「観ててしんどい」8月の家族たち kalichan88さんの映画レビュー(感想・評価)
観ててしんどい
病気で薬漬けの妻ヴァイオレットを持つ夫がある日失踪する。それにより、それぞれ訳ありの娘3人が家族と共に家にかけつけ、父親の帰りを待つが…。機能不全家族をリアルに描き、家族とは何かを問う一作。
ヴァイオレットは毒舌家で娘やその家族まで巻き込み、彼らに精神的虐待を続ける。しかし彼女の生い立ちもひどいもので、この負の連鎖はどこまで続くのか、家族同士で何故ここまで傷つけあうのか観ていて悲しくなる。家族だから逃げられない。家族だからどんなにむかついても苦しくても憎くても愛してしまう。家族って不思議なものだ。
家族だけでなく、夫と妻の関係についても描いている。特にヴァイオレットの姉妹夫婦の会話では、長年連れ添ってきても分かり合えないものがある事実を、クリス・クーパーのいい演技で見せている。
映画は始終、お互いの傷つけあいと相手への嫌味が続くので観ていてしんどいというのが率直な感想。現実だってしんどいのに映画でもどうしてこんな思いをしなくてはならないの。一ついいことがあるとすれば、もし嫌な人に合っても何故その人が尖っているのかが、この映画を観ることで、何となく分かるかもしれないということだ。あと、たぶん自分がこの家族じゃなくて良かったと思えるんじゃないかな。それはそれで幸せだと思う。
ちなみに、豪華キャストです。
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