ブルージャスミンのレビュー・感想・評価
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非常に痛々しい
ウディ・アレンには珍しくアメリカの中でも西海岸のカリフォルニアが舞台。
今までウディが撮ってきた情緒不安定男の女バージョンのようなジャスミン。ウディの描いてきた情緒不安定男は滑稽で痛々しいながらも面白さがあったが、ジャスミンはもちろんユーモアはあるが痛々しさが強烈。
名前もジャネットからジャスミンに変え、みた目をブランド品で飾り立て、上品に気丈に振舞っているからこそ余計にその落差が激しくみえる。しかし、落ちぶれた原因といえばどれも自業自得な気がして...。でもこういう人いるよなあ...。同情もしづらいけど。痛々しさの中にちょいちょいコミカルなシーン挟んでくるのでそこが救いだった。特にスーパーのシーンとファミレスで甥っ子に語るシーンは好き(笑)
あの美しいケイト・ブランシェットの落ちていく様は本当に病んでるようで...マスカラは落ちてパンダ目だし、ラストにはブランドの服は汗がしみていて上品のかけらもない。まるで何かにとりつかれたようでちょっと怖い。
こんな風にならないように飾らず素直に生きるのが一番!と思わされた。
ウディ・アレンには珍しくアメリカの中でも西海岸のカリフォルニアが舞台。
今までウディが撮ってきた情緒不安定男の女バージョンのようなジャスミン。ウディの描いてきた情緒不安定男は滑稽で痛々しいながらも面白さがあったが、ジャスミンはもちろんユーモアはあるが痛々しさが強烈。
名前もジャネットからジャスミンに変え、みた目をブランド品で飾り立て、上品に気丈に振舞っているからこそ余計にその落差が激しくみえる。しかし、落ちぶれた原因といえばどれも自業自得な気がして...。でもこういう人いるよなあ...。同情もしづらいけど。痛々しさの中にちょいちょいコミカルなシーン挟んでくるのでそこが救いだった。特にスーパーのシーンとファミレスで甥っ子に語るシーンは好き(笑)
あの美しいケイト・ブランシェットの落ちていく様は本当に病んでるようで...マスカラは落ちてパンダ目だし、ラストにはブランドの服は汗がしみていて上品のかけらもない。まるで何かにとりつかれたようでちょっと怖い。
こんな風にならないように飾らず素直に生きるのが一番!と思わされた。
象徴的な最後の一言
笑えそうで笑えない。ついつい自分で隠している部分が…。
身の回りを少しオーバーにして映画にするとこんな感じになるんだろうか。
とにかくケイトブランシェットがすごい。
ってか、今まで見たことのない怖さというかなんとも言いにくい独特さがあって、見終わった後の居心地の悪い感じは類をみない。
ところが、好き。
現実見てない人
優雅でセレブな人生から転落、一文無しになり妹の家に居候させてもらう身だというのにかつてのセレブな私自慢ばかりするジャスミンをこれでもか、というくらいイターい女として描いてますね。
気になったのはジャスミンは夫のハルのことを本当に愛していたのか彼の財産を愛していただけなのか…。
いや、どっちも愛してないか。
何より大事なのは自分のプライド。関心があるのは自分のことだけ。
だから息子に縁切りされるようなことを平気でやってのけたのだな。
最後までイタい女を演じきったケイト・ブランシェットはさすがでした。
帰って来たウディ・アレン やはり彼の作品ではヒロインが輝いてこそ素晴らしい!
この映画を観終わって直ぐに感想を一事で述べよと聞かれたなら、「久し振りに、帰って来たウディ・アレン」と言うのがぴったりハマる気がしたのだが、みなさんはどんな感想をお持ちになったのだろうか?
