「クソ虫ゴミ虫の狂宴。」渇き。 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
クソ虫ゴミ虫の狂宴。
レンタルDVDで鑑賞。
原作は未読です。
出て来る奴らがみんなクズ。出て来る奴らがみんなゴミ。クソ! クソ! クソ!(笑) 普通の奴がいないんだよ…。てか普通ってなんだよ? どうしようも無く狂ったキ○ガイどもが織り成す宴に引き摺り込まれました…。
失踪した娘・加奈子(小松菜奈)の行方を追う内に、これまで全く知らなかった底知れぬ人物像と、狂った世界に飲み込まれていく元刑事の父親(役所広司)。野獣の如き狂熱を発散させ、行く先々で大量の流血を生み出しながら、混沌とした事件の真相へと肉薄していきました。
役所広司のギラギラ感…堪らん。「孤狼の血」だけじゃなかったのねぇ…。汗だく、血まみれ、罵詈雑言―さて、彼は「クソが!」を何回言っていたでしょうか?(笑) 「父親じゃけぇ、何をしてもええんじゃ」ってことかい?(笑) それに不死身なのか、あんたは…?(笑)
そして本作の白眉…それは、加奈子を演じた小松菜奈の魅力に尽きるでしょう! 優しくて、誰からも好かれる人気者、そして圧倒的な美少女。だがそれは表の顔に過ぎず、しかしてその実態とは、人心の掌握に長け、相手が望むものを与えて懐にスルリと入り込み、挙げ句の果てに全てを破壊してしまう悪魔のようなクソガキでした。いじめ、クスリ、レイプ、やくざ、秘密クラブ―煩雑で猥雑なそれら全てを手玉に取って、あらゆるものを濁流の如く飲み込んでいきました…壮絶!
妖艶にして奔放。決して満たされぬ果てしなき渇き…。頭も心もからっぽなまま、自分を潤してくれる何かを求めて、狂気の淵を彷徨する…。そんなクレイジーな加奈子を全身全霊で演じ切ったという素晴らしさ。おじさまたちとのキスシーンもなんのその(笑) 演技力の高さに脱帽でした。溢れ出す少女とは思えない色気にノックアウトでした。美人と言える顔立ちじゃないのに、不思議とそそられてしまうのは何故? それはさておき、本作以降の活躍は言わずもがな(笑)
取り敢えず、全編通して胸糞悪いことこの上無い。容赦の無い暴力描写…しかし、全然嫌いじゃない、むしろ好き(笑) これぞ、劇薬! ウケるんですけど!(笑)