「タイムリープでパラレルワールド」アバウト・タイム 愛おしい時間について CBさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムリープでパラレルワールド
モテない弁護士の主人公が、20歳の誕生日に「実はタイムトラベルできるんだ」と父から聞かされ、その能力を使って、彼女作れるだろうか、という話。
俺は、そう思い込んで観ていたが、タイムトラベルによって、恋愛を成就しようとする前半は、刺身のツマだった。
20歳から40歳までを、ゆっくりと観ていく映画、というのが正しいのかもしれない。そう思えば、タイムトラベルの制約とか前提があまりにも適当なことも我慢できる。
たしかに、ずっと観ていられた映画だった。
自分にはあまりハマらなかったけれど。
壮大なおまけ
「タイムリープして違う行動をとったら、これまでの世界と別の世界が出来上がる」というパラレルワールドの話を聞いたことがありますか? でもそんなちっちゃなことで枝分かれして 10の50乗トンもある宇宙が2つになったり3つになったり増えていっていいのだろうかとふと思いませんか。この映画の結果なんて、どんなことになっちゃうの、そんなの無理って、思いませんか? 俺は思ってました。
でも、ある漫画が「そうじゃないよ」と教えてくれたので、紹介しておきます。
原作は光瀬龍の描いたSF小説「百億の昼と千億の夜」、漫画にしたのは萩尾望都。
主人公の1人であるアシュラ王が、世界を、無限の距離とも思える端から端まで、かつ時間の面でも56億7千万年と言う悠久の時間を渡ってきてのエンドシーンです。
アシュラ王にどこからともなく聞こえてくる、外の世界?からのふたりの話し声。
A. 「…なんだ? 反応炉に変な粒子集団が生まれてるぞ」
B. 「慌てるな。自然消滅因子を流し込んでおけ。それで問題ない」
アシュラ王が
感じたであろう「俺が渡ってきた世界が、彼らから見たら、泡のひとつに過ぎない大きさだと言うのか!? 」という驚きは推して知るべし、です。
実はこの小説、このマンガ。こんな例えに使っていいような代物ではなく、壮大な、誰もが一度は読んでみてほしい話です。アシュラ王の最後の驚きも、実は先に書いたことだけではありません。残念ながら、映画化はまだされていないので、こんな形で紹介しました。あはは。
私はタイムリープやタイムスリップは実際には無理だと思いながらも、それが可能である作品が割と好きです。パラレルワールドは、ただの後付けの概念だと思いながらも、フローチャートで考えると奥深くなるので面白いと思っています。
まぁ、つまり実際の世界は事実がひとつですが、想像は無限に存在していて、それを作品という形にして共有出来る人間の知性に感動をおぼえる今日このごろです。
タイムリープとかバラレルワールドって、映画によって様々な解釈や設定があって難しい。そもそも本当に存在するのかも半信半疑であります。CBさんは信じてらっしゃいますか?
その漫画、映画にならないかな?