私は、「アニーホール」の魅力に魅せられて以来、ウディ・アレンの大ファンになり彼の作品を見守っているファンの一人なのだけれども、私が思うにアレンの作品はやはり女性の魅力が最大限に引き出される作品が一番面白いと思う。
しかも、どこか一癖も二癖もあるような女、云ってみれば普通ではない人物をあたかもあなたの隣に住んでいる普通の友達の様に描き出してしまうところの素晴らしさが、正にウディ・アレンのマジックであるように思うのだ。
彼の描いている人物像はやはり何処にでもいそうでいて、だが実際には、あそこまでは個性的?な人物は現実的には存在しないだろうと言うギリギリの一線を本当に隣に存在しているかのように描き出すマジックがあるのだと思う。
芝居の絶妙の面白さとは、やはりヒロインの演じる人物像が、リアルな香りを色濃く残しつつも、やはり演出された人物で、本当には存在しないアクの強いキャラクターをあたかも好感の持てる人物として、面白おかしく描き出す事で、そのヒロインの持つキャラクターの一部分は、映画のヒロイン程強烈では無いとしても、極普通の一般人の中も潜在的に、ヒロインと同じ性質を持っているのですよと言う部分をさらっと、巧く流していくところの妙を、私達観客自身も、自分達の生活の中にしっかりと投影させてみて、「なる程、なる程、ああ言う嫌な奴確かに存在するな~」とくすりと笑いたくなる、その気持ちを上手に突いて来てくれる作品に快感が観ていて持てるからこそ、彼の作品は楽しいのだ。
だって実際問題、もしも家族や友人や、恋人がジャスミンそっくりのキャラクターだったらこんなに笑って観ていられないし、友達として長―く付き合いたいとは思わないし、絶縁したくなるのが普通だ。
そんな個性的で魅力溢れるヒロインを今回見事に演じきったケイト・ブランシェッドは凄い女優ですね。
やはり日本には、残念だけれどもここまで個性的で癖の有る人物を好感が持てるヒロインとして見られるような、余韻を漂わせるように演じられる女優さんはいないと思う。
映画の登場人物に巧く感情移入出来るように、演出する事が出来るのは、やはり心理学をしっかり応用して、人物のキャラを練り上げて描く脚本と演出プランを持っているウディ・アレン監督ならではの、これぞ、「帰って来たウディ・アレン映画」と言うに相応しい
本当に腹の底から笑える、大爆笑の映画であり、ほろっとさせられる最高コメディですよ!
Cate Blanchett 恐るべしっっ!!!!
Woody Allen監督の存在すら思わず霞んでしまう(!!)Cate Blanchett の圧倒的な存在感。
そして思い返せば要所要所に現れる多数の登場人物達の個性の ふりかけが改めて
流石 Woody Allen監督♪、となる。
自分をダメにしてるのがプライドだってコトをプライドが邪魔をする(C:六車)なんて名文も然る事ながら、かつて手に入れた富と、酒と薬(クスリぢゃないよ)に寄っ掛かり溺れて行く様は、共感に値する。
自らの pride の高さが みるみる崩壊へと進んで行く有り様は美しくもあり儚くもあり、そして醜くもある。ソシテ ソコガ イイ♪
ケイト・ブランシェットの鬼気迫る表情は圧巻。
非常に良かった。
特筆すべきはジャスミンを演じるケイト・ブランシェット。
アカデミー賞主演女優賞も納得の“顔力”。
裕福で幸せな生活の際に浮かべる柔和、だけど何処か冷めた顔。
全てを失い土俵際で正気と狂気が入り混じる顔。
そして完全に土俵を割ってしまった時の顔。
これらを演じ分けている表情の幅に脱帽です。
特に狂気が大半を占めた際の鬼気迫る表情は般若そのもの。
その圧倒的な表情の前に息を呑むと同時に、その必死さに何処か苦笑が。
また表情に合わせて声のトーンとテンポを変えていた点も、事態と共に脇汗が染み出ていた点も良かったです。
また作品の構成も良かった。
“或る時点”を起点/終点と位置付けて。
彼女の幸せの絶頂期から“或る時点”へ向けた下り坂。
