ブルージャスミンのレビュー・感想・評価
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【”虚飾に塗れた人生”を懸命に生きる、愚かしくも愛しき人々の姿をウディ・アレンがシニカル要素多めで描いた作品。】
ーウディ・アレン監督がシニカルな笑顔を浮かべながら制作した作品
・・・だと思う。-
■久しぶりに観ても”インパクト大”だったシーン
・ジャスミン(ケイト・ブランシェット)がジンジャー(サリー・ホーキンス)の二人の息子とレストランで食事をするシーン。
”ペテンはペテン・・”などと、自分の半生を省みながら、眼を”カッと”見開き、二人の顔を凝視しながら半身を乗り出して、喋るシーン。
- ”怖いよ、ケイト姉さん・・。二人ともご飯、食べてないよ・・。”
私はこのシーンの彼女の”セリフと表情”でケイト姉さんはオスカーを獲得した、と勝手に思っている。-
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・ジャスミン(本名は、ジャネット・・)とジンジャーは姉妹。(似てないなあ、と思ったら、二人とも里子だった。)
・ジャスミンの夫ハル(アレック・ボールドウィン:お金持ちオーラが凄い・・)は実業家。
(お金持ち・・だったが詐欺がバレ、逮捕。)
・ジンジャーの夫オーギーは建築家。
(宝くじで20万ドル当たったが、ハルが薦めた投資に全て注ぎ込んで、全てパア。)で、離婚。
というイタイ二人を取り巻く人々との絡みをシニカル要素多めで、描いていく。
冒頭から、イタイのはジャスミンである。
ハルの事件発覚後、お金がないのに、ファーストクラスを使いやってきて、ジンジャーの家へ居候。
セレブリティな生活慣習が抜けきれない言動と、現実とのギャップに戸惑うジャスミンの姿は悲哀感も漂うのだが、流石ウディ・アレン監督。
コミカル要素を塗して絶妙に描いていく。
・仕事を探しているジャスミン(飲んでいるのは、ショートグラスのカクテル)のところに、ジンジャーが呼んだのはチリ(ジンジャーが好き)と小男エディ。で、頼んだのは、ビール・・。
二人は、落ちぶれたジャスミンの状況を遠慮会釈なく、”普通”に話す二人。悪酔いするジャスミン。
ー上手いなあ、ウディ・アレン監督ー
で、紹介されたのは、歯医者の受け付け嬢。歯医者のフリッカー先生はジャスミンをデートに誘ったり(で、チグハグな会話。)、あの受け付けでの強引なキスシーン。(申し訳ない限りであるが、少し笑う・・)
漸く素敵な男性、ドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、彼の海辺の素敵な家でのキスからの、婚約。
そして、指輪を買いに行った街で逢ってしまったのは、ジンジャーの夫オーギー・・・。過去を暴かれ婚約解消・・・。
ーあれだけ、トラブル続きだったら、精神薬も6種類”カクテル”で飲まないとねえ。独り言も多くなるさ・・。-
<ジンジャーの家を飛び出し、大好きだった筈のブルームーンの歌詞も忘れて、独りベンチに座るジャスミン。
普通の映画であれば、悲惨な結末に思えるのだろうが、ウディ・アレン監督の手に掛かると、”仕方がないさでは済まないのは、分かってはいるが、仕方がないさ・・”と思わされてしまう。
で、エンディングで流れる粋な曲・・。ビタースイートだなあ・・。>
あれ〜?面白いんだけど
痛々しくも清々しい
喜劇と悲劇は表裏一体
ウッディ・アレンはロマンチックな映画作家だが、時として非常にシニカルで意地悪だ。
それほど好きな監督ではないが、時折観賞する作品で強く感じる。
ケント・ブランシェット演じるセレブから転落した女性と血の繋がりがない妹を比較しながらストーリーは展開するが、登場人物にとっては「不幸な状況」であり、「焦り」が手に取るようにわかるが、観ている側のこちらはそれが「笑い」に繋がってしまう。
「人の不幸は蜜の味」とはこの事。
TVドラマの「セックス&ザ・シティ」や「デスパレートな妻たち」が好きならおすすめ。
ケント・ブランシェットが後半でボソッとつぶやく「みんなゴシップが好き」って台詞。
それがこの映画の全てであり、前述のTVドラマをアレンが洒落ていて意地悪な演出によりケント・ブランシェットをアカデミー賞主演女優賞へ導いた作品。
見事な壊れっぷり
こうはなりたくない
始まって2分で「この人大丈夫じゃない人…」
これもウディ・アレン
ジャスミンとアレン監督の行方…
こんな映画初めてだ!なんて破壊的なんだ! セレブな生活から転落、し...
☆☆☆☆ 主人公の名前はジャスミン。彼女は派手で優雅なセレブ生活か...
☆☆☆☆
主人公の名前はジャスミン。彼女は派手で優雅なセレブ生活から転落したものの、根っからの見栄っ張りな性格は以前のまま。お金に事欠いているのに、飛行機にはファーストクラスで乗るし。セレブに相応しいサービスを受けたならば、それに見合うチップは惜しまない。
いつの日かまたあの華やかな生活を取り戻したい。
そんな彼女は唯一の妹を頼る。
ケイト・ブランシェット演じるジャスミンのキャラクターが凄い!
現在の生活になった事で、彼女の精神はギリギリの状態なのだが。絶えず精神安定剤を飲みながら自分を取り戻し、過去の栄光を忘れる事が出来ない。
独り言は当たり前で。妹の趣味嗜好等は全く理解出来ず、セレブ以外の人間の話す話題等は〝馬の耳に念仏〟だ!
妹役のサリー・ホーキンスとの性格の違いに加え。その周平に居る男達や、生活する為に知り合う人々との関係性等、以前の彼女ならば単なる見下す人間達だが。今はやむを得ないから付き合っているだけ。
彼女は低所得の人に対して、明らかな偏見を持っているのだけれども。確かにそれらの人達の会話等には、頭が良いと思える部分は感じられない。
だが監督ウディ・アレンは、そんな人達の心の奥底に有る純粋な一面を見せ。「人間って見た目じゃないんだよ!」…ってところを描いている様にも見える。
これまでのアレン作品には。必ずと言って良いくらいに、最後にはハッピーエンドに繋がるところが有った。
しかしこの作品は、彼女が転落し。何とか浮上するきっかけが有りながら、最後には《或る人物》からとても辛い言葉で、更に大きな打撃を浴びせられる。
それによってこれまでのアレン作品の中でも、1番と言っても良い程に残酷なラストを迎える。
…と思わせるのだが。よく見ると冒頭場面とラスト。
彼女は一見すると何も変わっていない様に見えながらも。彼女の信念には一点の曇りもない意志が見える。
「いつの日にかまた必ず…」
その一筋の光を求め。彼女はこれからも自分らしさを失わずに生きて行くのであろう…と、思わせて映画は終わる。
或る意味で言うならば、これはアレン作品の新たなるハッピーエンドなのだろうと思わせる。
BS放送を録画 初見
あはははは
意外にもリアリティを感じるキャラ
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