円卓 こっこ、ひと夏のイマジンのレビュー・感想・評価
全32件中、1~20件目を表示
【小学校3年生の女の子のイマジナリー溢れる、人間性肯定の作品。芦田愛菜さんの関西弁を駆使した確かなる演技が魅力的な作品でもある。】
ー 芦田愛菜さんは、御存じの通り、今作を含め子役から最近作で言うと、「メタモルフォーゼの縁側」でも、実に魅力的なキャラクターを演じた若き、素敵な女優さんである。
私は見たことが無いが、TVの番組でも活躍されているそうである。
子役から一流の役者さんになる難しさは、テイタム・オニールに幼き頃、魅入られた(「がんばれ!ベヤーズ」です。「ペイパー・ムーン」は年代的に後日鑑賞。)ので、相当なモノであろうと思われるが、今作を観ると、芦田愛菜さんの演技力には舌を巻いた作品である。-
◆感想
・芦田愛菜さんが演じる、大家族の中で育つコッコちゃんが、大人達から教えられた気になった言葉や初めて知ったことをノートに書き留めている言葉が、画面に出て、それを箸で摘まんでいくシーン。
ー 大九明子さんの「私をくいとめて」は、ここから、ヒントを得たのか!と思ってしまったぞ!-
・コッコちゃんが、団地の隣に住む在日三世の吃音の少年ぽっさんに興味を惹かれて行くシーン。
ー 西加奈子さんが拘って書いているテーマである。ぽっさんのお母さんを演じた、美しき中村ゆりさんも在日韓国籍である事を表明しているが、それはこの映画では主題ではない。-
コッコちゃんは、純粋に吃音の少年の自分にはない、名前が二つある事に興味を持つのである。
■白眉のシーン
・クラスの中で、目立たずに過ごしていた女の子の机の中の紙切れに書かれていた”死ね”と書かれた大量の紙切れが、コッコちゃんと出会った後に、夏休み明け、コッコちゃんが不思議に思っていた言葉に変わっているシーン。
その女の子の髪型も、口角が上がった顔が分かる様に変化している。
<コッコちゃんの大家族が中華の円卓を囲むシーンはとても良い。
そして、その中でコッコちゃんのお爺さんを演じた、故、平幹二朗さんもとても良い。(コッコちゃん達が交わす言葉を英語辞典で確認する姿・・。)
コッコちゃんの、お父さん(八嶋智人)とお母さん(羽野昌紀)が、”子供が出来た!”と告げる姿に最初は違和感を感じていたコッコちゃんが、一夏の経験をして、お母さんのお腹に耳を当て、生命を感じるシーンは、沁みたなあ・・。
素敵な物語であると思います。>
理屈ではなく当たり前の普通のことが嫌いで自分の知らないことに何でも...
理屈ではなく当たり前の普通のことが嫌いで自分の知らないことに何でも好奇心旺盛なこっこ。
そんな性格が時には人を傷つけることも。その時におじいちゃんから人を想いやるイマジンの大切さを教わる。そんな少女こっこの成長の物語。
いつもこっこの側にいるぽっさんが泣けてくるほど心が優しい男の子。
描かれていることはとても深く、人として大切な気持ちを教えてくれます。
出てくる家族や友達も個性的でおもしろく、心温まる映画でよかった。
真似っ子こっこのひと夏の成長
・こっこ(芦田愛菜)がふてくされて部屋のドアを足で開けるフォルムがクソガキ感が出てて笑った
・辞書でイマジンを教えたじいさんの孫たちに向けるやさしい眼差ししが印象的
・学期終わりの下校時の荷物の多さはあるあるだわ
・小学校のあちこちでよくボーッとして空想してたなー
・三つ子の同級生いたわ(やすちゃん、かっちゃん、のりちゃん)
・変質者っつーかうちでは「ふろーしゃ」って呼んでよく校庭の水道を使いに来てたな
・じゆうちょうに書き留めた散文の切れ端が、引きこもりがちの少女の変わるきっかけになるエピソードは泣いた
・顔にのせるうさぎや鹿などCGはクソ下手だった
幸福感溢れる作品でした
円卓って中華料理屋によく置いてあるアレのことだったんですね。
一般家庭にこれが置いてある家ってあるのかな?