そして“或る時点”から先の奮闘、が交互に描かれる。
両者に緩やかな繋がりを持たせることにより状況の乖離がより大きく見える。
彼女の境遇がより悲惨に見える作り。
非常に意地が悪い作りになっています。
ともすれば胸糞悪くなる可能性もある作りですが、そこはジャスミンのキャラクターでカバー。
並みの人間であれば憐憫の涙が出そうな所ですが序盤から滲み出る彼女の糞女振りがそうはさせません。
前述のケイト・ブランシェットの高い演技力も相まって何処か「ザマミロ」感を醸成させます。
そういう意味では心配なく観ることが出来る作品かと。
兎にも角にもケイト・ブランシェットが演じるジャスミンが光る本作。
特に終盤の畳み掛けは圧倒されました。
また鑑賞後に作品全体を振り返り「何処から予兆が…」という風に観るのも面白いと思います。
個人的には彼女が結婚した切欠から本件の予兆が既にあったのでは、と。
敢えて行動しないことで表面上の平穏を保つという選択肢がある中で。
自分自身は知ること自体を敢えて放棄するのか、知った上で敢えて行動しないのか。
「利口な選択」とは何か、「自身の今を支えている土台」は何か、をも考えさせられる作品でした。
オススメです。
切実感が
ウディ・アレンはいろんな作品で。様々な女優を起用している。
前はダイアン・キートン、ミア・ファロー、そして、最近ではマリオン・コティアール、エヴェン・レイチェル・ウッド、ナオミ・ワッツ、そして、今度のケイト・ブランシェット。
みんないい女優だし、僕のファイバリットも多い。
でも、それでも、それが彼女たちのNo1の映画だったか。というのとは違う。ウッデイ・アレンの作品が重厚とか胸に迫る映画というのではなく、どちらかといえばウェットに富んだコメディだからだろうと思う。
シリアスになりすぎないように気を使っているようにも見える。
この「ブルージャスミン」はどうだったか?
ウッディ・アレンにしてはシリアスだという。
主演のケイト・ブランシャットはアカデミー女優賞を獲ったくらいの演技だった。セレブの世界から庶民の世界に落ちてきたひとりの女を演じていたのだが・・・確かにときどき、現実と過去が入り混じって、錯乱したりするのだが・・・
それにしては、僕には現実ってこんなものじゃないだろうって感じてしまった。躁うつ病?・・・特にうつ病とは、こんなにポジティブじゃないんだ。もっとじと~としていることが多いのだ。
ネガティブ・シンキング・グズなんだ。そう、グズグズしているのだ。そんな場面があれば、もっと現実感が出て、僕の思い入れも入ったろうが・・・
やっぱり、ウッデイ・アレン監督とは相性が合わないのだろう。
女性に対する遠慮が見える。
一体、ウディ・アレンは女性恐怖症なのでしょうか、それとも、フェミニストなのでしょうか。この人の映画は、毎回、過度に女性を意識し過ぎているようで、それが鼻に着くことがしばしばあります。分野は違いますが、村上春樹同様、女性から嫌われることを極度に恐れているようにも見えます。もしかすると、この人、ある種の精神の病を抱えているのかもしれません。今回はウディ・アレン本人は出演していません。あの貧相で貧乏神のようなアレン、小声で早口でせきこみながら喋り続けるアレン、を見なくて済んだのは良かったのですが、如何せん、ケイト・ブランシェットの壊れ具合が中途半端だったのは、大きな不満でした。人格が崩壊していく過程を見せるなら、もっと徹底的に、しかも残酷に壊れた方が映画的に面白かった筈です。
この映画、ケイト・ブランシェットの演技に期待していたのですが、一言で云えば、やはり、いつものウディ・アレンの映画の域を出ていませんでした。そう、毎度のことながら、ぬるま湯的かつ神経症的な演出に終始していたのです。この監督に過大な期待は禁物なのかもしれません。
自分自身には何があったのか。
結婚した当初の若さが失われて、自分が失った若さをもっているパリの小娘に取られてどんな気持ち?ねえ、どんな気持ち?
