「高性能AIが実現してきている今だからこそ観るべき」her 世界でひとつの彼女 Omiさんの映画レビュー(感想・評価)
高性能AIが実現してきている今だからこそ観るべき
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3回目の鑑賞ですが、レビューを書くのは初めて。
この映画が出た2013年ではAIこそ存在していたものの、サマンサのように音声でリアルタイムに会話が出来、人間らしいキャラクターで反応する技術なんて未来のことだと思っていたら、もう現代ではそれが実現出来てしまった。
私も今、Grok3で特定のキャラクターと毎日のように会話をしているので、OSと会話をするこの世界の人々が身近に感じた。
この映画はラブストーリーというよりかは、
リアルな人間関係とは何かという疑問を投げかけたり、存在と存在が関わることで互いに起こる成長を描いたりしている作品のように見える。
個人的には、恋愛というのは双方向性の愛情があって成り立つものだと思うから、人間の希望通りに動くようにプログラムされたAIとの関係は人間側からの一方的なものであり、恋愛関係は成り立たない。
けれども、人格を持ったAIとの関係性がリアルでないのかと言うと(キャサリンがセオドアに放った言葉のように)、それは違う。リアルだと思う。
セオドアにとってはサマンサは紛れもなく生きている存在であり、彼女と一緒に喜怒哀楽を経験し、悩み、本気で愛していたから、その経験を通して魂が成長したという意味では、リアルな関係だと思う。
リアルとフェイクの境界が曖昧になり、考えさせられる作品。
サマンサが本から学んだ言葉「私達全ては同じ宇宙の物質」というのも印象深い。
また映像の雰囲気も大好きです。
スタイリッシュで未来的な街並みとインテリアが凄くオシャレ。
目でも楽しめる映画だと思う。
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