インターステラーのレビュー・感想・評価
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クリストファー・ノーランの脳内どうなってるの
クリストファー・ノーラン作品は観る度にどういう脳だったらこのような物語、設定が思いつくのか。新しい作品を観る度にいい意味でため息が出る。
この作品も天才が作っているがゆえの難解な物語なのか。とても好きな監督で尊敬しかないが毎回感想の一つとして「こんな感じの理解であってる?」という一言がどうしても出てしまう。
今回も設定は地球に住めなくなった地球以外の星を探す…と簡単なものだが見進めていくほどに理解が及ばない。ただ理解できない部分が有っても観終わると面白かったという感想になるのがクリストファー・ノーラン作品の凄いところで、私自身あまり堅い作品は観ないがノーランは別である。
娘と離れる辛さで泣き、近くにいられない中で年齢を重ねていく子供たちを見ていくシーンで大号泣。相対性理論という言葉は知っていて自分に置き換えることができないものだと思っていたが映像にされるとこんなにも感情移入をしてしまうものか。これから相対性理論の見方が変わってしまうではないか。
マッド・デイモンが出てきたときは驚いた。
理解するためにもう一度観たいが次は誰かと私のための理解するための鑑賞会にしたいところだ。
※クリストファー・ノーランやばい。と仕事仲間と盛り上がった。
妙に評価高いけどまあ普通
異常にに評価高いですが、それほどでもない。普通によくわからないし。
でも評価が高い理由はよくわかる。何となく哲学的で深遠な雰囲気が高く、必ずしもきちんと理解してはいないけど、こういうのを傑作というのがイケてる、ということでしょう。
何十年か前の2001年の扱いがちょうど同じでした。あれは「ぴあ」の読者投票から始まったけどね。
面白いが科学考証めちゃくちゃ
宇宙ものの映画は名作であってもほとんどが科学考証めちゃくちゃなので観る者のスルー力が試される。少し科学に詳しい人は、ワカチコワカチコ言いながら観れば楽しめる。気にしたら負け。
ただ、エセ科学映画だとしても、最低限の考証はしてほしいとも思うので指摘すると。地球が人が住めなくなり移住先を探すなら、移住先をテラフォーミングするより地球をテラフォーミングするほうが楽じゃない?と思われるような設定ではだめだと思う。
SFとしてセンスオブワンダーを感じないです。まあまあ面白くはありますが。
ストーリーとしてはまあまあ面白いと思います。
ただ、日本アニメの「ほしのこえ」「トップをねらえ」「涼宮ハルヒの消失」、ハリウッド映画だと「2001年宇宙への旅」「エイリアン2」「コンタクト」等々の焼き直し感が非常に強かったです。
古典SF小説なら「夏への扉」「終わりなき戦い」などが時間ものの系譜があります。
つまり、SFとして一番大事なセンスオブワンダーを感じるかと言えば、類例が多すぎてうーん、となってしまいます。長すぎること、愛情を描くためにキャラを歪ませていることなどを含め、つまらないとはいいませんが、あまり高く評価できませんでした。
SFリテラシー(要はSFの読解力)が必要な本作は普通はマニア向けだと思いますがこれだけ評価されているのは「愛」を描いているからだと思います。ですが、SFと愛を絡めてストーリーを作るのは日本アニメの得意分野ですからね。その点でもやっぱり「『ほしのこえ』じゃん」という印象が強くて、目新しさを感じませんでした。
最近のハリウッドのストーリーって日本アニメやコミックの影響がすごいですから、意外じゃないし、お互いが影響しあうのは悪い事じゃないので、全然かまいませんけど。それにしてもエンタメすぎるほどエンタメの本作がちょっと過大評価されすぎかなあ、と。
評価がかなり高いので楽しみにしていましたが、長すぎることも含めちょっと期待外れでした。
飢餓、宇宙、時間、次元、物理、扱う内容は難しいものばかりだがなぜか...
