テレーズの罪

解説

ノーベル賞作家フランソワ・モーリアックの同名小説を、オドレイ・トトゥ主演で映画化。1920年代のフランス南西部。政略結婚によってデスケルウ家の当主ベルナールの妻となったテレーズは、愛のない結婚生活や堅苦しい家族制度に息苦しさを感じはじめる。やがてテレーズは、親友でもある夫の妹アンヌが若い青年と恋に落ちたことに刺激され、現在の生活から逃れたいという思いを募らせていく。名匠クロード・ミレールの遺作となった。フランス映画祭2013で「テレーズ・デスケルウ」のタイトルで上映された。

2012年製作/110分/フランス
原題または英題:Therese Desqueyroux

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映画レビュー

4.0罪を憎んで

2023年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

繊細でアンビバレントなヒロインをオドレイ・トトウが好演してました。登場人物が全般的に煮え切らないというかはっきりしない造形でもどかしい感じがするのですが、却ってそこがある意味陰影となっていてうまい演出だと思いました(監督の技量が不足で、はっきり作りこめなかったのが怪我の功名になってるという可能性もあります笑)。テレーゼが次第に周囲から浮いた存在になってきて彼女の屈折が深まってくることを暗示する効果がありました。
原作はモーリアックの小説です。これでノーベル文学賞をとっています。原作はもっと書き込まれていてテレーゼがなぜあの行動をとったのかがもう少しわかるようになっています。映画ではこの部分(を含めて全体)が結構薄まっているんですが、それなりに丁寧に伏線は張られています。事件の後の登場人物の心の揺れなどもうまく表現されていたと思います。秀作です。

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arlecchino

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