_<) どんだけ頭がいいんだこの奥さんは!と・・・(笑)
あと、刺激の強いグロ描写とエロシーンがありました。まさにR-15ですね(^^;
こんな恐ろしい映画を観たのは生まれて初めてです。なので星5つにしました!
策略的な応酬の向こう
マシンガンの様に降り注ぐエイミーの策略に、迷い、さ迷い、絶望や、怒りを体感するベンアフレックと、オーディエンス。
我々は恐怖に怯えながら、虚構にも似た、知りたくないエイミーを目撃しなければならない。
嫉妬してしまうくらい美しく、性的な彼女に惚れてしまうくらい虜になってしまい、自分が裏切られたかのよう。
人と人が解り合う尊さ、情報社会の渦に飲まれコミュニケーションが不足する現代を痛烈に批判し、今にも起こりうる感覚すら感じさせる、フィンチャーの恐るべき問題作。
これを映画作品として捉えるか、時代作品と捉えるかは自分次第であり、帰り道少し背筋を正したのはいうまでもない。
結婚ってこんなもの?
予告編で、夫が失踪した妻を殺害した容疑に問われていることまでは明かされている訳ですが…最高にマッド&クレイジーだった。
フィンチャー監督の作品だから、予想は必ず裏切ってくるだろうという前提で鑑賞しているので、'ここからどう展開していくんだ⁈'っていうドキドキ感が最後まで持続しました。
いや、この作品を敢えてカップルで観て欲しい。その上で、自分たちの関係についてとことん話せれば、それは本物なんだと思います。
私には、そんな勇気ないです…。
怖いね!!
出てくる登場人物を演じる俳優さん全員素晴らしいのですが、中でも、ロザムンドさん、間違いなく熱演!!綺麗で知的な彼女のギャップっていうのか、スゴすぎ。アフレック目当てだったので、予想外でした。
果たして本性を見抜けるか。これが人間の本当の恐ろしさ。
【賛否両論チェック】
賛:人間の本性の持つ恐ろしさを生々しく体現。緊迫感の続く雰囲気も、サスペンス好きにはたまらない。
否:過激な性描写や殺害シーンがあり。終わり方も賛否必至か。
まずR-15なので、描写はかなり過激です。ラブシーンやグロシーンが結構あります。“失踪事件”というどこか不気味な雰囲気の中で、刻一刻と変わる主人公の立場が、克明に描かれていきます。
ただ失踪の真相は、割りと早い段階で明らかになり、後半はどちらかというと、その真相を受けて主人公が葛藤していく感じなので、謎解きそのものの驚きはさほどといった印象ではあります。あまり言うとネタバレになってしまいますが、
「人間って怖っ!!」
って思ってしまう終わり方です(笑)。好みはかなり分かれるかと思います。
上映時間も結構長目なので、サスペンス好きな方にはオススメです。
宣伝込みで、上手い!
予告のエルヴィス・コステロ「SHE」に、気持ち良く裏切られた一本。
映像、演出、音楽、ストーリーの捻り。
完璧にキャラクターに嵌ったキャストの演技の妙。
映画的には「さすがフィンチャー!涙」と小踊りしたい快作なれど…
個人的には本当に胸糞悪い!本当に悪いったら!涙
ここでまたベン・アフレックとロザムンド・パイクの配役の妙と、演技の妙が光るんだ!
それ故に抱える事になる、この胸のウラハラ感…
「いっそ嫌いになれたら、ナンボか幸せなのに!涙」みたいな、ね。
作品に触れる事が装置を壊すので。
中味はその眼でご確認を。
とにかく後味はド悪い作品。
なんとも言えない余韻
モヤモヤそわそわというような、なんとも言えない気持ち悪さが終始残ったまま終わりました。
けれどこんなに黒くて怖いはずなのに
登場人物たちが少し可愛く思えたり、
クスッとさせられたり、退屈しない作品でした。
とても言葉にしづらい感覚が残ります。
結婚することはどういうことかを、
結婚相手を選ぶということはどういうことかを考えさせられました。
自分しか愛せない女が無残
ストーリーは
ニックとエイミーとの結婚5周年記念日だ。二人はニューヨークで出会い、二人ともキャリアを積み、スノッビーな生活をしてきたが、ニックの母親が癌を患ったのを機会に ミズリーの小さな街に引っ越してきた。でも母親は早々と亡くなってしまい、小さな街では仕事もなく、ニックは失業状態、裕福な家庭出身のエイミーの蓄えに頼っているような状態だ。今日も、ニックは妹が経営しているバーで、昼間からウィスキーを飲みながらグダグダしている。
ニックが家に戻ってみると、居間のガラステーブルが割られ、妻のエイミーが居なくなっている。あわてたニックは妻が何かの犯罪に巻き込まれたのではないかと疑い警察を呼ぶ。警察は捜査を始める。ニックと、ニューヨークから飛んでやってきたエイミーの両親は、一般から情報を集めるために、メデイアを呼んで記者会見をする。エイミーは両親が書いた人気の子供用の本「アメイジング エイミー」で誰一人知らない人はないほど有名な子供だった。人気作家の一人娘として、することなすこといつも注目を浴びて育った。マスコミはエイミーの失踪を放っては置かない。
