劇場公開日 2014年6月14日

  • 予告編を見る

ホドロフスキーのDUNEのレビュー・感想・評価

全47件中、1~20件目を表示

3.0アレックス・ハードル名義で製作したら完成してたかも?!

2024年8月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

 カルト・ムービーの鬼才、アレッハンドロ・ホドロフスキー監督がSFファンタジー小説の金字塔『デューン/砂の惑星』の映像化に挑んだ顛末を振り返る異色のドキュメンタリー。
 言い換えるならば、「存在しない映画のメイキング」といったところか(なんかS・レムの書評『完全な真空』みたい)。

 豪華なキャストとスタッフを揃え(ホドロフスキー曰く「魂の戦士」)、ビジュアルアート・カタログのような分厚い企画書まで準備しながら実現に至らなかったホドロフスキー版『DUNE』。
 でも、企画が日の目を見なかったのは、常識的に考えれば当然の帰結。

 大手映画会社の担当重役から「ホドロフスキー監督って、どんな映画作ってるんだ?」と訊かれて、当時試写で用意できるのは、『エル・トポ』(1970)と『ホーリー・マウンテン』(1973)ぐらい。
 この二作品観てビッグバジェットに許可出したら、それは勇気・冒険などではなく、単なる無謀、無責任。

 ご覧になられた方ならわかると思うが、『エル・トポ』も『ホーリー・マウンテン』も、グロテスクで観念的な表現もさることながら、監督・主演・脚本・音楽を兼ねたホドロフスキーの手作り感満載。彼の経験と手腕でビッグネーム揃いのキャスト・スタッフを統率出来るかは、大きな不安材料になった筈。

 会社重役の役割は事業を成功させて利益をあげることにあるのだから、GOサインを出さなかったのは、正当な判断だったと言える。
 大ヒット作にS・ライミやP・ジャクソンのような異色の才能を起用する時代であっても、作品の完成は難しかったのでは?

 そもそも、独自の世界観を有するF・ハーバートの原作小説の映像化自体、当時はかなりの難事業。

 ホドロフスキーの挫折を受けて挑戦したD・リンチの作品も、はっきり言って成功とは言い難いし(ホドロフスキーが関わらなかったのに、皮肉にも、映画はカルトな仕上がりに)、続編を手掛けることなく、一本きりで「撤退」している。

 CGをふんだんに使える時代になって実現したD・ヴィルヌーヴの二作品でさえ、納得しない原作ファンは少なからずいると聞く。
 原作無視のホドロフスキーの企画が万が一実現したところで、原作ファンからの強い反感や、当時の技術的限界のもとでは、作品中で語られるような高い評価を勝ち得る作品が出来たかは、正直言って未知数。

 とはいえ、ポールの肉体が滅びたあとも、民衆が彼の精神を共有するという原作にはないくだりや、クリス・フォスやギーガー、メビウスらがイラストで具現化したイメージの数々を映像作品でぜひ楽しみたいと考えるのは、映画ファンの本能。

「魂の戦士」たちの多くが物故した今、当初の企画どおりの映画化は難しいかも知れないが、最新の映像技術を駆使すれば、リアルなアニメーション作品になら出来そうな気がするのだが?!

 今思うに、企画が実を結ばなかった要因のひとつは、やはりホドロフスキーの過去作品のシュールな印象にあった筈。
 だったら、彼の関与を伏せたうえで、マカロニ・ウエスタンの初期のクリエーターたちのように、アメリカ人ぽい偽名使ってオファーしていれば、ひょっとして完成にこぎ着けていたかも。

「アレックス・ハードル監督って、誰?」
「そんなことより、キャストとスタッフは一流揃いですから」
「じゃあ、OK」

・・・なんて、そんな訳ないですよね?!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
TRINITY:The Righthanded Devil

