そこのみにて光輝くのレビュー・感想・評価
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そこのみ
どうしようもなく、逃げ場がない生活
どん底
今ならきっと福祉の手を借りられるはずだけど、何をどうしたらこのどん底から抜け出したら良いかわからない家族。
キャストが良い。
菅田将暉さんも人懐っこい役がハマるし、
池脇千鶴さんは子役から知っているけど本当に大人になって、仕草、表情、全てが千夏だった。
綾野剛さんは役のためにわざと函館の街で毎晩飲んで、顔を浮腫ませて挑んだとありました。
もちろん自身も事故で重いモノを背負っているけど、千夏の家族と前向きに生きて行けたらよいね。
『きみはいい子』の池脇千鶴さんを観てからこの作品を観ました。ギャップが凄い。
全国で公開されなかったんですか?アマプラのおかげで観ることができて良かったです。
不幸体質
作品のテーマも演者も良かったと思うんだけど、テンポの悪さが目立った作品。
やけに情緒的で抽象的なシーンが続いたかと思えば、いきなり飛躍したり。
分かるんだけど、なんか違和感…な感覚がずっとつきまとった。
なんとなく良い話っぽくしてるけど、達夫は悪魔みたいなもんだよね?と。
拓児と千夏は貧しいながらも安定した生活を送っていたわけで、
そこに外から達夫がやってきて、悪気なく「オマエラは不幸だ」ってことを突き付けて。
だから達夫のそのへんの葛藤というか、ケジメみたいなもんをもっとちゃんと描けば
もっと希望のもてる物語になり得たのかな、と思う。
赤いママチャリ、拓児!
拓児と千夏が親と住んでいる家を見て、「ヒミズ」の染谷将太演じる男の子が住んでる家とその周辺の風景を思い出した。それで胸が痛くなり辛かった。でも、拓児が人懐っこくて可愛くて、服も髪型もキャラクターにぴったりで、いつでも美味しそうにモリモリご飯食べていて、救われた。菅田将暉、上手い!音楽と照明もとても良かった。
達夫は千夏に一目惚れした。綾野剛、巧いなあ。千夏が海に入りたいと言ってたから、千夏に謝りたかったから、達夫は泳ぎに来た。千夏は服を着たまま達夫のところまで泳いできて、海の中で笑顔でキスをした。
達夫に抱かれて達夫を抱いて、千夏は自分の体が清められていくように感じたのだと思う。だから、長いラブシーンだったけれどその意味が伝わった。自然で素直で美しかったし、千夏の思いがわかったから。だから早送りしないでそのまま見ることができて嬉しかった。千夏と達夫の笑顔はとてもいい。池脇千鶴(初めて知った)と綾野剛、とても良かったです。
堰を切って
うちの会社の同僚、
ヤマアラシくんです。近づく人間を刺して傷つける。
「自分を大切にしてくれる相手に対して、どこまで相手を傷つければ自分を嫌いになって見捨ててくれるか」を彼は始終無意識に実験してしまう。
そういう人生をやっている。
破壊願望がある。
その彼にかけた一言で、彼かシクシクと泣き出したことを思い出した。
子供のようにずっと泣いていた。
その後?
彼は堰を切っても、もっと高い堰を作ったね。
優しくされたくない生い立ちを、凄まじく負っている人もいるということで。
これからも生きていく
これまでは、一人で生きてきた。
これからは…自分の眼差しを受け留めてくれる人、そんな人がいれば…。
途中から、三人の中の誰かが死ぬバッドエンドを想像してハラハラしていた。
手放しのハッピーエンドではないけれど、
終わりと始まり。そんな予感を持たせるラスト。
達夫が初めて千夏を見た時。
ああ、雷に打たれたような一目ぼれってあるよな、
そんな描写が、大仰な台詞や演出ではなく、とつとつとした日常の中で表現される妙。
そんな出会いをした女は色々抱えており、
そんな思いがふつふつと胸に燈った男も抱えるものがあり、
それでも少しずつ距離を詰めていく様が愛おしい。
その二人のキューピットになるはずの弟は、何が起こるかわからない危うさをまき散らす。
だのに、姉と達夫を好きな様だけはビンビンに伝わってきて愛らしい。
その三人を取り巻く脇も手堅く締めてくださる。
息をするのさえ、苦しくなるような日々。
その中での、些細な、しかし明かりが灯ったような幸せ。
それなのに…、いや、それだからこそかの展開。
そして、
ラスト、二人を包み込む輝きが尊い。
幸あれとこんなに願った映画があったけ?
