ホドロフスキーのDUNEのレビュー・感想・評価
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アレックス・ハードル名義で製作したら完成してたかも?!
カルト・ムービーの鬼才、アレッハンドロ・ホドロフスキー監督がSFファンタジー小説の金字塔『デューン/砂の惑星』の映像化に挑んだ顛末を振り返る異色のドキュメンタリー。
言い換えるならば、「存在しない映画のメイキング」といったところか(なんかS・レムの書評『完全な真空』みたい)。
豪華なキャストとスタッフを揃え(ホドロフスキー曰く「魂の戦士」)、ビジュアルアート・カタログのような分厚い企画書まで準備しながら実現に至らなかったホドロフスキー版『DUNE』。
でも、企画が日の目を見なかったのは、常識的に考えれば当然の帰結。
大手映画会社の担当重役から「ホドロフスキー監督って、どんな映画作ってるんだ?」と訊かれて、当時試写で用意できるのは、『エル・トポ』(1970)と『ホーリー・マウンテン』(1973)ぐらい。
この二作品観てビッグバジェットに許可出したら、それは勇気・冒険などではなく、単なる無謀、無責任。
ご覧になられた方ならわかると思うが、『エル・トポ』も『ホーリー・マウンテン』も、グロテスクで観念的な表現もさることながら、監督・主演・脚本・音楽を兼ねたホドロフスキーの手作り感満載。彼の経験と手腕でビッグネーム揃いのキャスト・スタッフを統率出来るかは、大きな不安材料になった筈。
会社重役の役割は事業を成功させて利益をあげることにあるのだから、GOサインを出さなかったのは、正当な判断だったと言える。
大ヒット作にS・ライミやP・ジャクソンのような異色の才能を起用する時代であっても、作品の完成は難しかったのでは?
そもそも、独自の世界観を有するF・ハーバートの原作小説の映像化自体、当時はかなりの難事業。
ホドロフスキーの挫折を受けて挑戦したD・リンチの作品も、はっきり言って成功とは言い難いし(ホドロフスキーが関わらなかったのに、皮肉にも、映画はカルトな仕上がりに)、続編を手掛けることなく、一本きりで「撤退」している。
CGをふんだんに使える時代になって実現したD・ヴィルヌーヴの二作品でさえ、納得しない原作ファンは少なからずいると聞く。
原作無視のホドロフスキーの企画が万が一実現したところで、原作ファンからの強い反感や、当時の技術的限界のもとでは、作品中で語られるような高い評価を勝ち得る作品が出来たかは、正直言って未知数。
とはいえ、ポールの肉体が滅びたあとも、民衆が彼の精神を共有するという原作にはないくだりや、クリス・フォスやギーガー、メビウスらがイラストで具現化したイメージの数々を映像作品でぜひ楽しみたいと考えるのは、映画ファンの本能。
「魂の戦士」たちの多くが物故した今、当初の企画どおりの映画化は難しいかも知れないが、最新の映像技術を駆使すれば、リアルなアニメーション作品になら出来そうな気がするのだが?!
今思うに、企画が実を結ばなかった要因のひとつは、やはりホドロフスキーの過去作品のシュールな印象にあった筈。
だったら、彼の関与を伏せたうえで、マカロニ・ウエスタンの初期のクリエーターたちのように、アメリカ人ぽい偽名使ってオファーしていれば、ひょっとして完成にこぎ着けていたかも。
「アレックス・ハードル監督って、誰?」
「そんなことより、キャストとスタッフは一流揃いですから」
「じゃあ、OK」
・・・なんて、そんな訳ないですよね?!