3.5ホドロフスキーの魅力

2024年8月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

これは、おもしろいねー
ホドロフスキー自体がおもしろいもの。
とても魅力的な人なんだな。
スクリーン越しにも、それが伝わってきて、
インタビューも、ぜんぜん飽きない。
もっと、お話し聞きたくなってしまいました。
この魅力をもって、いろんな優秀なスタッフたちが集まったのも納得。

そして、会社という企業が慎重になってOKしなかったのも、理解できる…笑

でも、観たかったなー。
タイトルに、“ホドロフスキーの”が付いた『DUNE』

こうなると、ホドロフスキーが失敗と言い放った
デビット・リンチのを観るべきか迷うところだ…。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
hkr21

4.0いつまでもこういう人が生きられる世であれ

2024年8月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ホドロフスキーが魂の戦士を集め、『DUNE』映画化を志し、見事砕け散る物語。本人たちも言っていたが、このプロセスがすでに『DUNE』っぽいのよ。でも、監督すべき人がそこに入り込んじゃって戦士になっちゃったらフィクションは作れないのよね。/砕け散ったが、その破片が各地で花開いている。/デヴィッド・リンチ版について語るホドロフスキーの嬉しそうなこと!でも攻撃的ではなく無邪気そのものであるところが、この人の周りに人が集まる所以なんだろう。/私も好きなことしよーっと。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ouosou

4.5未完ドキュメンタリーだが

2024年8月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

完成してたらどうなったのかな?

を想像するのに面白く興味深い仕立てになっていて

観に行って良かった。と思う。

そしてリンチ版で理解できなかった筋立てと

理由もハッキリできて

助かった。

ちなみに、僕がよく言う、創作は創作者以外が勧めても

創作者が描いていた世界観を越えることはできない。

と言う持論も十分に主張してくれていたので

嬉しかった◎

本当に彼の言うようにお金じゃないよ!

この世は全て精神と肉体それを繋ぐ意匠の世界

なのだから(^^)

コメントする (0件)
共感した! 0件)
tomokuni0714

4.0情熱よりも実績がないと人は信用せず動かないという現実。

2024年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ホドロフスキーのクリエイターとしての溢れ出る情熱を存分に堪能できる作品。

アレハンドロ・ホドロフスキーは前衛舞台の演出家から初監督したトンデモカルト作品「エル・トポ」がジョン・レノンなど影響力のあるアーティストにどハマりし評価されたことで一躍時の人となったが、その後の「ホーリーマウンテン」もあくまでカルト的な人気にとどまり、決してワールドワイドで集客できる事を証明したわけではなく、失敗すれば経営が傾くほどの予算をメジャースタジオが認めるまでの実績を得ていたわけではなかった。

本人自身もはっきりと原作をレ◯プするとか上映時間20時間など言っており、ファン目線や商業的なことは一切頭になく、自身の芸術創作を純粋に追求することだけを考えていることからも、個人的にはホドロフスキーのDUNEが成功したとは思えない。
DUNEショックから立ち直った後に監督した「リアリティのダンス」を観ても自分の考えは間違っていなかったと確信する。

ただし、のちに「エイリアン」に美術スタッフとして登用されるダン・オバノンやH・R・ギーガーら、またダリ、ミック・ジャガー、ピンク・フロイドの起用という超絶面白そうなスタッフを口説き落とした情熱は尋常ではなく、デビッドリンチの失敗含め、当時を思い出してラテンのノリで楽しそうに語るホドロフスキーを見るだけでも楽しくなる映画である。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
カツベン二郎

4.0希望と苦悩は紙一重。

2024年6月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

興奮

ヴェルヌーヴ版のDUNEを観る前に昔買って観ていなかったソフトを漁り鑑賞。
どれだけの努力と希望、人生を投げ打ってでも完成させることにすべてを費やしていたホドロフスキー監督の努力に感動した。メビウスとの繋がりから監督を知った身としてはやはりどうにか奇跡が起きてストーリーボードが量販される世界がきて、読んでみたいものだ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ezio

