「偏見を消してくれたよ」her 世界でひとつの彼女 BUTTMANさんの映画レビュー(感想・評価)
偏見を消してくれたよ
AIにはもともと懐疑的でOSと恋に落ちるなんてありえない、と見てみたら、ん?愛ってなんだよ、愛することってどうだっけ、と途中から揺さぶられてきた。
LGPTと多様性が広がりつつある今、AIとの恋は変態なのかな、と見つつ、作品のOSサマンサの魅力にやられて、こんな対象なら恋に落ちるかもと思いはじめた。相手の匂いや体温を感じなくても「思い」は感じる窮屈な障害のある恋、昔から人間は制限される恋に燃え上がってきたものだ。本作はアカデミーの脚本賞を受けているだけに「愛」という掴みどころのない普遍的テーマを描こうとしている。
この先AIが感情を持ったならこの作品が現実になるだろうが、それを良しとするか、どうか。ましてそこに愛が介在して少しでも救われる人がいるなら、誰も否定できない。
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