ホドロフスキーの魅力
これは、おもしろいねー
ホドロフスキー自体がおもしろいもの。
とても魅力的な人なんだな。
スクリーン越しにも、それが伝わってきて、
インタビューも、ぜんぜん飽きない。
もっと、お話し聞きたくなってしまいました。
この魅力をもって、いろんな優秀なスタッフたちが集まったのも納得。
そして、会社という企業が慎重になってOKしなかったのも、理解できる…笑
でも、観たかったなー。
タイトルに、“ホドロフスキーの”が付いた『DUNE』
こうなると、ホドロフスキーが失敗と言い放った
デビット・リンチのを観るべきか迷うところだ…。
いつまでもこういう人が生きられる世であれ
ホドロフスキーが魂の戦士を集め、『DUNE』映画化を志し、見事砕け散る物語。本人たちも言っていたが、このプロセスがすでに『DUNE』っぽいのよ。でも、監督すべき人がそこに入り込んじゃって戦士になっちゃったらフィクションは作れないのよね。/砕け散ったが、その破片が各地で花開いている。/デヴィッド・リンチ版について語るホドロフスキーの嬉しそうなこと!でも攻撃的ではなく無邪気そのものであるところが、この人の周りに人が集まる所以なんだろう。/私も好きなことしよーっと。
未完ドキュメンタリーだが
完成してたらどうなったのかな?
を想像するのに面白く興味深い仕立てになっていて
観に行って良かった。と思う。
そしてリンチ版で理解できなかった筋立てと
理由もハッキリできて
助かった。
ちなみに、僕がよく言う、創作は創作者以外が勧めても
創作者が描いていた世界観を越えることはできない。
と言う持論も十分に主張してくれていたので
嬉しかった◎
本当に彼の言うようにお金じゃないよ!
この世は全て精神と肉体それを繋ぐ意匠の世界
なのだから(^^)
情熱よりも実績がないと人は信用せず動かないという現実。
ホドロフスキーのクリエイターとしての溢れ出る情熱を存分に堪能できる作品。
アレハンドロ・ホドロフスキーは前衛舞台の演出家から初監督したトンデモカルト作品「エル・トポ」がジョン・レノンなど影響力のあるアーティストにどハマりし評価されたことで一躍時の人となったが、その後の「ホーリーマウンテン」もあくまでカルト的な人気にとどまり、決してワールドワイドで集客できる事を証明したわけではなく、失敗すれば経営が傾くほどの予算をメジャースタジオが認めるまでの実績を得ていたわけではなかった。
本人自身もはっきりと原作をレ◯プするとか上映時間20時間など言っており、ファン目線や商業的なことは一切頭になく、自身の芸術創作を純粋に追求することだけを考えていることからも、個人的にはホドロフスキーのDUNEが成功したとは思えない。
DUNEショックから立ち直った後に監督した「リアリティのダンス」を観ても自分の考えは間違っていなかったと確信する。
ただし、のちに「エイリアン」に美術スタッフとして登用されるダン・オバノンやH・R・ギーガーら、またダリ、ミック・ジャガー、ピンク・フロイドの起用という超絶面白そうなスタッフを口説き落とした情熱は尋常ではなく、デビッドリンチの失敗含め、当時を思い出してラテンのノリで楽しそうに語るホドロフスキーを見るだけでも楽しくなる映画である。
希望と苦悩は紙一重。
ヴェルヌーヴ版のDUNEを観る前に昔買って観ていなかったソフトを漁り鑑賞。
どれだけの努力と希望、人生を投げ打ってでも完成させることにすべてを費やしていたホドロフスキー監督の努力に感動した。メビウスとの繋がりから監督を知った身としてはやはりどうにか奇跡が起きてストーリーボードが量販される世界がきて、読んでみたいものだ。
幻で終わったSF超大作
脚本も完成、思い通りのスタッフ&キャスティング。
ここまで準備出来たのに、結局は製作中止に追い込まれた幻のSF超大作、アレハンドロ・ホドロフスキーの『デューン』。
しかし、ホドロフスキーをはじめとして、インタビューに答える“戦士たち”は皆一様に楽しそうであり、幸せそうなのがとても印象的。
(ただし、製作中止に至ったくだりを語るホドロフスキーの表情は流石に硬い。)
実現に至らなかったことに対する忸怩たる思いはあるだろうが、この企画に携わったこと自体が喜びであり、楽しい充実した時間であったこと、それぞれの戦士に残したものは大きかったことはその後の活躍ぶりをみれば分かる。
ああ、それにしても、ダリ、オーソン・ウェルズ、ミック・ジャガー、デヴィッド・キャラダインの共演なんて
想像するだけでワクワクするじゃないか!
