劇場公開日 2014年6月21日

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「笑って泣けるアドベンチャー時代劇」超高速!参勤交代 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0笑って泣けるアドベンチャー時代劇

2014年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

悪どい江戸家老の策略によって、たった5日で
江戸へ出向く事を命じられた湯長谷藩(現在の
福島県いわき市あたり)の藩主・内藤政醇(まさあつ)。

江戸へ到着できなければ藩はお取り潰し。
だが湯長谷藩から江戸までは通常なら9日掛かる……。
しかも藩は財政難で人を雇う金も無い……。
さらには家老の雇った隠密部隊の妨害工作も……。

藩主・内藤政醇(まさあつ)と少数精鋭の家来たちは、
あの手この手で江戸を目指す!――といったアラスジ。

* * *

結論。予想外に面白い!
時代劇のタイトルに『超』が付くってなかなか無い訳で、
そのタイトル通り、時代劇ではあるけれどそこまで
ずっしりしてないというか、ポップなノリがある映画。

笑いあり、アクションあり、ロマンスあり、涙あり、
たぶん若い方も年配の方も楽しめるんじゃないかしら。
吊り橋を渡ったり大勢の敵と渡り合ったり、もはや
ちょっとしたインディ・ジョーンズ並みの冒険映画(笑)。

まずは、佐々木蔵之介演じる殿様が良い!
いつも快活。大根の漬物大好き。
年貢を上げるより自分の飯を減らし、身分が
上だろうが下だろうが分け隔てなく接するナイスガイ。
民の為なら将軍に意見する事すらいとわない熱さもある。
偉い方々は見習ってくださいよホント。

大事な仲間と見れば家宝もアッサリ渡しちゃうし、
不遇な身の上の女にも心底優しい。
例え金が無くても、自分の命が危険に晒されても、
相手への恩には全力で報いるというその心意気が泣ける。
そんな優男だが刀の腕は……まあ見てのお楽しみ。

* * *

参勤交代に参加する少数精鋭の家来たちも、
西村雅彦、伊原剛志、寺脇康文、六角精児、上地雄輔
などけっこう豪華な顔ぶれ(亀山くんVS米沢さん(笑))。

なかでも、西村雅彦には一番笑わされた。
無理難題をふっかけられた時の困り顔がおかしい。
「こんな時こそお知恵をッ!」って、揃いも揃って
自分で考える気がまるでない家来ばっかで可哀想(笑)。
落ち武者の登場シーンには会場じゅうが沸いた。

あとは伊原剛志演じる雲隠段蔵もカッコ良かった……1人
だけヒーローものの主人公みたいで若干浮いてたケド。
ま、可愛い猿も大活躍するような映画だしいいか(笑)。

次々に降り掛かるトラブルを奇策・ハッタリ・力業で
乗り切る様はコミカルで楽しいし、
主人公一同がそれぞれの得意技で大暴れする
最後の大チャンバラシーンも楽しい!
チャンバラの出来自体は正直ちょいと粗いが、
アドベンチャー映画の締めに大掛かりなアクション
が入るのと同じ感覚ですごくワクワクする。

* * *

以上!
実はあまり期待してなかった映画だったけど、
やっぱ観なきゃ分からないもんですね。
笑って泣ける、予想外に楽しいアドベンチャー時代劇。
それに、思いやりのある人にはきっと誰かが
味方してくれるという優しく温かな気持ちになれる。

観て良かったです。大満足の4.0判定。

あ、けど、全く時代劇っぽくない
エンディングテーマは微妙……。

〈2014.07.02鑑賞〉

浮遊きびなご