劇場公開日 2014年2月1日

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「役者の面構えが良い漢の映画でした。」新しき世界 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0役者の面構えが良い漢の映画でした。

2014年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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非常に良かった。
「美形」役者はいないものの、役者の面構えが良く漢の熱い情にグッとくる作品でした。

主役のジャソンを演じるイ・ジョンジェは「出張! なんでも鑑定団進行」である住田隆に。
盟友チョン・チョンを演じるファン・ジョンミンは、今や議員様の山本太郎に。
敵役のイ・ジュングは、アリtoキリギリスの石井正則に。
…とても似ています。

比較的地味な顔立ちの面々が登場して、序盤はアレッ!?と思ったものの話が展開するにつれて、彼等の顔に、動きに惹きこまれます。

加えてカン課長を演じるチェ・ミンシク。これがまたワッルい顔してんだ。
「新世界」作戦のためには仲間の犠牲も厭わず、常に眉間に皺を寄せた仏頂面で非常に決断を下す。

感情が顔に出易いチョン・チョンとイ・ジュングの豊かな表情。
対して、役目上顔に出せないジャソンとカン課長の押し留めた表情。
この極端な面構えが良かった。
犯罪組織側の方が人間らしいという点は感慨深かったです。

あとジャソンとチョン・チョンの人間関係の描き方も良かった。

まず序盤の空港から病院までの道程。
豪放磊落な兄貴分のチョン・チョン。
冷静沈着な弟分のジャソン。
個々のキャラクターや彼等の関係性を巧く説明した場面でした。

そして終盤差し込まれる、あの短い場面。
話の展開を通して彼等のことを分かっていた気になっていた所に新たな情報。
…これが非常に良かった。
この場面を踏まえて話を振り返ってみると…更にグッときました。

正直、序盤の展開や設定が非常に呑み込み難い。
犯罪組織が隠れ蓑とする会社名がゴールド・ムーンというキラキラ社名。
ジャソンの家庭に係る話が、嫁さんの話が中途半端。
中国ハッカーが最強過ぎ…等の欠点が無いこともありませんが。
漢達の熱さの前では些細なことだと思います。

冒頭の体の中からセメント漬にする拷問シーンも含めて見所多め。
観に行って損は無い作品だと思います。
オススメです。

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Opportunity Cost