デヴィッド・リンチの『デューン』もそこまで駄作だとは思わないが、このドキュメンタリーを観た人は誰だって「ホドロフスキーの『デューン』が観たかった!」
と叫ぶこと請け合い。
なかなか興味深いドキュメンタリー
ホドロフスキー監督が、映画化を目指したが断念した経緯のドキュメンタリー。あそこまで丁寧に創り上げて断念したのは辛かっただろうし、後にリンチ監督で製作が決まった時はどんな気持ちだったのか。
新作のデューンを観ようと思い、過去作とこのドキュメンタリーを観ることに。過去作は途中で断念してしまった。このドキュメンタリーは面白く観ることが出来た。ホドロフスキーの過去作品の衝撃度にも驚いたし、創り上げていたデューンの凄いことにも驚き。そりゃあ、あれだけのものは予算的にも無理でしょうし、実際に創れただろうか?出演者にも驚き。サルバドール・ダリ。普通は思いつかないよなあ。観てみたかった気もするが。
ヴィルヌーヴ監督のデューン砂の惑星がどのような作品なのか、観るのが楽しみになった。
その情熱が、人を、世界を動かす
先日、新作の方の映画「DUNE 砂の惑星」を観て、
話題になったけれど完成しなかったホドロフスキーの
DUNEって、どんなものだろうと視聴
いやいやいや
凄いですねこの、溢れるどころか
爆発しそうなパッション!!!
情熱の塊のような人だホドロフスキーって
でもって、人の才能を見抜き惹きつける
吸引力が凄い
メビウス、ギーガー、ダリ・・・ビッグネームが
並ぶ
彼らを「その気」にさせる引力って
要するに「やる気まんまん」なんだろう
映画配給会社がDUNEの映画化に及び腰に
なったのは頷ける
20時間の、途方もなく金食い虫のような映画は
もし作れても、採算が合わないし現実的ではない
結果的には、完成しなかったけれど
後発の様々なSF作品や漫画に多大なる影響を
与えたという事で、そういう「種」を蒔いた
功績は大きいんじゃないかと思う
印象的だったセリフ
「DUNEは、この世界では夢だ」
「でも夢は世界を変える」
「志を持たずに生きる事は無理だ」
「出来る限り大きな志を持つ」
「失敗したら、別の道を探す」
タフだなぁ
その情熱が、人を、世界を動かす
この当時は金銭的にも技術的にも難しかった事も
現代の技術のアニメやCGなら可能だと思うので
誰かホドロフスキーのDUNEを作ってくれないかなぁ
・・・伝説のまま、そっとしておくのが
正解かもしれないけれど。
ホドロフスキーの情熱
"世界中の人々の価値観をひっくり返す"
デューンを制作することで、映画の枠を超えた芸術的思想は間違いなく世界を席巻し変革をもたらす。
アレハンドロ・ホドロフスキーのビジョンに偽りが無いことは、その熱のこもった語り口からもよく分かる。
ニコラス・ウィンディング・レフンも語っていた通り、ホドロフスキーのデューンが完成していたら世の映画史は大きく変わっていたかも知れない。
音楽を頼もうと訪れたレコーディング中のピンク・フロイドに対して、素っ気ない彼らの対応に激昂したホドロフスキーが
「その態度は何だ!君らは世界一の映画の音楽を作りたくないのか!」
と罵倒した話は、ホドロフスキーの人柄がよく分かるエピソードとして非常に面白かった。
ダン・オバノンやH.R.ギーガーなど、個人的にも大好きなアーティストが関わっている点からも、間違いなく凄い作品になっていたことになっていただろう。
中止後、デヴィッド・リンチが監督した砂の惑星のあまりの出来の悪さにホドロフスキーが喜んだというエピソードは微笑ましくて笑える。
ドゥニ・ヴィルヌーブ版に期待が高まる。
歴史を変えた「製作中止映画」
