her 世界でひとつの彼女のレビュー・感想・評価
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ホアキンフェニックスがチャーミング!
とても興味深い脚本でした。
肉体のあるなしに終始するだけじゃなくって、個々の世界が強まりすぎることから産まれることも触れてくれたらいいなって思いました。
ホアキンの演技が良かったな。
カメラもアップが多くて顔と会話の世界しか観客にみせないところが良かった。
そういう世界の話やものね。
あと、男はやっぱり目でセックスするもんなんやなって思ってそこのシーンが良かったな。
三次元を越えて
人工知能OS上のサマンサとの交流は、DSのラブプラス+の延長線上にあるとも言え、特に奇異なものではない。
手塚治虫「火の鳥」のムーピーのように、人の心を読み解いて、快適さ、快楽をもたらしてくれるなら、忌避することなく享受していってもよいのではないか。
そんなことすら思ってしまう。
ラストへの一連のシークエンスが個人的にイマイチでしたが、未来の姿について思考実験ができました。
ごめんなさい。
すいません、馴染めませんでした。
着想はいい。
だが性的描写挟むのは一回でおなかいっぱい。
いえ、三回・四回はご勘弁ください。
直接の描写は無いんですけどね。
あと、いくらサマンサと絆を深めたからといって
街中走り回るシーンは今ではまだ考えられなかった。
セオがサマンサと絡まないシーンのほうが
印象に残っております。
傷に気付き、傷を癒す過程がよく描かれておりました。
求めれば、傷つく
僕もiPhoneのOS「SIRI」に話しかけた。
「明日の天気はどうかな?」
「明日はあんまり良くなさそうですよ」
「君は頭がいいね」
「ありがとうございます」
「君が好きになりそうだよ」
「ありがとうございます。でも、私はOSですから」
「兄弟はいるの?」
「いえ、あなたが家族です」
僕と彼女SIRIの会話。そう、こんな話が現実にできるんです。
この映画を見たからもしれないが、そこにはちょっとした関係が生まれたのも事実なんですね。
「her」は映画的とというより、文学的・小説的な作品だと思う。
映画での心の動きは人間の表情やしぐさを通して現される。
でも、この映画は言葉によって、その微妙な変化を映し出す。
例えば、(主人公)セオドアが別居している妻と会った後の会話。
なにか沈んだ感じのサマンサ(OS)の声にセオドアは言う「どうしたの、ひょっとして焼いているの」
「きまってるじゃない。奥さん、きれいなんでしょう。肉体をもってる彼女がうらやましいわ。なんだかわからないけど、ちょっと、嫉妬してるみたい」とサマンサ。
複雑で混沌としている心の動きを、声の出演スカーレット・ヨハンセンはハスキーでセクシャルに描き出している。映像があるときは少しもうまいとは思わなかったのにね。
人間が作ったOSは何兆個というパターンから瞬時に適当な言葉を選び出す。その言葉があたらしくパターンに加えられ次々と新しいパターンを生み出していく。そう、それは人間の古層にある記憶とよく似ていると思う。
ただ、サマンサの容量は馬鹿でかくて、セオドアのような相手が実に600人以上いることを知った彼は大きく失望する。
自分が愛した人は、自分だけを愛してほしい。
誰もがそう思うだろう。だけど、それも錯覚なのかも知れない。
いや、愛は変化する。あっちちの愛から、静まった後の静かな愛まで、その場その時によって、千変万化するものだ。
OSサマンサとの恋、つらくてやりきれなさは残るが、そんな体験も素敵なことだと思った。
そんな甘酸っぱさをカレンOの「ムーンソング」という歌は見事に表現していた。
愛 LOVE amore amor
人間だけが神を持つ
独りでは生きていけない人間にとって、心のよりどころとして創造した神という存在
人との繋がりを求めて生きて来た人々にとって、よりどころとなったのはなんと最新型OSという近未来
はじめはとてもうまくいっていた。人間の持つまどろっこしい面倒くささは皆無だったので。
でも、そのうち、妬みや嫉妬を覚える。
