2つ目の窓のレビュー・感想・評価
全27件中、1~20件目を表示
背中痛そう
ドキュメンタリーのような撮り方をする監督ではあるが、役者と一般人の混ぜこぜは、役者による芝居の不自然さを時に感じることもあったのであるが、松田美由紀の死出の旅を皆で見送るようなシーンは、三線の刺さるような音色と彼女の演技が相成り、素晴らしい出来栄えになっている。死を皆で分ち、その不安を中和する。なるほど、音楽とはそういうものかと感心する。
全体を見るとテーマ性にダイレクトな映像表現が目立ち、あざとさすら感じるような場面もあった。美しく撮るのであるが、何事も美しい訳ではないので。
他人の親子喧嘩に入ってくる姿には笑ったが、浅黒くやけた肌と性に積極的な女性像と内向的な男の子像のコントラストが効いている。女子側のストーリーの明確さに対して、男子の方は特にラストの行動が不明瞭。コンプレックスの塊か。前半に実の父親まで連れてきて、どのような変化で性を受け入れたのか分からなかった。
生命のサイクル
どんなにテクノロジーが発達しても、社会が複雑化しても人が生きるというのはとてもシンプル。
母親から生まれ、命を頂き、子供を作り、死ぬ。河瀬監督のフィルムはいつも、この生命のサイクルを日本人的な感性で繊細に描き出します。本作でも奄美大島に生きる人間の当たり前の日常と自然を神々しく撮っていましたね。私はこのフィルムが好きです。
人は過去から未来へこの生命のサイクルを繰り返しているに過ぎません。それを思うと、ふといつもの日常に先人達の生命を感じることができて、全てが妙に愛おしくなりました。
タイトルの意味が分からない。
高校生の男女を中心に、男の子はシングルマザーで彼氏がひっきりなし、女の子は死が近い神職の母親とサーファーの父親が奄美大島での出来事を切り取ったもの。
天真爛漫な母親に苦しむ男の子と、神職をしている母親だけに死なないと思い込んでいる女の子の苦悩がとても伝わってくる。
河瀬作品いくつか見たが、これがまだ解説なしで分かるかなぁという印象。
ただ、時々入り込む映像やシーンが分からない。
マングローブの伐採。
最後の泳ぐシーン。
母親を探しまくってお店にいただけのシーン→え、それだけ?
抽象的な作品にするのであればもう少し考えるヒントを散りばめてくれないとボクのような頭の弱い人にはグッと来ない。
タイトルの意味が‥
ちょっとよく分からない。
どうして日本の南の島はこうも命を感じさせるのだろう。やはり何かしらの力が働いているのか。オーラが出ているのか。そんな神秘的な島の中で、死、セックスなど、リアルな生が入り混じる。それに純粋すぎる主人公が翻弄される。最後ヒロインと結ばれた後も、やはり神秘的だった。その表現が美しかった。
山羊の血
いきなり山羊のとさつシーンから。神に捧げるためのものなのか、食用なのかはわからない。残酷の裏には生へのこだわりと、死への諦めみたいなものが同居している・・・
高校生界人はシングルマザーの母と二人の生活。父親は東京へと戻り、界人もたまに会いに行っている様子がうかがえる。ある日、幼なじみの杏子と夜の海で待ち合わせしているときに背中に刺青のある男の死体とそれぞれ遭遇した2人。界人にはその刺青が見覚えのあるものだった。
杏子は好奇心旺盛で天真爛漫な少女だったが、母親の死が間近に迫っていて、情緒不安定にもなりがち。界人にも積極的にキスしたり、セックスへと誘うこともあったが、界人は母親が父親以外の男に抱かれているのがトラウマとなっていて、そんな気持ちはさらさらないといった雰囲気。
大きな転機といえば、杏子の母イサ(松田)が亡くなったこと。さらに界人が母親を淫乱だと決めつけなじるシーンだろうか・・・奄美の島だけに、大きな嵐がやってきて、そこですべてが和解へと導かれるのだが、締めくくりが若い二人のセックスとなると、ストーリーのつまらなさは否めない。
監督は自身最高傑作だと言っていたが、『もがりの森』の方が上であることは間違いない。感傷的すぎるためか、メッセージとして訴えてくるものが小さすぎるのだ。映画の作り方、綺麗な水の中の世界、台詞と台詞の間にある行間にはたっぷり心がこもっているし、完成度は高いものの、感情移入ができないところが弱点なのだろうか・・・
生と死 生と性 生と静
生と死だったり少年少女の生(性)への目覚めがテーマなのかなと漠然と。
前半と後半の区切りが明確であった。
前半はなんと言うかとても生っぽく、登場人物も彼らの台詞も間も声のトーンも息遣いも舞台となった自然も全てが全て作品にとってプラスにはたらくような感覚を覚えた。
後半は台詞が多かったが、その台詞のひとつひとつが登場人物の心を繋いでいるようで、とても良い。ただ、その台詞の多さがゆえに説明的になってしまったのは少し残念。
自然の、演出されない自然な美しさがとても魅力的で、それだけでも観る価値あり。
よく分からなかった…。
村上虹郎くんが主演してるのを知り観ました!