私は中華料理屋でしか見たことがないのですが、大家族だったら案外これは便利そうでありなのかも。
でもかなりのスペースを取るので、こっこが住むような団地でこれがあるのはやっぱり狭くてキツイのかな。
ただ円卓を囲んで皆で食事するシーンはほのぼの温かくて何か良かったですね。
嫌なことがあっても、おいしい食事を円卓で一家団欒でいただけば、明日への活力になりそうです。
それと適度な距離感を保ちつつ何かを共有することの素晴らしさ、その辺りもこの円卓に表れていたようで印象に残りました。
でも小学三年生のこっこには、大人が考える当たり前の幸せなんて知る良しもなし、と言うか普通が大嫌いなちょっと変わった女の子で、しかもそれを演じたのがまた天才少女芦田愛菜でしたから、尚更普通じゃない感が強調された印象で、とにかくインパクトは大なキャラクターでしたね。
逆に演技が上手すぎて、個人的にはあの頃の自分に重ね合わせることが出来なかったのがちょっと残念でした(苦笑)
とは言え、何で?何で?と大人の常識にとりあえず疑問を持つ辺りは、何かと考えさせられることも多かったです。
しかし小学三年生と言う年代設定が何とも絶妙でしたね。
男女の意識関係なく遊べるギリギリの年代だからこそ成り立った映画でしたもんね。
もう少し大人だったら、間違いなくこっことぽっさんはお互い恋愛感情が芽生えて好きになりますよ、でもそう言う感情に至らない最高の友情に心揺さぶられましたし、ホント年代設定が絶妙でした。
芦田愛菜の演技も素晴らしかったですが、吃音のぽっさんを演じた伊藤秀優もナイス助演でしたね、勿論他の子役達も総じて上手かったです。
こっこの三人のお姉さんを演じた青山美郷の一人三役ぶりも印象的でした、まさか同じ人が演じていたとは!
それにしても、子供の頃は大人が考えることが全然理解できませんでしたが、大人になってみると常識に支配されて、今度は子供の気持ちが理解できなくなってしまうのですから本当に不思議なものですよね。
人間ってホント複雑にできてるなと改めて実感。
イマジンすることによってこっこが成長していく姿には心動かされつつも、こっこの好奇心旺盛な部分はずっと残っていて欲しいなと願わずにはいられませんでした。
ちなみに我が家のカルピスは相当薄かったです(苦笑)
期待してたから分…
映画公開のころから
みたいなみたいなと思っていて、
やっとレンタルショップでDVDを見つけ、
わくわくしながら観賞し始めました。
出だしは、
やっぱりおもしろい借りてよかった!
とおもったのですが、
ほのぼの系だから仕方ないとは
思うのですが、退屈に感じてしまいました…
芦田愛菜ちゃんは可愛くて
映画中連呼する、うっさいぼけ!が
ほんとに可愛いかったです。
まさに、今しかない
愛菜ちゃん、まさにこの時にしか撮れない。いしだあゆみさん、との孫、祖母共演は2回目のはずですね。
現在の愛菜ちゃんは、もう少し大きくなって、お姉さんになってるから小3は難しいです。やはり、今しかなかった時に撮ったのでしょう。
映画自体の批評はおいといて
芦田愛菜ちゃんは確かに大人顔負けの女優だけど子どもである。
感受性の強い子どもには知らないほうがいいことが絶対にあり、
変態小児性愛者の被害者みたいな経験は、映画の役柄であってもさせたくない。
まあそれを言ったらこういう映画作れなくなるけど、でもなあ…
物語としての絶妙な歪みがくせになる!
