「☆☆☆☆ 主人公の名前はジャスミン。彼女は派手で優雅なセレブ生活か...」ブルージャスミン 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆☆ 主人公の名前はジャスミン。彼女は派手で優雅なセレブ生活か...
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主人公の名前はジャスミン。彼女は派手で優雅なセレブ生活から転落したものの、根っからの見栄っ張りな性格は以前のまま。お金に事欠いているのに、飛行機にはファーストクラスで乗るし。セレブに相応しいサービスを受けたならば、それに見合うチップは惜しまない。
いつの日かまたあの華やかな生活を取り戻したい。
そんな彼女は唯一の妹を頼る。
ケイト・ブランシェット演じるジャスミンのキャラクターが凄い!
現在の生活になった事で、彼女の精神はギリギリの状態なのだが。絶えず精神安定剤を飲みながら自分を取り戻し、過去の栄光を忘れる事が出来ない。
独り言は当たり前で。妹の趣味嗜好等は全く理解出来ず、セレブ以外の人間の話す話題等は〝馬の耳に念仏〟だ!
妹役のサリー・ホーキンスとの性格の違いに加え。その周平に居る男達や、生活する為に知り合う人々との関係性等、以前の彼女ならば単なる見下す人間達だが。今はやむを得ないから付き合っているだけ。
彼女は低所得の人に対して、明らかな偏見を持っているのだけれども。確かにそれらの人達の会話等には、頭が良いと思える部分は感じられない。
だが監督ウディ・アレンは、そんな人達の心の奥底に有る純粋な一面を見せ。「人間って見た目じゃないんだよ!」…ってところを描いている様にも見える。
これまでのアレン作品には。必ずと言って良いくらいに、最後にはハッピーエンドに繋がるところが有った。
しかしこの作品は、彼女が転落し。何とか浮上するきっかけが有りながら、最後には《或る人物》からとても辛い言葉で、更に大きな打撃を浴びせられる。
それによってこれまでのアレン作品の中でも、1番と言っても良い程に残酷なラストを迎える。
…と思わせるのだが。よく見ると冒頭場面とラスト。
彼女は一見すると何も変わっていない様に見えながらも。彼女の信念には一点の曇りもない意志が見える。
「いつの日にかまた必ず…」
その一筋の光を求め。彼女はこれからも自分らしさを失わずに生きて行くのであろう…と、思わせて映画は終わる。
或る意味で言うならば、これはアレン作品の新たなるハッピーエンドなのだろうと思わせる。
BS放送を録画 初見