劇場公開日 2014年6月6日

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「ミッチミチに詰め込まれたウェス・アンダーソン監督の世界をテンポ良く堪能できる作品。」グランド・ブダペスト・ホテル Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ミッチミチに詰め込まれたウェス・アンダーソン監督の世界をテンポ良く堪能できる作品。

2014年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

非常に良かった。

ウェス・アンダーソン監督、最新作。
流れるような室内の映像や目が覚めるような色彩。
玩具箱を引っ繰り返したような楽しさ。
これまでの作品同様、その独特の感覚を堪能出来ます。

登場人物が魅力的。
特に主人公のムッシュ・グスタフ・H。
彼の礼儀作法や身嗜み、自身の在り方に対する拘り。
一方で女好きで、夜の“おもてなし”についての軽薄な語り口。
そして魅せるべき所で魅せる正義感。
彼の可笑しな魅力により作品に惹き込まれました。

また随所に差し込まれる人形劇も良かった。
アクションや移動の場面で出てくる人形劇。
ジオラマの中で動くグスタフとゼロの人形。
チョコマカと動く人形。
その動きの可愛さ、そしてテンポの良さにグッときました。

そして音楽。
思わずサントラCDに手が伸びる素晴らしさ。
サントラを聞くことで作中の場面が思い浮かぶ程に印象的。
予告編でも流れる『リュート撥弦楽器のための協奏曲 第一楽章:モデラート』。
『トラディショナル・アレンジメント「月光」』が特に良かったです。

ミッチミチに詰め込まれたウェス・アンダーソン監督の世界をテンポ良く堪能できる本作。
最後に流れる字幕「シュテファン・ツヴァイク」の生涯については前知識と持っておくと、本作をより楽しめると思います。
オススメです。

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Opportunity Cost