ストーリーは自分には今一 分からなかった…。
始めが少しグロかったし エッチなシーンも有り、
私的には好きではない映画でした。
(内容を分かっていないからかもしれませんが…。)
でも、界人が叫ぶシーンは単純に好きですね(笑)
クールな感じも!
何年か経って自分がもう少し大人になってから、
機会があればもう一度見ようと思います。
ちょっと退屈
奄美大島の美しくも厳しい大自然。尊厳のある死。風土に根付いた島の人びとの生き方。
これらには惹かれるものの、ストーリーとしては心に響いてくるものがなかった。あまり多くを語らないセリフが、よく聞き取れずに悶々としたり。山羊のシーンも意図があるのだろうが、映像が刺激的過ぎてその残像が残るのみ。
観る者に解釈をゆだねる寛大さがほしい
「殯の森」の河瀬直美監督の作品と聞き、難解な作品かと思って見れば、意外なほど分かりやすい物語構成に驚かされる。
奄美大島の美しい自然の中、ひとつの死から性への目覚め、そして生への繋がりを描いていく本作。テレンス・マリックの作品のような印象も受けるが、より現実的な世界観で物語を綴っていく。
それぞれの描写が時に生々しく、痛々しい。けれどもそれこそが現実だ。誰かの死を得て、それが生へと繋がっていく。そして、生ける者はいかなる形であれ、死を受け入れなくてはならない。様々な死が描かれていく中で、物語の転換点として描かれる穏やかな死のシーンは印象的である。
しかし、この作品は驚くほど台詞が多く、登場人物達の心境を必要以上に語ってしまったのは悔やまれる。特に中盤から後半にかけて描かれる主人公2人が性への目覚めから生へと発展していくくだりは台詞そのものがチープに見える。宗教、信念、哲学にも通ずる壮大なテーマを描いているが故に、説明するのではなく、観る者の価値観に解釈をゆだねる寛大さがほしかった。
生と死、自然と人間の二項対立を超えた奄美の自然観
河瀬直美監督の『2つ目の窓』観ました。すばらしかった。生と死の二項対立を超えた、奄美の自然観を高校生の目線で描いていて、その映像美と世界観に感服。
セリフが多すぎたのが残念で、もっと観客に解釈を任せて良いのではないかと思った。
生と死、豊かさと貧しさ、自然と人間の二項対立を超えた生命の営みをよくぞここまで描いたな、と。多感な高校生の成長物語を通したからこそ、わかりやすくなってる。
生と性と静と死
生と死を、二元論的に単純化して語るのではなく、その二つの間に曖昧な生きているものには容易に踏み込めないアニミズム的な神聖な時空があると、風と波と雨と心の動きの中で丁寧に表現する。忘れていた(あるいは知らなかった)生と死の境界線に立たせてくれる、静謐な物語。
生と性と静と死。人はその連綿と続く環を巡りながら命をつないでいく。そのことが人に課す重い運命を、サラサラと流れる時間に乗せて紡ぎ出す。
監督本人が最高傑作と仰るように、河瀬作品の中で僕の心の一番深いところまで届いた作品になった。
主人公の若い二人がどうが肉体的にも精神的にも深いところでつながりあえますように……いつの間にか、強く願っていた。
生命の永遠性の物語と成長物語の不調和
イサを見送るくだりやポスタービジュアルにもなっている海中のシーンなど、見所は沢山あった。松田美由紀や杉本哲太、常田富士男らの俳優勢も本当に凄い仕事をしている。吉永淳という人は初めてみたけれど、彼女もまた伸び伸びとして、若い美しさに満ちた素晴らしい演技をしている。あれらの芝居をフィルムに焼き付けてみせた監督の手腕は無二のものかもしれないとさえ思う。
唯一の不満は脚本だ。特に主人公のひとり、界人と母の物語には常に違和感がつきまとって最後まで離れなかった。クライマックスで感情を爆発させるに至って、その雑な展開に冷めてしまった。母との和解と成長を描くことで杏子に向き合う姿を描いているのだろうけれど、そのビルドゥングスロマン的な展開を支える物語的な強度が圧倒的に足りない。母との確執から和解にいたるシークエンスを奄美の台風にのみ託す演出や、界人に父の手紙の言葉を伏線に「母さんはおれが守る」などと叫ばせる安直さが、全体の繊細さを完全に裏切っている。
瑕は少ないけれど、個人的にはあまりに大きすぎる瑕だった。もちろん、あれを面白いと思う人がいてもおかしいとは思わないけれど。
解説付きで観てみたい
全国公開に先行してWOWOWで放映されたものを観させてもらいました。
難しくて理解出来ませんでした。
勉強のためにも監督の解説付きで観てみたいと思いました。
