ミケランジェロ・プロジェクトのレビュー・感想・評価
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人間臭い映画
好感
話自体は面白かったです、作風は若干苦手系でしたけど
この映画が実話ベースとは驚きました、私は歴史に疎いんで、こんな事実があったなんて初めて知りましたよ。
まあ歴史だけでなく美術館に一度たりとも行こうと思ったことがない美術オンチだったりもするので、単純に興味も無かったと言えばそうなんですが、とりあえずこう言った事実があったことを知れただけでも見る価値はあった映画だったかなと思いました。
モニュメンツ・メンの7人がいなかったら、どれだけの美術品・文化が失われていたのでしょうか・・・。
もっと歴史的に称えられても良さそうな話ですが、様々な国が絡んだ美術品だけに、いろいろとデリケートな問題もありそうですから、実際はそう単純な話でもないんでしょうねぇ。
で、まあ話自体は面白かったのですが、映画としてはやや薄味だった印象で、もう一つ嵌れなかったかなぁ。
つまらなくはないのですが、戦時中なのに微妙に緊張感が薄く、かと言ってコメディテイストな訳でもなく、どっちつかずな感じで、しかもどこか淡々としすぎていていまいち入り込めないと言う、何とも言えないもどかしさを感じた映画でしたね。
ある意味典型的なジョージ・クルーニー映画だった印象です、好きな人はこう言う作風がたまらないのでしょうけど。
とは言え、さながら戦場版プチオーシャンズシリーズと言った感じで、美術品をナチスから奪還する様子は、まずまず見応えはあったかなと。
命を懸けて文化を守ろうと奮闘するその姿には、熱くなったシーンもそれなりにはありました。
もう少し各人の美術品に対する熱が伝わってくれば尚良かったのですが。
劇中だけの様子ではどちらかと言えば命を預けられるだけの価値がある男の為に、危険を顧みず命を懸けて任務を遂行したと言った感じに見えました、まあそれはそれで面白かったですけどね。
彼らが戦争の素人だったのも妙にリアルで良かったです、その割には返す返すも緊張感には欠けてましたけど。
でもビル・マーレイやジョングッドマンやボブ・バラバンのコミカルさがあってこそ最後まで見るに耐えられた部分もありましたから、そこは一長一短でしょうか。
そしてジョージ・クルーニーにマット・デイモンはさすがの存在感、地味な映画の中で画的に映えました。
ケイト・ブランシェットの存在も話のいいアクセント、いろいろと説明不足&淡々とし過ぎていて面白いとまでは言い難い映画でしたけど、話自体は面白かったです。
また一つ、歴史を知る。
ジョージクルーニー
社会派映画
日本語吹き替え版は声優に重厚さがいまいち。声が軽い。女性の美術館員は林原めぐみ?
カントクのジョージ=クルーニーは父親がニュースキャスターで、本人も本来はジャーナリスト志望。なので社会派映画をよく作る。
この映画もそうした一作。
第二次世界大戦では多くの美術品が戦火で失われた。
ドレスデン空襲ではギュスターヴクールベの石割人夫が、神戸空襲ではゴッホのひまわりが失われている。
この作品は戦火から美術品を守ろうとした、特殊部隊の話だ。実話ベースだ。隊員は建築家や学芸員、美術品修復家など凡そ戦争に向かないメンバーばかり。時に間抜けだし、ドラマチックさに掛ける所もある。
スペクタクルやアクションもないので、血湧き肉躍る娯楽作品を好まれる向きには向いてない。
彼らの仕事は困難を極める。司令官に貴重な美術品のある教会への攻撃を避けるように依頼しても、鼻であしらわれる。
美術品は命がけで守らねばならないか?
然り、それがクルーニーの答えだ、
美術品は人々の生きた歴史そのものだからだ。
マットデイモンがナチスによって奪われた肖像画を、今は無人となった元の持ち主の住居に返しに行く場面ではっきりしめされる。元の持ち主はもういない。壁に乱暴に書かれたダビデの星が彼らの末路を示している。収容所で死んでるだろう。その場で殺されたかもしれない。だが、その肖像画はそこに彼らが住んで生きていた事を証言する歴史の証言者なのだ。マットデイモンの役どころが美術品修復家である事もそれを指し示している。
数々の美術品を完璧に再現した、この映画の美術スタッフは素晴らしい仕事をしている。
それだけに、美術品を火炎放射器で焼き払うナチス将校はぶん殴りたくなる。
史実の映画だが・・
もう少し...
味わい深いが
エンタメとしては弾けないけど、美術品と名も無き英雄たちに…
当初の日本公開がいつだったか覚えてないくらい続いた公開延期~中止。
晴れて、昨年秋に公開。
地元では上映しなかったので、レンタルになってやっとの鑑賞。(当初通り公開してたら今頃とっくにWOWOWで放送していたかも)
日本公開が決まる前から見たかった作品。
だって、この題材にこのキャスティング。
長い歳月を経て見てみたら、う~ん、何て言うか…。
第二次大戦時、ナチスに奪われた美術品の奪還作戦に挑んだ特別任務隊“モニュメンツ・メン”の活躍を描いた実話。
ジョージ・クルーニーを筆頭に、マット・デイモン、ケイト・ブランシェット、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ジャン・デュジャルダンら豪華な面々をスカウト。
往年の戦争マーチを彷彿させる軽快なテーマ曲。
「特攻大作戦」か「戦略大作戦」か、はたまた戦争版「オーシャンズ11」のようなエンタメ作戦開始!
…ア、アレ?
一向に盛り上がらない。
一向にワクワクするような見せ場、展開が無い。
1時間を過ぎてもまだ。
人間模様、美術への思い入れをじっくり、淡々と…いいや、この際はっきり言おう。
ダラダラと退屈な時間が続く。
改めて監督の名を思い出して納得した。
そういや、クルーニーが監督してた。
「グッドナイト&グッドラック」「スーパー・チューズデー」など良質だが、シリアス過ぎる作品が多い。
別に本作もずっとシリアスって訳じゃなく、個性的なチーム、往年のエンタメ戦争映画へのオマージュと見れるライトな作風、ちょいちょいのユーモアを挟んでいるものの、今一つ弾けない。
クライマックス、やっとスリルが盛り上がると思ったら、特に盛り上がらず、いつの間にか作戦終わってた。
もしソダーバーグが監督だったら、もっと巧みに捌いていただろう。
それこそスピルバーグだったら、エンタメ性も緊迫感もドラマ性もメッセージ性も全て見事に演出していただろう。
クルーニー監督はエンタメ作よりシリアス作向きで…。
別につまらない訳じゃない。
そもそも、クルーニー演じる主人公は根っからの軍人じゃなく、美術館館長。
言わば、民間の立場からの奪還作戦。
モニュメンツ・メンも実在なので、アクション映画のような活躍が出来る訳がない。
だから、この作風はこの作風でアリなのだ。
でもやっぱり、映画としてはもっとエンタメな活躍が見たかったという欲が…。
しかし、これだけは言える。
アドルフ・ヒトラーは若き頃画家を目指していた、というのは有名な話。
歴史上最悪の独裁者が美術を愛していたなんて、この独裁者の人間的な一面を垣間見た気もする。
が、それらを独占しようとする辺り、傲慢で愚かである事を裏付ける。
美術品は歴史の遺産。
全人類の財産。
遺し、受け継がれていくべきもの。
戦争は人命だけじゃなく、歴史的財産をも奪った。
そんな戦争から歴史的財産を取り戻し、守った。
名も無き英雄たちが居た事を。
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