2021年10月、ドゥニ・ビルヌーブ監督による超大作SF映画『DUNE 砂の惑星』が公開され、そこそこのヒットを記録しています。そんなタイミングで、映画好きの友人から「観ておいた方がいいよ」とオススメされたのが本作でした。私は恥ずかしながらホドロフスキー監督について存じ上げなかったので、かつて彼が『DUNE』の映画化を試みていたということも当然知りませんでした。ざっくりとした内容について知っている状態での鑑賞です。
結論ですが、映画好きならば観ておくべき作品ですね。ホドロフスキー監督がどれほどの情熱を持ってDUNEの制作に着手していたのか、そして2年半もの歳月を費やし、数々の世界的スターの出演にもこぎつけ、撮影の一歩手前まで行ったにも関わらず頓挫してしまった「DUNEの映画化」がどのように後世に影響を与えていたか。映画好きならば、間違いなくホドロフスキー監督に魅了されてしまうと思います。この映画が実際に完成していたら、間違いなく映画の歴史は変わっていたでしょうね。
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『エル・トポ』『ホーリーマウンテン』などで知られるカルト的な人気を誇る映画監督「アレハンドロ・ホドロフスキー」。SF小説の超大作『DUNE 砂の惑星』の実写映画の監督することになった彼は、並々ならぬ情熱を注ぎこみ、映画の制作準備に取り掛かる。サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、オーソン・ウェルズなどの大スターたちをキャストとして迎え入れ、準備が着々と進んでいたにも関わらず、その映画は撮影することなく制作が中止されてしまう。後の映画に多大な影響を与えた「存在しない映画」の制作秘話を、ホドロフスキー監督本人をはじめとする関係者たちへのインタビューや当時の資料を基に解き明かしていくドキュメンタリー。
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映画評論家としても活躍されているライムスターのラッパーである宇多丸さんは本作を「ホドロフスキー監督の魅力を描いたアイドル映画」と評して絶賛していました。私もそう思います。私は本作を観るまでは『エル・トポ』『ホーリーマウンテン』などの映画はおろかホドロフスキー監督の名前すら知らない状態でしたが、本作を観ただけでホドロフスキー監督のことが好きになるくらいには彼の魅力が強く表れた映画になっていると思います。
とにかく全編通して、ホドロフスキー監督の作る『DUNE』がいかに素晴らしいものだったかを語る内容になっていて、「どのようにして制作を進めていったのか」「どのようにして一流のスタッフを招集したのか」といった、武勇伝にも近い苦労話が展開されていきます。「このような経緯でキャストを集めた」と自慢げに語るホドロフスキー監督の語りの後に、そのキャスト本人がその時の話をする。最初は武勇伝めいたホドロフスキー監督の話を聞いて「自尊心の強いオッサンの誇張を含んだ大げさな話」かと思っていたら、紛れもなく事実だったのが分かります。これが面白い。
本作の監督であるパビッチ監督も「ホドロフスキーは生来のストーリーテラーだ」と語るように、彼の語りは引き込まれるように面白く、多くの観客やスタッフを惹きつける魅力があるのが分かります。多くの一流キャストがホドロフスキー監督のもとに結集し、歴史を変える映画『DUNE』の制作に向けて動いていた理由が理解できますね。
本作の前半は、最高の映画を制作するために文字通り世界中を飛び回り、一流の「戦士たち」を招集し、映画のプロットも出来上がり、撮影も間近というところまで進みます。「制作中止になった映画のドキュメンタリー」と聞いていたのに中盤くらいまでトントン拍子に準備やキャスティングが決まるので、「なんでここまで順調なのに制作が中止されたんだろう」という疑問がどんどん大きくなってきます。