やがて警察は、台所から多量の血痕を発見する。警部たちの前で、近所の女からニックは、人殺しとののしられる。ニックが見たこともない女だ。夫には全く理解できない事態だったが、警察は早くからニックを殺人容疑で調べていた。エイミーの貯金通帳には、ニックがゴルフやゲームなどの贅沢品を買って使い込んでいる事実があがった。警察としては、あとは死体を探すだけだ。
ニックは妻が行方不明になった可哀想な男から一転、家庭内暴力で妻をいたぶり、妻の貯金をせびって、あげくの果てに妻を殺した犯罪者扱いされるようになった。そこに、ニックの若い愛人が現れる。最低の筋書だ。ニックは人々から厳しく監視される。
それは、妻の思うつぼだった。妻は長いこと、愛人を作ったニックを罠にはめるために、復讐のチャンスを待っていた。夫が欲しがってもいない高価なプレゼントを買い与え、近所におせっかいな女友達を作り夫の悪口を吹き込む。髪を染め、顔に傷を作って、田舎に潜伏をする。昔捨てた男を呼び出して、保護を求め、うるさくなったら男を始末する。そして、マスコミの注目の最中に、血まみれの姿でニックのもとに帰る。マスコミは大興奮。昔の男に誘拐されて、虐待されていた可哀想な「アメイジング エイミー」が、サイコパスの誘拐犯人を殺して、やっとのことで夫のもとに戻ってきた。マスコミの注目する中、ニックは自作自演で芝居をやって人殺しまでしてきた妻を受け入れなければならない。妻は戻ってきたのだ。
程なくして冷凍していたニックの精子を使ってエイミーは妊娠する。またまたマスコミは、大ニュースに大興奮。幸せなカップルに待望の赤ちゃん。ニックは逃げも隠れもできない。妻の復讐は終わらない。昔の男ののどをかき切って殺してきた妻は、今度こそ自分ののどを狙っているかもしれない。いつ殺されるか。マスコミが作り出した幸せなカップル、優しい夫の役をニックは永遠に演じ続けなければならない。いつまでだ。死ぬまでだ。
というストーリー。
幼児的サイコパスのエイミー役に、ぴったりの女優ロザムンド パイクが好演している。頭の良い妻に自由自在繰られる、どんくさい夫役にベン アフレックもとても良く演じている。
端役だが、取り調べ警部役のキム デイケンズが、すごく素敵。昔の警部役ならトレンチコートの襟を立て、タバコのチェーンスモーカーというような渋い役柄を、女性警部が紙コップのコーヒーをいつも片手に、とぼけた姿で相手を油断させて、さりげなく犯罪を探し当てる「切れる」警部を演じている。また、凄腕の弁護士役、テイラー ペリーも、貫禄があって存在感があって映画の株を上げている。
監督のデビッド フィンチャーは52歳のアメリカ人。1995年「セブン」で、ブラッド ピットが、モーガン フリーマンの演じる警部と一緒に、サイコパスの殺人犯を追う映画で華々しくデビュー。1999年、同じブラッド ピットを使った「ファイトクラブ」で、素手で戦う男を演じさせて注目を浴びた。2002年「パニックルーム」ではジュデイ フォスターを使って、また2007年には「ゾ‐ディアック」で、ジェイク ギレンホールとロバート ダウニーjrを使ってスリルに満ちた映画を作った。2008年「ベンジャミン バトム数奇な人生」、2010年「ソーシャルネットワーク」も忘れられない作品だ。2011年には、ハリウッド版「ドラゴンタットーの女」を製作した。こうしてみると、意識していなかったが彼の作品を、ほとんど全部観ている自分に驚く。ハリウッド映画では、ミステリースリラー作品の売り込み方が上手なので、つい宣伝に乗って観に行ったのだろう。怖い場面の音響効果の出し方に長けて、観客の期待を裏切らずにしっかり怖がらせてくれる映画造りに独特の才能を持った監督なのだろう。
この映画だが、なんとも後味の悪い映画だ。愛する人が居て、真面目に学んで働いて、打ち込める趣味を持ち、自分の人生を結構楽しんで生きているといった、ごく普通の人々にこの映画を勧めたくない。自分しか愛せない女のお話だ。この映画の主人公は周りの人々に、小さなときからチヤホヤされて育ってきて、「注目を浴びている自分」しか愛せない幼児的異常人格者だ。夫と一緒に田舎町に移り、友達もチヤホヤしてくれるマスコミも追ってきてくれない。夫に愛人ができてどうやって世間の注目を取り戻すか、妻は考える。妻が自作自演の芝居をやるために自分の顔を傷つけたり、暴行を演出するためために自傷行為を繰り返すシーンなど思わず目をつぶりたくなる。それほどまでにして復讐するか。用意周到に計画を実行する姿を面白がったり、感心したりしている観客も、「ここまでやるか」とエスカレートするごとに背筋が寒くなる。賢い女が本当に怖い怖い怖い怖い女になっていく過程は無残としか言いようがない。
ここまで裏切った男を追い詰められる女って居るのだろうか。人は許し合える存在ではなかったか。復讐は何も生まない。許し合うことで、人は一歩自分を高めることもできるのに。とても後味の悪い映画。誰にもお勧めできない。
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