二回みました!一回目はキャストの演技に圧倒されるばかりで(笑)ちんぷんかんぷんだった。なのに、二回目になると、展開が読めないのにつながってて。ありえないような、ありえるような。共感できるような、できないような。いろんな切り口ができて、解釈がうまれるなぁ、と感じました。こっこはどんな大人になるんだろう、想像できない(笑)
個人的なことでは、私はこっこのような自由さがあっただろうか、とか思ったりしました。自由さというより好奇心と言うべきなのかな。
芦田愛菜
行定勲。芦田愛菜さすがに器用。ちょっと凄まじく、まんまダコタファニングのようで滑稽ですらある。ヤンキー系の女優になる姿が目に見える。ただし芦田愛菜が悪いわけでは当然なく、器用な子役を器用にしか見せれない幼稚な監督の手腕が問題だ。君はお引越しな田畑智子を、ションベンライダーの河合美智子を、そして人生はつづくのあの少女を見たことがあるかという話。
いつもと違う芦田愛菜だよ!
小学3年生の琴子。通称こっこ。
大阪の団地で両親、祖父母、三つ子の姉と暮らし、夕食時は家族皆で円卓を囲む。
こっこは普通の事が大嫌い。
吃音やものもらいや不整脈を患うクラスメイトに憧れ、真似して。
何にでも興味を持ち、気になった事はジャポニカ学習帳にメモ。
性格は小生意気で、口が悪く毒舌家。
そんなこっこを演じるのが、芦田愛菜。
愛くるしく、よく泣く演技で子役にしてシリアスな役が多い芦田愛菜の、これまでのイメージを覆す活発な役柄が新鮮!
元々、大人の俳優にも引けを取らない演技に定評あったが、今回の演技力の高さにはひときわ驚かされる。
「うっさい、ボケ!」「黙れ、ヒラ社員」「凡人め」などなど関西弁でまくし立て、まさか芦田愛菜の口からこんな台詞を聞くとは。
「ウチのマネージャー、使えないんだ」なんて台詞もいずれ言いそう?(笑)
人と違う事が、「かっこええ!」。
でも、不整脈を患うクラスメイトの真似をした時は、さすがに先生にマジ顔でたしなめられる。
何で?
お母さんが妊娠。家族は大喜び。
でも、こっこは嬉しくない。
別に嫉妬じゃないけど、何がそんなに嬉しいの?
この年代の子なら誰もが抱く「何で? 何で?」の好奇心。
もう可愛いだけの幼子じゃなく、色々考えるようになって抱くモヤモヤとした感情。
それらをあくまで子供目線で実に巧みに描写している。
こっこのひと夏。
多くの体験をしたイマジンなひと夏。
こっこの家族には、個性派揃い。中でも、羽野晶紀お母さんと平幹二朗おじいちゃんが好演。
クラスメイトも皆、巧い。
特に、親友で吃音症のぽっさんの内向的だけど優しい雰囲気がイイ。
もっとコテコテの関西コメディと思ったら、笑いと涙を織り交ぜ、感受性のある仕上がり。
同じ西加奈子原作の「きいろいゾウ」は退屈で仕方なかったが、行定勲の演出も冴え、好編に。
文部省推薦にしてもいいくらいの児童映画の良作。
『遠くの空に消えた』から全く新しくなった幸せな映画
行定勲監督といば『遠くの空に消えた』で田舎の子どもたちの“イタズラ”を描き心地良い時間を見せて頂き、子どもたちの映画を撮らないかなーと思っていたら、芦田愛菜!?と聞いて正直「えー…」となりながら劇場へ。冒頭の芦田愛菜にワクワクさせられ、愉快な友だちの登場でワクワクさせられ、担任の先生にヒヤヒヤさせられ、完全にペースを作ってくださり、それは間違いなく芦田愛菜を中心にまわる素敵な輪っか。孤独や死に憧れるこっこを愛する家族と、同じくこの世の謎に挑む同じクラスの友達と、なにより心から悩み悩み「なぜ?」を追求する逞しい少女こっこが最も難しいなぜ?である人間関係を紐解こうとするも解けない。紐解こうとすらしらなくなった我々には彼女の逞しさが輝いて見え、考えさせられる。
全32件中、1~20件目を表示