4.0幻で終わったSF超大作

2022年8月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

脚本も完成、思い通りのスタッフ&キャスティング。
ここまで準備出来たのに、結局は製作中止に追い込まれた幻のSF超大作、アレハンドロ・ホドロフスキーの『デューン』。
しかし、ホドロフスキーをはじめとして、インタビューに答える“戦士たち”は皆一様に楽しそうであり、幸せそうなのがとても印象的。
(ただし、製作中止に至ったくだりを語るホドロフスキーの表情は流石に硬い。)
実現に至らなかったことに対する忸怩たる思いはあるだろうが、この企画に携わったこと自体が喜びであり、楽しい充実した時間であったこと、それぞれの戦士に残したものは大きかったことはその後の活躍ぶりをみれば分かる。

ああ、それにしても、ダリ、オーソン・ウェルズ、ミック・ジャガー、デヴィッド・キャラダインの共演なんて
想像するだけでワクワクするじゃないか!
デヴィッド・リンチの『デューン』もそこまで駄作だとは思わないが、このドキュメンタリーを観た人は誰だって「ホドロフスキーの『デューン』が観たかった!」
と叫ぶこと請け合い。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
arakazu

2.5なかなか興味深いドキュメンタリー

2022年7月31日
iPhoneアプリから投稿

ホドロフスキー監督が、映画化を目指したが断念した経緯のドキュメンタリー。あそこまで丁寧に創り上げて断念したのは辛かっただろうし、後にリンチ監督で製作が決まった時はどんな気持ちだったのか。
 新作のデューンを観ようと思い、過去作とこのドキュメンタリーを観ることに。過去作は途中で断念してしまった。このドキュメンタリーは面白く観ることが出来た。ホドロフスキーの過去作品の衝撃度にも驚いたし、創り上げていたデューンの凄いことにも驚き。そりゃあ、あれだけのものは予算的にも無理でしょうし、実際に創れただろうか?出演者にも驚き。サルバドール・ダリ。普通は思いつかないよなあ。観てみたかった気もするが。
 ヴィルヌーヴ監督のデューン砂の惑星がどのような作品なのか、観るのが楽しみになった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
アンディぴっと

4.0その情熱が、人を、世界を動かす

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
Ririen

4.0落ちで笑った

2022年1月7日
PCから投稿

計画が頓挫した理由に納得がいきすぎて笑ってしまった

コメントする (0件)
共感した! 0件)
n m

4.0ホドロフスキーの情熱

2021年12月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

"世界中の人々の価値観をひっくり返す"
デューンを制作することで、映画の枠を超えた芸術的思想は間違いなく世界を席巻し変革をもたらす。
アレハンドロ・ホドロフスキーのビジョンに偽りが無いことは、その熱のこもった語り口からもよく分かる。
ニコラス・ウィンディング・レフンも語っていた通り、ホドロフスキーのデューンが完成していたら世の映画史は大きく変わっていたかも知れない。
音楽を頼もうと訪れたレコーディング中のピンク・フロイドに対して、素っ気ない彼らの対応に激昂したホドロフスキーが
「その態度は何だ!君らは世界一の映画の音楽を作りたくないのか!」
と罵倒した話は、ホドロフスキーの人柄がよく分かるエピソードとして非常に面白かった。
ダン・オバノンやH.R.ギーガーなど、個人的にも大好きなアーティストが関わっている点からも、間違いなく凄い作品になっていたことになっていただろう。
中止後、デヴィッド・リンチが監督した砂の惑星のあまりの出来の悪さにホドロフスキーが喜んだというエピソードは微笑ましくて笑える。
ドゥニ・ヴィルヌーブ版に期待が高まる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ヒックス伍長

4.5歴史を変えた「製作中止映画」

2021年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
といぼ:レビューが長い人

3.5ホドロフスキー熱い!!

