「関係構築の真髄を教えてくれる」her 世界でひとつの彼女 Movie Mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
関係構築の真髄を教えてくれる
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人間だからできるコミュニケーションは、1対1で人生をかけて向き合い向き合って貰える事。尊重しあい、意のままにならない部分も含めて楽しむ中で長続きし、人生を共にできるのだと教えてくれた。
OSと恋愛というと、それが成立しない原因はありすぎる様に感じる。ところが、この作品の中では会話だけなら全く問題がないどころか、現実より快適で、肉体がなくともそれを感じさせないところまで来ている。しかし、どれだけ作り物要素を取り除いても、上記をできないから成立しないのだと気付いた。
OSが途中から進化しすぎて、セオドアの意思に反する事を強要したり、不安定になったりとより人間らしくなってくると、OSとの恋愛でもぎくしゃくし始める主人公。彼はもともと十分相手を尊重した会話ができているけれど、OSとの時間を通して、離婚協議中の元妻に、自分がのぞむ反応を求めていたと気付く。
一方、エイミーアダムスは、夫の価値観の押し付けに対して、自分の気持ちを殺して過ごしてきて、うまく折り合いをつける術が見つかる前に、自分に正直な人生を送りたいと離婚し、友人のOSで気を晴らすも、結局OSはいなくなる。
結果、傷を慰め合うセオドアとエイミーアダムスは人間同士。
OSでも人間でも、相手とお互いに尊重しあえる関係性はとても難しく、関係性の真髄。特に夫婦なら関わる深さが深いだけ尚更。
クリスプラット扮する同僚のポールは、主人公がOSと付き合っている事も受け入れて理解を示しており、現実にも異人種の恋人とうまくいっているのが象徴的だった。
ルーニマーラは美しいのに、サイドエフェクトの印象が強すぎて、不安定で相手を傷つける役が続いている。
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