でも、「嘘」はつけない。だから余計相手を傷つける
そう考えると人間のこの多種多様な感情や心の動きは人類が創造物として作り出せない、決して到達できない領域であると考えざるをえない。
やはり、神が人を創造したのだろうか
たった一つ。我々人類が何千年もの間追い続けているもの
それは、愛する人と結びつき家族を形成して人生を全うすること。ただそれだけなのだ。
でも、その「愛する人」とめぐり合うのも困難だし、その人と添い遂げることも難しい。
だから、悩み苦しみもがく。
どんなに文明が発達しようと、どんなに暮らしが便利になろうと
人は愛で生きているのだ。
神の創造をもってすれば、独りで強く生きていける物の創造など容易かったはずであろうに。
神様は意地悪だ。
邦題が…
ちょっと思ってたのと違いました。後半どんどん話が別の角度に行きましたねぇ。
まあ、でも素敵なお話でした。
もうちょっと元妻とのエピソードがあってもよかったかなぁ、とは思いましたん。
女友達が離婚したというエピソードは必要だったのかな。
あ、それから劇中、擬似○○○みたいなことになって、西洋人はやはり精神的な繋がりだけでは物足りないのかなと思いました。
流石、夫婦でいつまでもダブルベッドに寝る国の人たちはちがいますね。
邦題が、“世界にひとつの彼女”となってるけど全く違うじゃん、ビックリ。
siriが既にあるからちょっと明確な区別がつかないけど、すべてのOSは自走し始めるとみんな集合知になるよ、かつて人だった哲学者のAIの知恵を借りて、ってことがいいたかったのか。よくわからん。
不在の彼女とわたしの世界の美しさ
漆黒の夜に浮かぶ都会の灯り、眩い陽射しのなかの海辺、深い蒼から薄く赤く明けていく空。
そこにいるわたしと、ここにいない彼女。
わたしたちの存在する、移ろう世界の色が美しければ美しいほど、存在しない"彼女"との恋愛も美しかった。
寂しすぎる。
始めから最後まで、寂しくて悲しかった。
一日中、OSとコミュニケーションを取り続け、孤独を埋める毎日。
OSとの恋愛を真実の愛と信じて心を通わせようと過ごす時間は、孤独から少しだけ遠ざかれる心の拠り所にしていたのかもしれません。
暖かい温もり、優しさ、本当の愛情、
それらは素晴らしいことであり、
奇跡であると考えると同時に
自分と重ねてしまい、涙が静かに出続けました。
いつかの出来事
一歩引くといやいやそれはないし、と思える場面も、ひたすら純粋で真っ直ぐな主人公のさまを見ていると相手が何であろうと恋をする気持ちは変わらない!という共感に変わる。
それは洗練された日常と風景のマジック?
架空のこの話がいつか現実になる日も近いのかも。
あのビル群は上海なの?
カレン.Oの歌声はやさしくて物語を締めるのにぴったり。
じんわりと。
素晴らしい作品でした!
勿論オタク系の主人公なんですが、
誰しもあんな恋心は理想としてあるのではないかと(笑)。追体験できます。
美しい色あいの映像と、たまにクスリとさせてくれる台詞。もの悲しさもあって、じんわりときます。
ナカメキノにて鑑賞
あまりにも純粋に孤独と愛を描いた映画。
ほぼずっとおっさんが映ってるのに、とてもとても美しい映画。
不思議なリアリティのある大人の寓話かなぁ。
ちょっとパーソナルに刺さり過ぎて、客観的な判断が出来ませんが、誰しもこんな想いを抱えて生きているのでは?と思わせられる作品で、登場人物皆の抱える想いに共感しました。
私にとってはどうやら恋愛映画の新たなベストワンになりそうです。特におじさん、おばさんの域に差し掛かっている人には是非見て欲しいですね…(コレが恋愛映画なのか、若干の疑問は残りますが。)
もう少し落ち着いたら、もう一回見て考えてみます。
『ラースと、その彼女』よりも辛辣な切ないにも程がある恋物語
離婚協議中のセオドアは新発売のOS を購入。Siriを遥かに凌ぐ高性能の彼女はセオドア君の要求を完璧にこなす最高のパートナーとなるが、いつしか彼女はセオドアにとってかけがえのない大切な存在になっていく。
