エンダーのゲームのレビュー・感想・評価
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名作のパーフェクトな実写化
原作はオースン・スコット・カードの同名ベストセラー小説。
【ストーリー】
未来の世界。
人類はフォーミックと呼ばれる昆虫型の知的生命にその生存域を脅かされていた。
国際艦隊は彼らと戦うために、年少の子どもたちを徴兵して宇宙軍に編入させ、彼らを起用しての総力戦をもくろむ。
フォーミックに破壊され、資源がすり減った地球では、出産制限がしかれていた。
だが兄と姉がバトルスクールで優秀な成績をおさめたとして、エンダーことアンドリュー・ウィッギンは本来は規制されるべき"3人目の子供"として生を受ける。
残酷だが明晰で容赦ない兄と、相手の気持ちや立場に立って思考できる賢明で優しい姉、両者の資質を受け継いだエンダーは、グラッフ大佐のもとで戦士としての才能を開花させ、メキメキと頭角をあらわす。
ついに軌道上バトルスクールへの入学を認められ、史上最年少でバトルチーム"ドラゴン"を率いるまでになったエンダー。
斬新な戦術と大胆な用兵で次々とトップチームを蹴散らすが、元いたチーム"サラマンダー"の指揮官、兄に似た残酷さをもつボンソーがエンダーを痛めつけんとシャワールームに呼びだす。
だが戦略眼のみならず、脅威に接したさいの残酷性も上まわるエンダーは、ボンソーを殺してしまう。
自分の起こした悲劇を知らされず、最終試験として外宇宙の敵母星ほど近い基地に送られる。
そこでエンダーは、かつてフォーミックを撃退して人類を救済した伝説の人物、メイザー・ラッカムと出会う。
「最終試験は私との戦いだ。エンダー、私は君が今まで出会った誰よりも手強い敵だ」
最強の敵として立ちはだかるラッカム。
終わらせる者"ENDER"としてその厳しい戦闘を一つまた一つとどうにか乗りこえるエンダー。
だが国際艦隊とグラッフたちは、試験の裏に、この優しき少年には耐えられないほどの大きな嘘を隠していた——!
オースン・スコット・カードの大ヒット小説「エンダーのゲーム」の、待ちに待った映画化。
まず中編として雑誌に発表され、その後長編として出版された、ジュブナイルSFのオールタイムベストです。
その後続編が次々と書かれ、カードの最長シリーズとなった当作品ですが、内容は宇宙空間での艦隊戦などの派手な展開よりも、他の知性体とのコンタクトが物語の中心となりました。
そのあたりは続巻「死者の代弁者」「ゼノサイド」「エンダーの子供たち」で描かれます。
また年少ながらエンダーと双璧をなす優秀な部下のビーンサイドを描いた「エンダーズ・シャドウ」「シャドウ・オブ・ヘゲモン」「シャドウ・パペッツ」といったサイドストーリーのシリーズも。
こちらはなんとエンダーの兄ピーターとビーンが、地球統合政府を作ってしまうお話。
姉のヴァレンタインもちょいちょい出てきては、いいセリフを残していってくれてます。
中編版「エンダーのゲーム」は短編集「無伴奏ソナタ」に収録されてます。
長いサガとつきあうのは骨が折れるという方にはこちらをぜひ。
ほかの収録作もいずれ劣らぬ名作ぞろい、カードが人気作家たる手腕がわかる本です。
ちなみに現在「アバター」シリーズが記録的ヒット中のジェームズ・キャメロン監督のちょい興行収入ズッコケ作品「アビス」のノベライズも、監督直々のオファーでやってます。
しかもカード、キャメロン監督に誘われて、ダイビングまでさせられたというファン垂涎のほっこりエピソードも。
ガチですよガチ!
