劇場公開日 2014年7月19日

「新たなジブリ」思い出のマーニー harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5新たなジブリ

2014年7月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

孤独な少女を救える唯一のものは?

私たちが子孫に遺すもの。
又は先祖から受け継がれて来たもの。
いわゆる遺産には土地や建物、金銭や貴金属、証券類やお宝の類いまで色々なものがある。
借金というマイナスの遺産が受け継がれることもある。

しかし私たちが真に受け継いで来た大切なものは何か?
そして子孫に遺すべき大切なものは何なのか?
連鎖的に遺してはならないものは?

本作『思い出のマーニー』の中で描かれているのは、そんなことである。

ストーリーはジブリ作品としては珍しくミステリー仕立てですが、ストレートな作風なのできっと誰にでも分かりやすい内容だと思います。
(小学校二年生の子でも一応理解出来ていましたから)

しかしそこに描かれているものは重く深い。

主人公杏奈は自分自身のことを嫌っている、自分の存在を大切に思えない女の子だ。
なぜ彼女がそうなってしまったのか?
彼女にとってマーニーとは?

ネタバレが怖い作品ですのであまり触れられませんが、今まさに子育て奮闘中の世代の人達に是非観ていただきたい一本である。
勿論子育てを終えられた方々にも、自分たちが子孫に遺す唯一無二のものは何なのかを考えさせられる作品だと思います。

新たなジブリの出発点。

観た人が我が子や孫にそっと寄り添いたくなる。
そんな作品です。
またそうなって欲しいと願います。

harukita