「死んだ姿も好きになりたいから」渇き。　サプライズさんの映画レビュー（感想・評価）

小松菜奈＆役所広司ですよ。気にならないわけないでしょう。見たいと思ってから時間経っちゃったけど、ようやく鑑賞です。
どうやら小松菜奈は、この作品が長編作品デビューみたいですね。わくわく

これは、やばい。狂ってる！！！！！
今まで見てきた映画の中でもダントツで気が狂ってる。
頭おかしくなりそうだ。この映画見ていると。

妻(黒沢あすか)の不倫相手に対して暴力を加え、職も家庭も全てを失った元刑事藤島(役所広司)は、離婚から3年後に妻から娘の加奈子(小松菜奈)が失踪したことを聞かされ、捜索に乗り出す。

出てくる人全員の頭がおかしい。
暴力、レイプ、薬物、監禁、殺人、犯罪行為を永遠と繰り返す。
役所広司も妻夫木聡も小松菜奈も國村隼もオダギリジョーも全員、狂気に満ちていて最高の演技。
クズすぎて誰も共感できないし、誰も好きになれない。

時系列をバッラバラにし、シールのようなエフェクトを付けるのがスゴく好印象。
編集力が光っていた。それによって、全く飽きなかったしむしろ興奮した。拍手喝采

確かに、評価が割れるのも凄くわかる。
血はバンバン吹き出すわ、平気で暴力を振るうわ、全シーン気味が悪いので嫌な気持ちになる。

しかし、意外と深みがあって面白かった。
深みがあると言っても、難解すぎてあまり理解はできなかった。かなり複雑な作品だ。

物語自体に深みはあるが、小松菜奈と妻夫木聡についてあまり語られておらず、浅いままだった。
見終わったあとに考えさせるってのが、今作の狙いだと思うがあとから考えても謎に終わった所が多々。

現代は全てが役所広司目線で進んでいくので、組織側だったり嫁側だったりが描かれてないところも残念。
あえてかもしれないが、もっと観客を楽しませるにはそういった目線も必要だったのではと。

死んだらなんにもできない。
じゃあ、生きていたらなんでもできるの？
死なれた側はどう生きればいいの？

★3.0でもいいし★4.0かとも迷ったが、中間の★3.5ということで。
しっかし、小松菜奈は不気味で不思議な可愛さがあるな〜。独特で毒々しい。なーんちって