渇き。のレビュー・感想・評価
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痛くて痛くて痛くて痛くて(書ききれない) もうとてもメチャメチャで。(誉め言葉)
とにかく疲れました。
デートムービーに使ってはいけません。
映画の前に予定を入れてはいけません。
(疲れてヘトヘトになります)
映画の後にも予定を入れてはいけません。
(やる気が無くなります)
おそらく1000円で観に来たであろう
高校生が上映中一言も喋りませんでした。
私はといえば、上映中でふと
「もうそろそろ終わりかな」と時計を見たら
まだ半分を回った頃で
そこからの描写は前半をさらに上回る激しさでした。
セックス・血飛沫・ピストル・刃物・クスリ、なんでもござれ。
容赦ねぇ。
あれ、加奈子が優等生の設定、もう少し引っ張るのかなと思ったら
開始ウン分で放り投げちゃったよ。
遠慮ねぇ。
本当の凄惨系とはこういうものだ、と言わんばかりの暴力バイオレンス描写の極み。
節操ねぇ。(誉め言葉)
健康診断で10~40が正常値の数値の項目があるなら、四桁を軽く振りきっちゃったよ、というくらい。
観れば分かります。
観て触れて、感じて下さい。
私も出来るのであればもう一度観たいですが
観る気力がとても湧き上がりません。
他の方も書いておられますが
個人的にはR15ではなくR18の方が良かったような気がします。
悪の法則とウルフオブ…を足して2で割ったような
凄惨性と暴力・快楽性を併せ持つ作品だけに。
あと、予告の印象と一番違っていたのが
この作品の登場人物、
本当にクズしかいませんでした。全員クズでした。
(橋本愛くらいはマトモな設定だろうと思っていたので面食らいました。)
怖いものみたさで「本当に怖い!」と言われて
逆に絶対観に行く!と思うような人にはオススメです。
そこまで言うなら止めておこうと思うような人には、万に一つもオススメしません。
私はグロ系の描写は普段寄りもしないのですが
前述のように針が振り切っているので
逆に安心して観ていられました。
悪趣味なびっくり箱
まず観終わって一言。「疲れた」。
物語に緩急が無いというか、何でしょうかね。心の箸休め的なものが皆無なんですよ、この映画。どこを切っても一切、落ち着ける場所が出て来ないというか、全く小休止をさせてくれない。
のっけからハイテンションですから。で、そのハイテンションがワクワク!ハラハラ!ドキドキ!みたいな「楽しい!」「ポップコーンムービー!」的な類じゃないでしょ?
エロとグロとショッキングの連続な訳ですよ。観客側はひたすらに、ずーっと歯を食いしばってなきゃいけない!みたいな、体に力入ったまんまの体勢で観なきゃいけない!みたいな。それを半ば強制されてるような感覚。
つまり、容赦がないんです。もっと言うと遠慮がないし、配慮もない。節操もない。
全く何が起こるか分からないっつー、その瞬間、その一秒先が予測不可能で。ちょっとでも油断してたらバン!ドン!グシャ!グチャ!てな感じで。だからもうね、体力の消耗が著しい訳ですよ。
だけど、それを浴びれば浴びるほど次の衝撃を期待しちゃってるみたいな。観たくないけど観たいみたいな。パンドラの箱をもっと開いちゃってくれ、みたいな欲求も高まったりしちゃって。
その、何でしょう、救いのなさをエンターテインメントにしちゃってるんですよね。登場人物に救いがないなら、もうこっちもそれを楽しんじゃえ!みたいな。
一見、なんだか社会派、推理サスペンスっぽいテーマというか、題材でありながら、その実、セックスドラッグバイオレンスですからね。
素朴な疑問なんですけど、本当にR15でいいんですかね?R18に上げた方がいい気するんだけどなあ。人によっちゃトラウマ叩き込まれる内容ですからねえ。
や、まあ本当、胸糞悪い映画です。中島哲也監督の本性見たり!てな感じで。傑作でした。
血がいっぱい
役所広司さんが娘の加奈子の行方を探す物語ですが、いやー、ハチャメチャのバイオレンス映画でした。血がいっぱい、グロいの苦手な方は辞めた方がよろしいかと。
イジメ、ドラッグ、ウリ、などなどを交えつつ殺し合いばかりのお話です。見てても痛い。でも、加奈子がなぜそうなったのか、なぜそんな行動をしたのか、はとても一途な想いから。それは見てのお楽しみ。
キャストには今までの中島監督作品に出たことのある人たちがどんどん出てきます。
ラストの犯人は…観ながら考えると面白いと思います。
この素晴らしき狂った映画!
まず始めに…
娘を愛する世のお父さん方は決して見ないで下さい…。
中島哲也監督最新作。
今年、「GODZILLA」と並んで最も楽しみにしていた作品。
僕と中島哲也監督作は相性が良く(笑)、これまで外れナシ。「松子」と「告白」はその年のベストに選んだほど。
そして今回もまたまたまた凄かった!!
よくR15程度で済んだもんだ!(笑)
暴力!殺人!血!レイプ!売春!クスリ!いじめ!DV!腐敗!…罵声と罵倒のブッ壊れた狂乱の世界。
誰一人共感出来ないろくでもない登場人物ばかり。
非常に不快・不道徳・不謹慎な内容なのに、異常なまでの高揚感に興奮しっ放し!
こんな映画に興奮してしまう自分も自分だが(笑)、最初から最後まで釘付けだった。
中島演出は、「下妻」〜「パコ」のハイテンポ演出と、「告白」のシリアス&ダーク演出が融合。
そこに、韓国サスペンスや園子温作品のようなハードさも加わり、初挑戦のバイオレンス・ミステリーを見事、自分の物にしている。(「進撃の巨人」の監督は降りて正解かも??)
中島演出を支えたのは常連スタッフである事は言うまでもなく、スタイリッシュでギラギラした映像、めまぐるしいカットの連続、抜群の音楽センス…その高水準の技術はハリウッドにも劣らない。
主役はベテラン、物語のキーは新人、周りを人気者・実力派・今旬で固め、バランスの良いお手本とでも言うべきキャスティング。
役所広司の狂演は言わずもがな、娘を演じた小松菜奈に大注目!
“天使”のような透き通る外見の裏に潜む“悪魔”のようなミステリアスさ…。
「告白」の橋本愛のように大きな器を感じる。
親子とは言え、一人の人間としては全くの別人。本当の顔なんて知れたもんじゃない。
飢え、渇いた人間の心の闇や暗部を、これでもか!と浮き彫りにする。
これからレビューが増えていったら、熱狂的に支持される一方、激しく拒絶もされるだろう。
しかし、それほどインパクトのある映画なのは間違いない。
個人的には、期待に違わぬ満足度!
今年のベストを「それでも夜は明ける」と争いそう。(年末のティム・バートン最新作「ビッグ・アイズ」にも期待)
毎度毎度、中島作品をベストに挙げるのも考えようだけど、だって好きなものは仕方ない!
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