「女性に対する遠慮が見える。」ブルージャスミン bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
女性に対する遠慮が見える。
一体、ウディ・アレンは女性恐怖症なのでしょうか、それとも、フェミニストなのでしょうか。この人の映画は、毎回、過度に女性を意識し過ぎているようで、それが鼻に着くことがしばしばあります。分野は違いますが、村上春樹同様、女性から嫌われることを極度に恐れているようにも見えます。もしかすると、この人、ある種の精神の病を抱えているのかもしれません。今回はウディ・アレン本人は出演していません。あの貧相で貧乏神のようなアレン、小声で早口でせきこみながら喋り続けるアレン、を見なくて済んだのは良かったのですが、如何せん、ケイト・ブランシェットの壊れ具合が中途半端だったのは、大きな不満でした。人格が崩壊していく過程を見せるなら、もっと徹底的に、しかも残酷に壊れた方が映画的に面白かった筈です。
この映画、ケイト・ブランシェットの演技に期待していたのですが、一言で云えば、やはり、いつものウディ・アレンの映画の域を出ていませんでした。そう、毎度のことながら、ぬるま湯的かつ神経症的な演出に終始していたのです。この監督に過大な期待は禁物なのかもしれません。
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