「松竹伝統の人情喜劇、コテコテでした」あさひるばん スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
松竹伝統の人情喜劇、コテコテでした
予想以上でもなければ予想以下でもない、ホント想像した通りのコテコテ昭和人情喜劇でしたね。
でもまさしくこれぞ松竹伝統の人情喜劇って感じで、嫌いではなかったです。
何かひと昔、いや、ふた昔前ぐらいにこんなのよく見かけたぞ的な、昔懐かしい作風がどこか心地良い部分もあったりで、まあ今の時代には全くウケないでしょうが、個人的にはまあたまにはこう言うのもいいなと思えるようなザ・昭和の人情喜劇でした。
監督さんは釣りバカシリーズの原作者なんだとか?
私自身は釣りバカシリーズはほぼ見てないに等しいので何とも言えないところですが、釣りのシーンを入れたり、西田敏行が出演していたのは、その流れがあったからなんですね。
でもおまけ的と思いきや、釣りのシーンや西田敏行の役どころ・演技に関しては思いのほか作品の質を上げるに十分な内容だった印象で、さすが分かっているなと、妙に感心させられました、そして最後は西田敏行お祖父ちゃんに思いっ切り感動させられましたよ。
ただ作品全体を見渡せば、特筆するほどの出来ではなかった印象ですかね。
いくら釣りバカの原作者とは言え、70過ぎて初監督作、手堅いと言えば手堅い人情喜劇でしたが、もしシリーズ化されたら是非続編も見たいと思わされるほど心動かされる内容では無かったかなぁ。
あさひるばんの3バカ?トリオが、正直そこまで魅力的には思えずで・・・。
年齢設定に無理があったのは、まあ國村隼のさすがの演技力で十分カバーも、結局この3人による笑いや感動ポイントはそう多くなかった印象で、もう一つ魅力に欠けたような・・・特にばんを演じた山寺宏一の演技が個人的にはちょっと苦手でした、声優としては大好きなんだけどなぁ。
でも学生時代の憧れのマドンナへの思いとか、その娘との交流は基本面白かったですよ。
意外と言っては失礼ですが、娘役の桐谷美玲が思いっ切り嵌り役だった印象で、それは3人がそれぞれ父親だと名乗りたくなるのも物凄く納得の存在感でした、バレバレな本当の父親の存在も何か良かったですね、彼には勝てないもんな、この3人では(笑)
マドンナ役の斉藤慶子、その少女時代を演じた竹富聖花(現:春花)、そして娘役の桐谷美玲のリンク具合も最高でしたね、この部分に関してのキャスティングはホントお見事でした。
まあとにかく、コテコテの昔懐かしい人情喜劇でしたけど、こう言う懐かしさ溢れる作品も、たまにはいいものですねぇ。