「生涯No1映画」ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! tさんの映画レビュー(感想・評価)
生涯No1映画
なにも観たいものが無い時にこの映画を観るってぐらい好きな作品。
ダメ男が復活するコメディはよくあるけれど、この映画はその類のとはちと違う。誰が観ても分かるけど、根底にあるのは「ボディ・スナッチャー」と「ゾンビ」そして「ファイト・クラブ」。これらの映画では、既成社会という繭の中で何も考えずにどっぷりと適用できている多数派の人たち(a.k.a リア充)の象徴が、ゾンビでありサヤ人間。だからこそ、社会でクズ呼ばわりされていたり、マイノリティ属している人は、ホラー映画に共感する。
週末やることねーからアテもなくショッピングモールや映画館(笑)でぶらぶらデートしてんだろ?お前ら全員ゾンビみてーなもんじゃねーか!ゾンビならぶっ殺しても良いよね?という理由でゾンビ映画は作られている。
この映画は、この精神をキチンと継承しているから、
だからこそ、主演のサイモン・ペッグは人間のクズ(アルコール依存症)で、その相棒のニック・フロストは社会の中で生きることに疲れてしまった男、という設定。
だからこそ、この映画に出てくるゾンビはブランク(空っぽ)という名前。
ニック・フロストが「I fucking hate this town!」と叫ぶシーンは明らかに人間社会に向けて言われているよね笑。
劇中冒険を経るうちに、この2人は活き活きとした自分を取り戻していく。
だからこそ、12軒目の「世界の終わり(パブ)」における2人の喧嘩シーンだけはシリアスに描かれていて、本当に泣ける。俺にはこれしかねーんだ!ってとこで号泣します。
ラストシーンは、現代社会でもてはやされている、インテリやテクノロジーや利便性に対して、「Fuck off!」と吐き捨てて終わる。
宇宙人との親玉との対決で、口喧嘩で勝利する笑。
あと、この映画にはファイト・クラブエッセンスも含まれている。表面的にはコメディで、みんな気づかないだろう。誰にも気づかれないように社会批評をする。これ凄いことだよ。
所々に出てくる「スタバ」批判。大麻ハウスでブランクであるかどうかを見分ける際に、主人公達は互いに身体の傷を見せ合う。傷があることこそ人間である証だ!というシーン。ラストでブランクの親玉が「俺たちの世界ではみんなが勝者だ」という、あたかもブランド広告に使われていそうな文句で、主人公達を誘うところ。それに対して、「Fuck off!」と吐き捨て、拒否。「地球をスタバ化すんじゃねぇ!」ってセリフまである始末。最後は、大爆発により文明が吹っ飛んで、良い世界が来ました🎶というオチ。(しかし、多くの観客はこれらの社会批評性には気づかない。だってコメディ映画だもん。だから凄い。)
これどう観てもファイト・クラブや。はファイト・クラブのタイラー・ダーデン大先生の教えではないか。。。
社会に適応できない人にとっては、まじで結構泣ける映画ですよ。僕みたいなね・・・。
今のところ生涯ベスト1です。