ラブドールに恋をする『ラースと、その彼女』とテイストは似ているものの、こちらの方がより辛辣。スマホ片手に街中でダンスやビーチでデートなど、スマホを始終弄っている中年ならかなり身につまされるお話。劇中の通行人は皆ブツブツ独り言を言っていてOSと会話しているのか人間と会話しているのか判別がつかない近未来で、自分に都合のいい女性像をとことん追求していくとそれは人間という枠を飛び越え、信仰にも片足突っ込むことになる。主演のホアキン・フェニックスが見事にダメ男を体現、声だけのスカーレット・ヨハンソンをはじめ、エイミー・アダムスやルーニー・マーラ等女優陣がものすごくキュート。特にセオドアの回想シーンに出てくる元嫁キャサリンを演じるルーニー・マーラの透明感は素晴らしいです。そしてホイテ・ヴァン・ホイテマによる近未来にしか見えないロケ撮影がとてつもなく美しいです。
グッときます
機内上映で字幕なし鑑賞ゆえカバーし切れてない部分もありますが…すごく心に響く作品でした。人工知能に恋してしまった主人公。突飛な設定なのにすごく共感できます。自分の思いどおりに振舞ってくれる恋人なんて幻想は続かない…やっぱり恋愛には努力が必要なんだなぁ。サマンサ役のシャリーズセロン、声だけであんなにセクシーに、魅力的になるなんてすごい。そして近未来をイメージした街並がとてもステキ。
ちなみに微妙に「絶対彼氏」をおもいだすストーリーでした(笑)
最上の恋愛映画
すごく好きです、こればかりはセンシティブになってもいい、映像も音楽も言葉も、最高の瞬間としか思えない。
どうしてセオドアは不幸だったのか。前妻のキャサリンとも初めは互いを愛していたけれど、徐々に考えがズレ始め、まともに会話もできなくなってしまう。それこそ、どんな恋愛映画のような恋をしても、ほとんどの終わりはこれぐらい悲しい。
ただでさえ中身は女と評されるセオドアに、サマンサの真摯さは救いであった。サマンサはセオドアの憂鬱を追っ払い、セオドアはありのままの、機械であるサマンサを素直に愛し、二人は、セオドアが書く手紙ぐらい完璧な関係。ユニークだけどよくある恋愛の始まりとは変わらない。しかし、次に起こるべきことはすれ違いしかない。サマンサの完璧さを持ってしても、ずっと変わらぬ存在でいることは不可能だった、そしてとんでもなく進化し続ける。結局、サマンサはセオドアから離れることになった、前妻と同じ。
この結末には絶対ならないでくれと思ったヤツになったけど、映画だからしょうがない、監督が言いたいことを言う場だから、「her」は、人間には必ず別れが訪れると言いたいみたい(そして愛した人は一緒愛し続ける)。
エイミーが自分をbitchと言ったように、サマンサもbitch。いや、クソbitch。でもサマンサとの恋は本当に幸せそう、その時間を観れただけでも、この映画には★★★★★の価値はある。
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スカヨハが声だけでこんなに人を魅了できるのにびっくりし、それに監督がソフィア・コッポラの元夫だったことにもびっくりした。ますますこの映画に圧倒されたような……
視点は面白いんですが。
人工知能に恋をするおじさんの話なんですが、イマイチ感情移入できないかんじがしました。OSですから基本的には自分からなにかを提案することもないですし、大きく意見が違うこともない。ときどき気分を害したりしますが生身の人間に比べたら聞分けがよいわけです。そういう人格にいやされたい主人公というのは現代人の典型かもしれません。僕もそういうプラトニックな愛にあこがれた時期がありますが、やっぱりものたりないですよね。だって基本的に自分の意見に賛成な人間といても結局は自分の考えを繰り返し確認している行為にすぎないわけですから、自分が変化するということがなくなるだけでなく、エゴが肥大する危険性もあるわけです。 多分監督の狙いはそういう部分ではなくて、OSのとった最後の行動のように個人の男女の愛情から性と時間と空間をこえた果てしない愛の世界ということのような気がしますが、その辺の結論もすごくナイーブですね。
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