劇場公開日 2014年6月28日

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「吹替版と字幕版、両方観るべき」her 世界でひとつの彼女 阿久津竜斗さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0吹替版と字幕版、両方観るべき

2024年10月16日
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悲しい

知的

難しい

 現在執筆時点で、映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が公開中なので、ホアキン・フェニックスつながりで観に来ました。やっぱジョーカーを演じているのを見た後に今作を観ると、彼の役の幅の広さが良く分かります。

 自分は基本、恋愛系の作品を観ることが少ないので、ぶっちゃけラブシーンが多かったのは退屈でした。が、この作品は全体的に静かで、映像もすごく綺麗なので、〝世界観〟という面では最高でした。SF映画として観ても、「指だけで操作するゲーム」とか、「感情を持つ人工知能」などの発想が面白くてワクワクしました。

 それから今作の魅力としては、やはり大半はサマンサだと思います。字幕で観れば、スカーレット・ヨハンソンの低くて、包み込んでくれるような声を堪能できるし、吹替で観れば、林原めぐみさんの落ち着いた、子守歌のような声を堪能できる。これだけで十分過ぎるほど見る価値(というか聴く価値)があります。

 作中、セオドアのちょっとした言葉の過ちによって、やたらと気まずい空気になるシーンが多かったです。それが観ていて個人的にマイナスポイントです。(……まぁでも「恋愛映画やる」ってなって、関係がうまくいかないシーンが少ない方が違和感あるかもしれないなぁ)(結局〝リアリティ〟の為なんだったら仕方ないのかもッスね)

        ~個人的キーワード~

 「街で出会う人を見て──その人の人生を想像してみることがある。〝どんな激しい恋に落ちたか〟とか、〝何回失恋したか〟とか」

       ────セオドアの言葉より

緩詰敬伍