2021年11月5日
iPhoneアプリから投稿

彼がこんな人物とは知らなかった!
なんて映画愛に溢れた人なんだ!!

しかしこのDUNE、幻だったからこそ輝いてるようにも見える。なんせ絵コンテが最高だし。
真の映画人しか知らない秘密奥義みたいじゃないですか。

いろんなSF映画と比較してくれるし、ドキュメンタリーとしても最高でした。音響が良かった。

にしてもデヴィッドリンチのデューン、楽しみに見てやる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
JYARI

2.0開き直り・・

2021年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
odeonza

4.0もしかしたらこの方が…

2021年10月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

 とても興味深い作品。64年生まれの自分には80年代のスターログで情報だけはインプット済のホドロフスキー版デューン。その状況が、当事者たちの現在と過去の映像を持って語られる。
 メビウス、クリス・フォス、ギーガー、それにダン・オバノン。フランク・ハーバートの原作があるものの、それを具体的なイメージに置き換えた。映画がアメリカ資本の出資を得られず製作中止となったあと、イメージの面での敗者復活戦の様に出来上がったのがエイリアンだし、他にもスター・ウォーズや多くの作品に影響を与えたことは明白だ。
 ただ、本当にホドロフスキー版が完成していたら大ヒットしたのか、凄い傑作になったのか、そこには確信は持てないのも事実。
 しかし個人的には、総合的にみて何故かこのドキュメンタリーの方がヴィルヌーブ版より面白かったことは秘密。
 ところで。今回2021年10月、ヴィルヌーブ版のデューンが劇場公開されたタイミングでアマゾンプライムで見られるようになり、このタイミングならではの大発見があった。ホドロフスキー版のプロデューサーが、ミシェル・セドゥ。セドゥって珍しい名字だなと思って調べたら、案の定、007 のマドレーヌ役レア・セドゥの大叔父。名家だって言ってたもんな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
またぞう

3.0Movies has a heart. 魂の戦士たち

2021年10月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
アキ爺

3.5予習のつもりが若干ハマってしまった

2021年10月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ヴィルヌーブの「DUNE」に向けた予習第二弾。
リンチの「DUNE」の前に映画化の企画があったなんて知らなかった。しかも、映像のイメージや衣装、メカニックデザイン、配役なんかがここまで進んでいたなんて。絵コンテやデザイン画を見たり、制作に携わった人の話を聞くだけだけど、こっちの方が面白そうじゃないか。
ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズなんか出ているDUNE。幻の作品だからこそだが、観てみたかったと思わせるものがある。
フランク・ハーバートの原作を読み返そうとは思わなかったが、一通りの予習はしたつもり。さぁ、ヴィルヌーブの「DUNE」だ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
kenshuchu

5.0創造の系譜

2021年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ホドロフスキーという聞いたことない監督が
傑作SF小説の「DUNE」の映画化を企画していたというドキュメンタリー
見たこともないイメージボードが何故こんなに腑に落ちるんだろうというモヤモヤが大きくなってきたところで
実はこの映画のアイディアが、いろんな映画でもう見ていたシーンだったというタネ明かし
映画フェチには堪らない

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Kusakan

4.5再映画化の準備2

2020年7月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

カイルマクラクランを堪能して、ホドロフスキーにたどり着いた。
開けてびっくりな奇抜でカッコいいデューン。
このドキュメンタリーをみた人々は、観たかった!!と誰もが悔しく思うだろう。
集まるべくして集まったスーパーチーム、流石ホドロフスキー、次元を超えて作品を作り出しそうな勢いが凄まじい。

その上を行きそうなダリの発言も貴重で、キリンが燃える予定だったとは!笑

1975年に企画され、図鑑の様な分厚い本になったデューン。
それは宝箱の様で、のちに作られたSF映画に影響を与えた事は一目瞭然だ。

もしかしたら、嫉妬に潰されたと言っても間違いでは無いかもしれない。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
パプリカ