そして映画の終盤。ついに「とある理由」で映画の制作は中止に追い込まれます。この理由がなんとも皮肉ですね。この「理由」が無ければ間違いなくここまで映画の制作準備は進まなかっただろうに、それが原因で映画の制作が中止に追い込まれてしまうなんて。
しかしホドロフスキー監督が情熱を費やして『DUNE』の制作に取り掛かり、世界中から情熱溢れる一流のキャストを招集していなければ、間違いなく映画の歴史は一歩後退していました。『エイリアン』は生まれなかったでしょうし、『スターウォーズ』も違うものになっていたでしょうし、後世の映画も変わっていたでしょう。この世に存在しない映画にも関わらず、間違いなく映画業界に革新をもたらしました。
そして本作『ホドロフスキーのDUNE』が制作されたことをきっかけに、『DUNE』の制作中止以降疎遠になっていた監督のホドロフスキーと製作のセイドゥーが再会し、ホドロフスキー監督の23年ぶりの新作映画『リアリティのダンス』が制作された。本作もまた、間違いなく映画の歴史を変えた作品であったと私は思います。
映画好きなら観て損はしない作品です。オススメです!!!
ホドロフスキー熱い!!
彼がこんな人物とは知らなかった!
なんて映画愛に溢れた人なんだ!!
しかしこのDUNE、幻だったからこそ輝いてるようにも見える。なんせ絵コンテが最高だし。
真の映画人しか知らない秘密奥義みたいじゃないですか。
いろんなSF映画と比較してくれるし、ドキュメンタリーとしても最高でした。音響が良かった。
にしてもデヴィッドリンチのデューン、楽しみに見てやる。
開き直り・・
製作中止映画のメイキングをドキュメンタリーにするというのも風変り、少しは赤字の補てんに見込めると思ったのか、ハリウッドに一矢報いねば気が済まなかったのか?
動機に興味を惹かれ鑑賞、概ね、想像通り、根っこはホドロフスキー監督の自画自賛と恨み節でした。何故、頓挫から35年も経って本作を作ったのか、時代が変わり再評価の兆し、プロデューサーだったミシェル・セイドゥーとホドロフスキー監督が再度タッグを組んだ「リアリティのダンス(2013)」の公開もあり汚名返上、名誉挽回の好機と思ったのかもしれませんね。
彼の話を聞くにつけ、まるで新興宗教の教祖の様、彼にとって映画とは布教活動のようなものなのかもしれない。古代仏教が求道の動機づけとして六道絵の地獄絵図を用いたように恐怖と狂気の具現化が不可欠だったのでしょう。ただ現代では説得力に欠けるので近未来を想定したSFは格好の舞台と「砂の惑星」に目を付けたのでしょう、原作未読と開き直って都合よく改変、欲しいのはシチュエーションだったことは明らかです。
先ずはそのための絵師や特撮技師集めに奔走する、キャスティングもしかり、灰汁の強さが最優先、こだわりは建物から衣装まで微に入り細にわたる。
ハリウッドのメジャーに彼の狂気性は受け入れられなかったものの構想や詳細な絵コンテなどの副産物はその後のSF映画に多大な影響、刺激を与えたことは事実、納得です。
好き嫌いは別として監督のこだわりと熱意は伝わりますし巨匠黒澤監督も無理難題でスタッフを困らせたと言う逸話には事欠きません、かと言ってハリウッドの指摘もあながち不条理とは言い切れないから受け止めは微妙です。
幻の本編を観てみたかったかというと興味は湧きますが劇中で出てきた手足を切断する拷問のシーンなど余りにグロテスクだし、本気とは思えませんが12時間の長尺では一挙上映鑑賞は無理筋です・・。
もしかしたらこの方が…
とても興味深い作品。64年生まれの自分には80年代のスターログで情報だけはインプット済のホドロフスキー版デューン。その状況が、当事者たちの現在と過去の映像を持って語られる。