見る人は選ぶと思うが、珠玉の一本。
繋がりの深さ
寒い地方の、ある場所の、決して裕福ではないある家族と、
一人の男の出来事を見させてもらいました。
やっぱり、生まれ育った最初の環境って、血じゃないけど、抗えないのかな…。
そこから抜け出して、別の場所で輝くことはできないのかな…。
家族のつながりの深さが深い分だけ、なんだよな…。
なんだか切ないです。
切ないけども、観終わった後、厚い雲の隙間から光が見え始めてる、そんな気分になりました。
いやぁ~、そして、菅田将暉と池脇千鶴が、ものすごーーーーく、良かった。
菅田将暉は、菅田将暉ではなく、この低所得な中で、なんとなくタラタラ生活してる拓児という若者だった。
池脇千鶴は、脱いだことばかりをクローズアップして話題作りをしなきゃいけない、
そんな女優たちと一線を画す、本当に素晴らしい役者の一人だなぁ...としみじみ思った。
少女から大人の女から母性まで、全部見せてくれた。
綾野剛の達夫も良いのだけど、なんだろう、拓児と千夏にずーっと引きつけられていた。
この人たち、マジ、すごいわ。
だから、私の中で、この作品で主役に順位をつけるなら、
菅田将暉→池脇千鶴→綾野剛です。
カットのリズムが好みではないけど、主演・池脇千鶴の演技はすばらしい
鉱山系の仕事で部下の死亡事故を起こしてトラウマを抱えた男性が、無職で街で生活していて、パチンコ店で知り合った刑務所出の男性と知り合う。その姉と恋仲になる。
その家庭は脳梗塞で寝たきりの父親、無職の母親を抱えた底辺の暮らし。姉は身体を売り、弟の勤める会社の社長と不倫している。
映画のリズムがなく、少々退屈だった。底辺に行きつつも明るさがなく、共感できない。そこに光も感じにくい。姉役の池脇千鶴の演技はすばらしかった。
一つのシーンの時間が長すぎる
テンポが悪すぎるのとストーリーと人物がうすベラすぎる。
この物語に2時間はいらないと思う。
きれい風景描写で時間を費やしてるように見える。
主人公たちがこういうブレブレな人たちだから貧困と絶望に陥ても仕方ない。負の連鎖を打破するところか作り出してる。こういうバカで悲惨な人たちもいると理解すべきか、人物描写に不自然なところが多いと認識すべきか。
きれいで重くて救いようがないような映画割と好きの方だけどこれは何故か合わなかった。
役者さんたちに頼りすぎてなんか可哀想に思った。
私は好きな映画です。
私はこの世界観が好きです。最初はショックをうけました。でもその後、思い出したように見直してしまいます。どんな境遇でも人は生きていかねばならないし、どん底でも救いを見いだそうとする力を感じます。
傑作ではない。駄作でもない。役者は何一つ悪いところはない。函館でな...
傑作ではない。駄作でもない。役者は何一つ悪いところはない。函館でなくとも、2014年に撮らなくともよいのが表に出ていた気がする。監督が芝居に夢中になりすぎたのかな。
そこのみにて光輝く、ラストカットはまさにそれを美しく象徴する素晴ら...
そこのみにて光輝く、ラストカットはまさにそれを美しく象徴する素晴らしいシーンだった。真っ暗の中にも少しでも光るものがある、その大事さをしっかり描いていた。俳優さんの演技も大変素晴らしかった。
メインの四人は皆良いね
池脇さんには『ジョゼと虎と魚たち』『きみはいい子』で二度驚かされてきたので、今回は何があっても驚かないぞと気合をいれて鑑賞。どうしようもない閉塞感の中で足掻き続ける人物たちは、観続けるのが辛くなる時もあったが、ラストシーンの美しさに個人的には救われた。それと菅田将暉の演技を初めてちゃんと観たが、エキセントリックだがどこか憎めない愛嬌のある人物をうまく作り上げていて、この後怒涛のように出演作が増えていったのも納得した。妻夫木聡のような立ち位置でいてくれたらと思う
あと呉美保監督の次回作を待っている。できるまで待っている。
重くて悲しいだけ
内容も原作も知らずに鑑賞。
うーん。
救いの無さ。貧困、営み、性。ドスーンと重たく、ラストが来ても光り輝くとはならないかった自分には。その後も永遠にスパイラルから抜け出せないだろう。ただひたすら救いのない物語にしか思えなかった。
役者の頑張りは強く感じた。池脇千鶴の演技は映画を背負う気合が感じられたし、菅田将暉のキャラ立ちっぷりは光った。(綾野剛はいつもの綾野剛という感じだったけど)。
この物語を描くことで何を伝えたいのかはわからずじまい。地方の貧困さの中にあってもそこで輝け?全てをとっとと捨てろよ!としか思えなかった。愛というよりエゴイズムを感じる人物ばかりに見えた。良い映画とも思えませんでした。
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