「アビス」自体も「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」につながるCGの水表現を大きく切り拓いた作品で、ノベライズはキャラクターを心理側から深く切り込んだ良作となっており、キャメロン監督も「おかげで登場人物の心理を掘り下げられた」と賛辞を送っています。
さて本編ですが、画期的作品は後続にパクられてしまう運命にあり、映像化が遅きに失した感はどうしても拭えません。
ですが、ほぼ内容の改変なしでの映画化は、自分のようなカードファンには大きなプレゼントとなりました。
繊細な少年主人公をとり囲む、大佐役のハリソン・フォードや刺青だらけのラッカム、いかつい軍曹役もいい味出してて、ミリタリーSFとしても出色の作品に仕上がってます。
会社で叱られて無力感を覚えた週末に、
「ああ、いっちょ地球でも救いたいなあ」
と思ったあなた、ぜひこの映画を観て、いい休日をお過ごしください。
残念な出来栄え
細部まで、よく作りこんであると思います。
「訓練の日々と思っていたのに…」というストーリーの根幹があるので、仕方ないのかもしれませんが、
・大人か全然出てこない。
・戦争の実感がわかない(タイトルが意図的にゲームを謳っている)
・主人公の行動原理が不明瞭
・キャラクターの魅力不足
などの残念ポイントがあります。
しかし、ワンテーマでここまで作り込んだ映画も珍しく、世界観の広がりを付ければとんでもない大作映画になったのかもしれません。
VFXも、10年後に見返してみれば、目も当てられないレベルまで落ちているかもしれません。
あえて今、「タイタニック」などを見返してみれば分かることです。作り物っぽさが漂う映像に価値は無いと言えるでしょう。
それでも、ディカプリオは画面に、自分の命を焼き付けたから、あの映画は評価されたのだと思います。
やはり、映画に大切なのは、俳優のエモーショナルな演技だと再認識しました。
そういう意味で、この作品の「訓練だったんじゃないの?」という作品構造は、致命的に作り物くささが拭えません。
2015.2.22
原作を知らないと消化不良か
全くの無知で鑑賞してしまったが、ラストの展開は思わず声を漏らすほどの物であった。原作を知っていたらこうはならなかったに違いない。よってある程度原作の内容を把握している人向けではないかと思う。未読でも楽しめる内容であるが、やや置いてけぼりな感覚にとらわれるかもしれない。ストーリーは、主人公が心身共に成長していく様を描いたもので、まだ若い主人公が、対エイリアンの兵士になるべく訓練に励み、衝突や葛藤を経て強くなっていくというストーリーだ。非常に丁寧な描写ではあるが、この訓練シーンがかなり長い。物語のほとんどが訓練で構成されていた様にも感じる。だが戦闘シーンの迫力が凄まじい為、当然主人公が成長し、指揮を取って戦いに挑んでいく姿を想像してしまうのだが、そこが衝撃の展開となる部分である。こういう新たな切り口の作品も必要であるが、私の様に始めて鑑賞した人はどう思うだろうか。原作は上下巻ある分厚い内容だが、本作は約2時間でそれをまとめている。「ダーク・タワー」同様に、多少の無理は出るだろうが、上手くまとめているのではないかと思う。シリーズ化してもっと丁寧に描くのも良いが本作をシリーズ化すると少なくともパート1はずっと訓練シーンだけで構成されると思われるため、製作サイドは正しい判断をしたと思う。だが可能であれば、原作を読破後に観たほうが良いだろう。今までのエイリアン作品の概念が変わる様な内容なのだが、その感動も原作ありきな感じがして残念である。
割と好き。
がっかり映画
ありきたりなストーリー
天才少年の話
視点が今までと違う
ストーリーは、ともかく映像が好き。
ダメダメな主人公が成長していく話かと思いきや、最初から賢く、リーダーの素質が備わっていて、少し嫌なヤツでもあります。
ストーリー自体は、深く突っ込むと「?」と思ってしまうところもありますが、なにより映像が好きです。映像美と呼べるものでは無いにしても、近年のゲームっぽいところが良い。ゲーム好きな人は、この映画、好きなんじゃないでしょうか。
原作の小説があるので、それも読んでみたら、ストーリーのわからないところが、わかるようになるのかも。
もう少しマシなSF映画はたくさんある
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