メビウス、クリス・フォス、ギーガー、それにダン・オバノン。フランク・ハーバートの原作があるものの、それを具体的なイメージに置き換えた。映画がアメリカ資本の出資を得られず製作中止となったあと、イメージの面での敗者復活戦の様に出来上がったのがエイリアンだし、他にもスター・ウォーズや多くの作品に影響を与えたことは明白だ。
ただ、本当にホドロフスキー版が完成していたら大ヒットしたのか、凄い傑作になったのか、そこには確信は持てないのも事実。
しかし個人的には、総合的にみて何故かこのドキュメンタリーの方がヴィルヌーブ版より面白かったことは秘密。
ところで。今回2021年10月、ヴィルヌーブ版のデューンが劇場公開されたタイミングでアマゾンプライムで見られるようになり、このタイミングならではの大発見があった。ホドロフスキー版のプロデューサーが、ミシェル・セドゥ。セドゥって珍しい名字だなと思って調べたら、案の定、007 のマドレーヌ役レア・セドゥの大叔父。名家だって言ってたもんな。
Movies has a heart. 魂の戦士たち
ドゥニ・ヴィルヌーヴ版「デューン」が公開される前に予習として鑑賞しました。確かにスタッフはスゴかったけど、このホドロフスキー版が映画になってても理解できた自信ないッス💦
ホドロフスキーの作品って一作も観たことないです。ちょっと紹介されていたんですが、正にカルトって感じでしたねー。検索しても配信やってなさそうでした。最後にデヴィット・リンチ版の出来の悪さに大喜びしていたのがちょっと面白かったです。
やー、でも多くのSFの元ネタになってたのは良くわかりました。もし完成してたら伝説的なカルト映画になった事でしょう。ってか、このドキュメンタリーはデューンの話よりホドロフスキーがスゴい人物だったって作品でしたね。多分ホドロフスキーの映画はドラッグやりながら観ないとわからないのではないかと思えました。
予習のつもりが若干ハマってしまった
ヴィルヌーブの「DUNE」に向けた予習第二弾。
リンチの「DUNE」の前に映画化の企画があったなんて知らなかった。しかも、映像のイメージや衣装、メカニックデザイン、配役なんかがここまで進んでいたなんて。絵コンテやデザイン画を見たり、制作に携わった人の話を聞くだけだけど、こっちの方が面白そうじゃないか。
ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズなんか出ているDUNE。幻の作品だからこそだが、観てみたかったと思わせるものがある。
フランク・ハーバートの原作を読み返そうとは思わなかったが、一通りの予習はしたつもり。さぁ、ヴィルヌーブの「DUNE」だ。
創造の系譜
ホドロフスキーという聞いたことない監督が
傑作SF小説の「DUNE」の映画化を企画していたというドキュメンタリー
見たこともないイメージボードが何故こんなに腑に落ちるんだろうというモヤモヤが大きくなってきたところで
実はこの映画のアイディアが、いろんな映画でもう見ていたシーンだったというタネ明かし
映画フェチには堪らない
再映画化の準備2
カイルマクラクランを堪能して、ホドロフスキーにたどり着いた。
開けてびっくりな奇抜でカッコいいデューン。
このドキュメンタリーをみた人々は、観たかった!!と誰もが悔しく思うだろう。
集まるべくして集まったスーパーチーム、流石ホドロフスキー、次元を超えて作品を作り出しそうな勢いが凄まじい。
その上を行きそうなダリの発言も貴重で、キリンが燃える予定だったとは!笑
1975年に企画され、図鑑の様な分厚い本になったデューン。
それは宝箱の様で、のちに作られたSF映画に影響を与えた事は一目瞭然だ。
もしかしたら、嫉妬に潰されたと言っても間違いでは無いかもしれない。
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