「沈黙と余白」イーダ 映録助さんの映画レビュー(感想・評価)
沈黙と余白
沈黙と余白の映画。
優れたモノクロの写真集を見ているような美しい映像の連続。すべてのシーンが美しい。どのショットも静謐で寡黙なのに物語性がある。簡素なのに豊かな物語。
この映画その映像において大胆なことをやっています。
画面いっぱいに表現するのではなく、ほとんどのシーンの画面上半分が余白なのです。
映画館では最前列で見ることにしていますが、シネマート心斎橋だとやや仰角になりスタンダードサイズの画面がほぼ正方形に見えました。
ぼくの目からは正方形の画面で物語が画面の下半分でしか行われていないと縦長の画面に見えるのです。
監督がスタンダードサイズのアスペクト比を選んだのはおそらくそういう垂直性を表現したかったからではないかと思います。
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