劇場公開日 2014年3月14日

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「受難に立ち向かう我らの男。だけど」オール・イズ・ロスト 最後の手紙 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5受難に立ち向かう我らの男。だけど

2023年11月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

J・C・チャンダー監督の「アメリカンドリーマー」がなかなか面白かったので、どこかのレビューにあった、オール・イズ・ロストは面白かったのに、とか、オール・イズ・ロストの方が面白い、とかの情報で本作を観てみることにした。
結論から言うと、退屈するほどではないが「アメリカンドリーマー」の方が完全に好みで、「オール・イズ・ロスト」は物足りなさを感じた。

イマイチだった理由はいくつかあって、まず冒頭からずっと海上で、我らの男ロバート・レッドフォードの一人ぼっち。船に穴が開きそこから黙々と次々に起こる問題の対処をしていくのだが、ヨットにも海にも詳しくない私のような者には、今なにをやっていて、なんのためなのかほとんどわからない。極論をいえば問題が解決したのか、軟化したのか、はたまた悪化したのかすらわからない状態だ。行動の意味がわからないので面白く感じにくかった。
これはまあ、ニューヨーク映画批評家協会賞の男優部門を本作でレッドフォードが受賞しているとはいっても、彼はそんなに演技派ではないので、レッドフォードの演技力に難があったせいかもしれないとは思うけどね。
そんなわけで、レッドフォードの演技力不足、迫力不足がもう一つの理由。

良かったところとしては、やはり監督のJ・C・チャンダー。本作は微妙に低評価にしたけれど、彼のヒリヒリした空気感の演出力は注目に値するのではないだろうか。小技に頼らない王道で重厚さを出せるのはイイ。
ベン・アフレックあたりがなりたい監督の姿のような気がする。

哀愁や不条理さを感じることができる作品なので、評価する人の気持ちはわかるけど、できればもっと若い俳優で見たかったな。
レッドフォードだとお年寄り過ぎて、観賞後に得られるもの悲しさやカタルシスのようなものが彼の年のせいなのか難破のせいなのかわからんもん。

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つとみ