「物語る家族愛。」物語る私たち ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
物語る家族愛。
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こんな作品を撮れることに嫉妬すら覚えるS・ポーリーの才能は、
家族愛に満ちた生活環境によって生まれたことが今作で分かる。
父親が実は自分の本当の父親ではなかった!?に端を発する半ば
兄姉ジョークの想い出がリアルに紐解かれていく物語。語りに父親
(真実以後は育てのか?)を配し、それも朗々と語らせる手腕たるや
お見事!としかいいようがないが、インタビューを受ける面々が
これまたちっとも迷惑がっていないところが興味深い。つまりこの
協調性というか包容力・寛容性があってのS・ポーリーなのである。
父マイケル、母ダイアンの出逢いから結婚後の関係、母の女優業、
どう見ても落ち着いた場所に居られない母親の性格が多くの噂を
流させ、果たしてサラの父親は誰だ!?というミステリーになるが、
真実は唐突に判明する。コイツかよ~?(失礼)と思う風貌に驚くが、
そのキャラクターの充実と編集の巧さ。愛情の欠如も淀みもない。
深く真相に迫るほど母親への思慕は募り、遺された映像と女優の
合わせ映像などのネタバレにも、そりゃそうだよなーと納得がいく。
全員が母ダイアンを愛していたという事実と出逢い、自身のルーツ
に自信を覗かせるサラが演出する父親朗読の場面が優しく温かい。
そしてラストに一笑い。
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