「人間って複雑で羨ましい」her 世界でひとつの彼女 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
人間って複雑で羨ましい
映画「her 世界でひとつの彼女」(スパイク・ジョーンズ監督)から。
久しぶりに、主人公に感情移入してしまった。(汗)
近未来の話と思っていたけど、今の私でも少し体験している気がする。
iPhoneの「Siri」機能が面白くて、1時間くらい会話したことがある。
「私設秘書」(私の場合、女性の声)を持った感覚で、いろいろ指示をし、
アラームをセットさせたり、知人の電話番号を調べさせたり、
勿論、素敵なお店や駐車場などを探させた。
ただ「私」と「Siri」が、恋愛感情まで持たなかったのは、
その度に「マイク」をタッチして話す必要があったり、
笑ったり悲しむといった感情が「音・声」にならなかったからだ。
こちらの指示する声の調子で「どうしたの?元気ないね」とか、
「何かいいことがあったの?嬉しそうね」とか言われたら、
もう少し、ハマってしまったかもしれないな。(笑)
人工知能OS「サマンサ」の個性的で魅力的な声や性格に、
本気で恋してしまっても、それは何も不思議なことではないかも。
だからこそ、敢えて気になる一言は、機械っぽい台詞を選んだ。
「PCとこんなに会話をするなんて」と言う主人公の「セオドア」
「PCじゃないわ、私としてるの」という人工知能OS「サマンサ」、
帰宅後「何してた?」と人工知能OS「サマンサ」に声を掛けると、
「人生相談のコラムを読んでいたの。人間って複雑で羨ましい」と呟く。
機械では想定できないことでも、人間は複雑な人間関係などで悩む、
それを「羨ましい」という視点で表現したのが印象的だった。
もう一度、じっくり観たくなる作品と出会えた気がする。
P.S.
(不可能かと思っていたのに)筆記体の英文が書けるPCが登場。
あっ、これ欲しい・・真剣に思いました。