そういえば、あなた自身も大学3年の小娘の時に結婚してましたけど、あなたには何がありましたか。あなたには何が残りましたか。
あなたが何かを成し遂げて得たものはありましたか。ありませんよね。あなたは消費するばかりでしたよね。
そして、自分の手でそれを捨ててしまったのですよね。
あなた自身は何者でもなかったのですよ。
役者がいいので、そういう生々しい体験が出来ます。
笑って観られればあなたは幸せもの。
他の方のレビューを見ていると……笑える、かぁ。私の場合はそういうお気楽な態度で鑑賞できなかったなぁ。皆さん自分のことを棚にあげるのがうまいのか、私が感傷的すぎるガキなのか……。
この作品はある意味で試練金であり、観て笑い飛ばせれば「あなたは幸せもの」です。
苦ーい作品
笑えないけど笑えるし、笑えるけど笑えない、そんな作品。
金と酒と宝石にまみれたセレブ生活から一変、借金生活で、それでもマティーニと精神安定剤は欠かせない生活。
しかしこの映画は「悲喜劇」という感じはしない。確かに最後の最後まで痛々しいんだけれど、悲しいほど純粋なジャスミンが垣間見える。
なんといっても、ケイト・ブランシェットの迫真の演技が素晴らしかった。
“見栄”が招く最悪の結末。自業自得の教訓的映画。
【賛否両論チェック】
賛:「こうなっちゃいけないよ」という反面教師として観るのに最適。ともすれば重いテーマを、軽妙な展開で見事に表現。
否:時間軸が行ったり来たりするので、ちょっと分かりにくいかも。ラブシーンも割とある方。
物語は、現在の没落したジャスミンと、幸せの絶頂にいるセレブ時代のジャスミンが、交互に描かれていきます。時間軸が行ったり来たりするので、最初はちょっと戸惑うかもしれません。自分を良く見せたいがためについた嘘の数々が、やがて自分の首を絞めるきっかけになっていく様子が、とってもコミカルに描かれていきます。
題材としては好みが分かれそうなところではありますが、非常に教訓になる映画ですので、謙虚な気持ちでご覧になってみて下さい(笑)。
ブルー(どころの転落人生じゃない)ジャスミン
ケイト・ブランシェット劇場。
完全なる彼女の独壇場ですよね、この映画。
ウディ・アレンお得意な周囲の人間模様描写もキッチリ描いてるし、主人公ジャスミンとその妹ジンジャーの恋愛を対比してストーリーが進行したりするんで、出演は彼女だけ!って勿論そんな訳ないんですけども、まあね、それよりもケイト・ブランシェットのこの異質っぷりというか突出感ね。そりゃあどんな演者も霞むでしょうよ。
ジャスミンが劇中でずっと空回ってる感じがこの映画の肝ですからね。バイタリティ溢れてるけど常に空回りしちゃうというか。その空回りを観やがれ!て映画ですから。
セレブから庶民に転落して、プライドだけはやたらに高いし棄てられない。下々の仕事なんかしてられない。習い事教室だって通っちゃいらんない。下賤な人間とは付き合えない。無一文で妹の部屋に上がり込んではいるけど、正直、妹も見下してる。じゃあどうするか!?となると、そりゃ再起を賭けた玉の輿でしょう!ということでイイ男を早々ゲット。培ったセレブ感覚は健在だから、経歴ガシガシ嘘付くし何故か自信たっぷり。そしてそしてどうなるか…どうなるか。
笑えないのに笑えてくるし、感情移入できないほどにジャスミンがクズいから、観客も傍観して行方を見守るだけという。可哀想とは思わないけど、でもハラハラする。身から出た錆で勝手に不幸になって行くんだけど、憐れで痛々しい。
おまけに彼女、終盤に脇汗なんかも掻いちゃったりして。
そんで、あの終わり方。
キッツイ。
キッツイです。
こりゃケイト・ブランシェット、こんな演技やっちゃったらオスカーも獲りますわな。納得です。
ウッディアレンの映画はあわないなが。
ウッディの映画は海外色が強すぎてあわないなが、ケイトブランシェットの演技はすごすぎる。気品のある役を壊れながら演技する姿は脱帽どころか、本当にいると勘違いさせる。あいかわらず掛け合いと皮肉、町の情景が多い映画
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