「ぐちゃぐちゃ」8月の家族たち rockoさんの映画レビュー(感想・評価)
ぐちゃぐちゃ
メリル・ストリープがまたしても憎まれ役です。あんな母さんもったら人生狂ってしまいますね。彼女は彼女なりの正義を貫いて時々えらいと思わせられましたが、結局は自分を悲劇の主人公にして、自分に同情してしまった時点で周りを不幸にする道は避けられなかったわけですね。こういう人、ほんといっぱいいます。誰かを気遣っているふりをしながら実はかまってちゃんで、誰かを世話したり、叱ったりしても最終的にはそういう自分を見て、という人。子供の時分だったら妙な理屈とゴリ押しの説得力、母親の権力で押さえつけられますが、30過ぎた大人相手だとわけが違います。しかも家族のメンバーほとんどが何か暗い過去をもってエゴイストでコテコテの人たちなんで、最後はあれはあれで仕方がなかったんでしょう。かわいそうだし、曲がりなりにも子供は育てて、旦那の問題なども我慢して、えらいといえばえらいので、同情や尊敬をしようにも、結局は誰もあの母親と一緒にいることに耐えられなかったわけですね。
欝な映画でした。
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