「決戦のゆくえ」るろうに剣心 伝説の最期編 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
決戦のゆくえ
「〜京都大火編」に続く、シリーズ完結編!
ストーリーも登場人物もそのまま繋がっているので、開幕早々からすんなり作品世界に入って行ける。
浜辺に打ち上げられた剣心はかつての師・比古清十郎に助けられ、奥義会得の為、厳しい修行を積む。
一方、巨大甲鉄艦で東京に現れた志々雄は、国盗りを開始しようとしていた…!
完結編の話題はあちこちで言われている通り、アクション!
その激しさは前2作を凌ぎ、前半の修行シーンを除けば、ほぼバトルに次ぐバトル。
さながら“決戦のゆくえ”だ。
VS蒼紫、宗次郎との第2ラウンド、そして志々雄との宿命の最終決戦…。
極めつけは、志々雄VS剣心、左之助、斎藤と後一人(ネタバレになるので敢えて名前伏せ)という一人対四人。
幾ら何でも志々雄強すぎるやろ!…と思いつつも、ラスボスに相応しい圧倒的な強さ。
仲間が力尽き、剣心も満身創痍になりながらも、会得した奥義を繰り出す…!
打倒志々雄の為に、かつての師の下で過去な修行を積むのが前半の要。
ただの話題集めだけの特別出演だと思っていた福山雅治が案外悪くなく、カリスマ性もたっぷり。
自分は何の為に戦うのか、何を守りたいのか、“不殺の誓い”はただの甘い理想なのか…。
自問自答しながら、命懸けで奥義を会得しようとする。
完結編は、エピソード豊富な「京都大火編」に比べ物語性に欠ける、とのレビューもあるが、シンプルなのだ。
前半修行、後半バトル。
剣心の苦闘の内面、政府の愚かさもきちんと描かれ、ドラマ的にも決して疎かではない。
特に、一度敗れ修行をするなんて、ジャンプ世代にとっては堪らぬ盛り上げ方だ。
3部作を見事背負って立った佐藤健、メイクと包帯で窮屈ながらも堂々たる存在感と激しいアクションを披露した藤原竜也他キャストたち。
スケール豊かなエンタメ性を保ち続けた大友啓史監督、邦画史上記憶に残るアクションを演出したアクション監督の谷垣健治他スタッフたち。
作品に携わったスタッフ・キャスト全員に改めて賞賛と労いの言葉を贈りたい。
何かとディスられる事の多い漫画の実写化や邦画アクション。
しかし、本気を出せば日本映画でもここまで出来る事を証明してみせた稀有なシリーズであった!