「文学だった。」そこのみにて光輝く asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
文学だった。
映画と言えば 実は 日本のものはずっとこんな感じだった。
日本の映画界って こういう暗さを描いてこそ、という時代があった。
映画の世界には こういう ギリギリを生きてる人を描く事こそが芸術だという時代があった。
だから
洋画の明るさと豪快な笑いや美しい恋愛に惹かれた。
高度成長期の頃
サラリーマンはガムシャラに働き、小さな公団住宅でささやかな幸せを得て、普通である事 に満足した時代。
その上には戦後の成金が存在し
一方では、その普通さえつかめない人々もいた。
はっきり言うと
こういう映画は ウンザリだ。
人間を描く事をとことん追求した汚さが嫌いだ。
始終 タバコを吸い続け
先のない両親の姿を見続ける。
底抜けに明るい弟は
清濁 併せて飲み込めるはずの日常を暮らしていたはずだった。
その弟が屋台のたこ焼き屋のピックを手にした時
見ている側も一緒になって「刺してしまえ!」と思う。
こういう風にしか生きられないと思い込んでいる姉。
その姉が横たわる父親に手をかける時
死んでくださいと思う。
21世紀の今では
半ば古典化した こういう物語において
なんとなく 匂いを感じる世代であるからこそ
あまり見たい物語ではない。
原作者もそうだ。
芥川賞に5度ノミネートされながら受賞を逃した不遇の作家って、だからなんで 死ななくちゃいけないのか。
同世代の村上春樹氏はノミネートすらされていない。
令和となってしまった今
この 丸ごと昭和の話は
その匂いを知っている者には 目をそらしたくなるものなのだと、見ながら心底 思った。
※アマゾンプライムにて視聴
きりんさん
こちらこそ どうぞよろしくお願いいたします。
アポロ11号の着陸って
深夜だった予定で、みんな夜中まで起きて、でも全然映らないから寝ちゃって。
まさか翌日の昼とは思わず。
それをずっと後世に漫画20世紀少年で知ったという私です。
学校で見せてくれたって なんて素晴らしい学校でしょう!
こういう体験は子ども心に深く残るのでしょうね、羨ましい限りです!
”昭和の匂い“
あまりに自分に近い匂いがすると映画が”娯楽“じゃなくなってしまう・・その感覚解ります、同感です。
この映画、見ましたがレビューは書きませんでした。口に苦いものがこみ上げる作品は 僕は絶句してしまうもので(笑)
週に3台DVDを借りています、洋画、邦画、そして”お口直し用“のどうでもよいお気楽な作品ですね。
asicaさんのレビューをひとつひとつたどっています、
アポロ世代の御同輩!そして同じ夜なべ職人かな?
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
きりん