劇場公開日 2014年1月11日

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ブラインド・フィアー : 特集

2013年12月24日更新

サスペンス映画“裏の名匠”ジョセフ・ルーベンがまたもや用意した
映画ファンを刺激する《3つの仕掛け》

ミシェル・モナハンとマイケル・キートンが初共演を果たした密室サスペンス「ブラインド・フィアー」が、2014年1月11日に公開される。メガホンをとったのは、「フォーガットン」のジョセフ・ルーベン。数々の驚がくサスペンスを手掛けた、サスペンス映画“裏の名匠”とも言うべき男が用意する“3つの仕掛け”に迫る。

サスペンス映画“裏の名匠”が実力キャストで描く密室スリラー
サスペンス映画“裏の名匠”が実力キャストで描く密室スリラー

■《“裏の名匠”による仕掛け その1:設定》
 あの「フォーガットン」を手掛けた男の作品が“普通のサスペンス”になるはずがない!
 王道の“自宅侵入サスペンス”に“目の見えない主人公”要素をブレンド!

愛する恋人と暮らす高層マンションの最上階が舞台
愛する恋人と暮らす高層マンションの最上階が舞台
元戦場カメラマンのサラは自爆テロに遭い視力を失う
元戦場カメラマンのサラは自爆テロに遭い視力を失う

ジョセフ・ルーベンという監督名を聞いて、ピンと来るなら相当の映画好きのはずだ。普通の映画好き、映画ファンのレベルなら知らなくても致し方ないが、ジュリア・ロバーツ主演の「愛がこわれるとき」、ウェズリー・スナイプス&ウッディ・ハレルソン主演の「マネートレイン」、そしてジュリアン・ムーア主演の「フォーガットン」という作品名を聞けば、「知っている」という回答率はグンとアップするのではないだろうか。

実はこのルーベン監督、サスペンスを作らせたら、ひと味違う要素を盛り込んで見る者をうならせる、知る人ぞ知る名監督──いや“裏の名匠”とでも言うべきか──なのだ。その真骨頂は、愛する息子の存在が“なかったこと”にされてしまう母親の奔走が、やがて想像の斜め上をいく展開に一気に加速する「フォーガットン」だが、「愛がこわれるとき」では日本でも定義されはじめたばかりの“ストーカー”要素を採り入れ、「危険な遊び(1993)」では、「ホーム・アローン」シリーズで人気絶頂のマコーレー・カルキンを悪役に据えるという奥の手を使った。そしてさらに遡れば、理想の妻と子を得るために、結婚生活が失敗するたびに家族を惨殺し、身分を変えて次なる結婚に臨む男を描く「W」や、アメリカ大統領の夢の中に侵入してショック死させるという、「インセプション」の先を行くアイデアの「ドリームスケープ」という作品までが並ぶ。

そんな“裏の名匠”が手掛けた最新作が「ブラインド・フィアー」。“自宅に何者かが侵入する”という王道シチュエーションに、“視力を失った女性戦場カメラマン”という設定の主人公を置く、またもやトリッキーな構成の作品だ。ルーベンがメガホンをとる以上、“普通のサスペンス”で終わるはずがない。今回の物語が行き着く先はどこなのか? “予測不能”の展開を目撃するしかないのだ。



■《“裏の名匠”による仕掛け その2:キャスト》
 派手なスターは使わない──重要なのはスター性よりも演技力!
 人気と実力を兼ね備えた、ミシェル・モナハン&マイケル・キートンが初共演!

M・キートン&M・モナハンの実力派キャストが対じ
M・キートン&M・モナハンの実力派キャストが対じ
冷徹な一味による拷問シーンも見どころのひとつ
冷徹な一味による拷問シーンも見どころのひとつ

舞台はニューヨークの高級マンションのペントハウス。そこに恋人と住む盲目の女性サラと、“ある目的”を持って侵入した2人の賊との駆け引きが描かれる。ほぼワン・シチュエーション、舞台劇の様相を呈する作品だけに、ルーベン監督は、ネームバリューにこだわりながらも、より演技力を重視したキャスティングを行っている。

戦場カメラマンとしてアフガニスタンにおもむいた結果、自爆テロに巻き込まれ視力を失ってしまったサラを演じるのはミシェル・モナハン。トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル」シリーズで主人公イーサン・ハントの妻役として華やかな顔を見せるほか、「ミッション:8ミニッツ」「ゴーン・ベイビー・ゴーン」などサスペンスの傑作で堂々たるヒロインぶりを披露。才能あふれる演技力は、批評家からもお墨付きだ。

そしてサラを襲う侵入犯の冷徹なリーダー、ホランダーにはマイケル・キートン。全米批評家協会賞主演男優賞を受賞した「ビートルジュース」で組んだティム・バートン監督の「バットマン」2作のほか、数々の映画、ドラマで大きな演技の振れ幅を見せつけた名優だ。このキートンが、理知的で人当たりの良さを見せながら、手段を選ばない冷酷なサディストを演じる。

高い演技力に加えて充分なスター性。初共演を果たしたこの2人こそが、まさに「ブラインド・フィアー」を描くのにベストな布陣なのだ。


■《“裏の名匠”による仕掛け その3:ストーリー》
 逃げられないなら殺すしかない!?
 20億円相当の“隠された何か”をめぐる壮絶な駆け引きの心理戦を描出!

20億円相当の“何か”を得るまで食い下るホランダー
20億円相当の“何か”を得るまで食い下るホランダー

限定されたシチュエーションに、芸達者なキャスト陣の共演となれば、そこで描かれるのは壮絶な“心理戦”に他ならない。“裏の名匠”ルーベン監督が上手いのは、当初は侵入した男たちが“なぜ侵入したのか”を最初からハッキリとは描かないところ。しかも、主人公サラの目が見えないことを逆手に取り、観客の我々は“見えている”のに、主人公には側にいる男の姿は見えていないという形で、彼女が置かれてしまった状況を一目で説明してしまうのだ。

やがて事態に気づいたサラが決死の脱出を試みるが、その過程で、彼らが20億円相当の“何か”を求めてペントハウスにやってきたことが分かる。だが、その正体もなかなか見せてくれない展開が、観客VS監督との心理戦ともいえるところ。そしてキートン演じるリーダーがペントハウスに入ってくるくだりも秀逸で、当初は1人だった侵入犯がどのように2人に増えるのかにも注目だ。

逃げられないなら殺すしかない!? サラの決断は?
逃げられないなら殺すしかない!? サラの決断は?

恋人が隠した、サラすら知らない“何か”のありかを求めて、拘束されサディスティックな拷問を受けるサラ。だが、彼女は数々の戦場をくぐり抜けて来た元戦場カメラマンであり、ただの弱々しい女性などではなかった。ホランダーの狙いを読み、粗野な部下を誘惑し、生き延びるために決死の駆け引きを繰り広げるのだ。

果たしてサラは反撃することができるのか? そして無事に脱出を果たせるのか? 「ブラインド・フィアー」には、ただの“自宅侵入サスペンス”にとどまらないスリルとクレバーさが満ちている。


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