公開前にマイナス的なレビューを投稿するのはとても気が引けましたので、今日まで控えました。
家族のキズナ
ポスターの素晴らしい出来栄えに引かれ、つい観に行きましたが、中々の良作でした。
主役の若い二人より、二人の両親の演技が光っていましたね。特にイサ役の松田美由紀さんの演技が素晴らしかったです。
万人受けする作品では無いかもしれませんが、最近の日本映画にありがちな、安易に作っているような感じの映画と違い、しっかりとしたテーマを持っている作品でした。
エンドロールに流れたメインテーマ曲?もステキでした。
ところで、最後にマングローブの林でSEXをしていましたが、マングローブの木の上にはハブがいるので、止めた方がいいですよ(^_^;)。
とても一言では
10代の高校生が裸でからむシーンが話題になっていると、レディースデイでも劇場に行くのは勇気が要りましたが、いくつかのシーンでただ自然に涙がほろりと出てしまう、そんな映画でした。ありがとうございました。
大らかで、開放的、風通しのよい会話があれば、自分の「性」も相手の「性」も、純粋な気持ちで受け入れられるし、肉体の老いや死も恐れずに受け入れられる、命は繋がり、心は生き続ける、そんなメッセージが静かに込められていました。
大切なひととひとつになりたいというピュアな「性」と、コントロールが難しい血と肉の「性」。聖書にあるヤギの意味が、奄美の野性(屠畜)と巧に重ねられたことでエキゾチックな東洋の離島の話ではなくなり、海外でも共感を得ている、評価されているのではないかと考えましたが、どうなんでしょう?
また、台風の後、危険な樹木の伐採は必要だけれど、自然開発・森林伐採は、今この瞬間も世界中で進行している。そして、その最先端で稼いでいるのは日本の重機メーカーという、あまり認めたくない真実もこっそり伝えられており、非常に多くの社会的メッセージを含む映画でした。
いくつかわからないところがあった
村上虹郎くんはお母さんのUAの面影が濃いですね。村上淳にも似てるけどね。
実際に離婚して分かれて住んでる実の父に、演技とはいえなんで別れたの?と問う所は、演技ではない本当の怒りが少し混じっているように思いました。
声の若さが正に16歳って感じで良かった。
界人が岬に怒りをぶつけるところは、なぜか界人に共感したなぁ。急に杏子が入ってきてびっくりしたなぁ。
大体は良かった!という感想です。生と死の循環と、少年少女の成長と、怖くて美しい海。
杏子の母が死ぬ時、明るい民謡で送られてたが、あれはいいなぁと思いました。生まれたことが喜ばしいように、死もまた喜ばしいのかもなぁ、と、思いましてね。
でーもー、
ちょっと意味わかんない所が…
ひとーつ
ガジュマルの伐採の意味
なんで?なんで?
ふたーつ
海で死んでた男は本当に岬の男?
岬があの刺青男と絡んでるシーンはその後の海でのシーンとともに界人の回想(夢)っぽくなかった?
みっーつ
時間の経過の幅がわかんなーい
岬があの刺青男と付き合ってたなら冒頭の男の死体が上がった日から新しい彼氏と電話してる所の日数が余りに余りに近くないかい?それともなにか?ワンナイト的なまぐわいを岬は繰り返しており、枕をともにした男が死んだことに、気づかんほど軽いおつきあいだったの?
よーっつ
ラストの岬がいたレストラン?はなんぞや?あのコックが今の岬の彼氏なんか?
とまぁこんな感じてwhy?が浮かんできて、んーわからん!となりました。
杏子と病気の母とサーファーの父が縁側でいちゃいちゃしてるのとか、すごく好きですけどね。なんていい距離の家族だろうかと思いましたよ。
東京の父と息子もなかなか良かったよ。
ラストのマングローブの陰で抱き合うのは、衛生的に勘弁してくれと思いましたがね。初めての…はお布団でお願いしますよと、おばさんは思いましたよ。
裸で海を泳ぐシーンは素敵でしたね。あんな風にいきなり海って深くなるのね。
どうも心に響きませんでした
奄美の自然の中、心細く揺れながら精一杯生きる若い二人。
自然の圧倒的な美しさと、キャストの演技がとても良かったです。
でも、どうも心に響きませんでした。ちょっと残念でした。
なんとなくセリフに違和感、外国の映画に出てくる日本の場面がずっと続くような感じでした。
言葉としては正しいんだけど、こんな会話しないなあっていう違和感に引っかかって、集中できませんでした。
どうも大人が説教がましいのも気になって仕方がなかったです。せっかく素晴らしい自然が語ってくれているのにと思いました。
全27件中、1~20件目を表示