「ミニマムで個人的な執念が世界に触れる」ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! ひなひこさんの映画レビュー(感想・評価)
ミニマムで個人的な執念が世界に触れる
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主人公の執念が空元気というか哀愁を帯びているのは序盤から匂わせていただけに終盤改めてその哀しさを懺悔させたのは明らかに蛇足。
彼は世界を救おうとか、生き延びようとか、映画の主人公に相応しい耳障りが良く、しかしてフワフワして生活に根を張らない大義名分を持たず、ひたすらミニマムで個人的な(そして空しいほどに後ろ向きな)執念を行動原理としていて、基本的に重要問題である「宇宙からの侵略の阻止」にはびっくりするくらい関心がない。
しかし、現実の我々だって日々ニュースで流れる壮大な世界情勢や社会の激動は本質的に自身のリアルな生活とは無関係なはずなのに、世界との繋がりを希求するあまり、いかにもそれを「自身の問題」とすり替えて世界に参加してる気になってる僕たちとどっちが不健全なのか。
もっと自分の矮小な足元を直視しなさいという厳しいメッセージにも読み取れた。
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