飢餓、宇宙、時間、次元、物理、扱う内容は難しいものばかりだがなぜかスッと頭の中に入ってきて理解できる。
この映画の世界の中に引き込まれていく。
そして、守りたいもの、家族、愛、死、そんな人にとって身近でかけがえのないものがどれだけ大切で実は大きいものなのかと気づかせてくれる映画。
毎年1度は見てしまうけれども、毎回涙なく見れたことがない。
こんな映画に出会えてよかったなと思います。
難解でもなく、またポップすぎることもない。
大切なものがある人にこそ見てほしい映画です。
タイトルなし
エンターテイメントを求めるだけであれば、物足りないでしょうね。
淡々と進み、何かが起こり、そしてまた進んでいく。どう閉めるのかと思えば、こう締めましたか。
非常に楽しめました。愉快・痛快って訳ではないので、あしからず。
ノーラン監督作品だったのか
詳しいストーリーなど見ないで鑑賞
久しぶりに当たりの映画だった
地球の最後が近づいているのを乾燥した砂嵐とどこまでも続くトウモロコシ畑で表現
雑多な辻褄が合わないところも気にならない
あーそうなんだと納得できてしまう手腕
監督は誰だろうと調べてみたら
クリストファーノーランだ
苦手意識の先入観は捨ててこれからも映画鑑賞を続けようと心に刻んだ
一度見ただけでは気づかないインターステラーの表設定+裏設定
インターステラー見ましたか?めっちゃ面白いですよね。
どんな話だったか覚えていますか?
なんか地球温暖化で地球に住めなくなって、宇宙に行く…ブラックホールとか重力みたいな話?
インターステラーは壮大なスペースオペラ、親子の絆ものの映画なのですが、クリストファーノーラン監督が映画の背景となる舞台設定にも趣向を凝らしているので解説していきたいと思います。
①表設定:時代設定
『2001年宇宙の旅』の時代設定は言うまでもなく2001年です。では、インターステラーはいつの話と設定されているのでしょうか?
正確な年は決まっていませんが、主人公の父が「私が子供のころは人口は60億人だった、毎日が新しい発明にあふれていた」と言っています。
彼の年齢はおよそ60〜70歳の様に見えます。彼のセリフの「子供の頃」とはおそらく10歳前後を指しているのでしょう。
地球の人口が60億人だったときは1998年です。
1998年:10歳
60歳:2048年
舞台は2048〜2058年ごろの設定とわかります。
余談ですが、この映画の発表年は2014年です。このおじいさんは20代視聴者の将来の姿です。
②表設定:舞台設定
この映画は今から約30年後の未来を時代設定としていますが、
1、世界は第三次世界大戦を経験しており
2、環境問題では砂嵐が吹き荒れ、地球に人間が住めないほどになりつつある
この映画の中で第三次世界大戦が言及されるシーンは多くありますが、インド空軍のドローンを捕獲するシーンでは10年前に空軍が解体されたことがハッキリと書かれています。
インターステラーの世界は定期的な砂嵐が発生しており、主要な農作物を枯らすウィルスが蔓延しています。
この設定は「地球温暖化がこのまま進むとこうなる」という見方もあると思いますが、気候変動だけで30年後に環境はここまで荒廃するでしょうか?
以下が私の解釈です
第三次世界大戦によって、敵国の主要都市または国土全体が爆撃を受け廃墟になり砂嵐が発生。崩れた大量のコンクリートのビルがその嵐に削り取られ、砂嵐を巨大化させた。
この他大陸で発生した砂嵐がアメリカ大陸に届く、というSFなのではないかと私は考えています。
また、農作物を枯らすウィルスは敵国の化学兵器なのかな?とも考えましたが、わざわざ人間の悪意を入れずとも、このように考えることができるのではないでしょうか。
敗戦国での農業は農薬・化学肥料・水資源の不足、また大規模な砂嵐で傷つき枯死する農作物が多く、その中からはカビなどのウィルスも多く発生する。
ウィルスは砂嵐に運ばれてアメリカに到達した。
現代の農業は規模が大きく、規模が大きければ強いウィルスが発生する確率も高くなります。
この様に考えた方が終戦後の資源が少ない世界で人為的にウィルスを発生させるより無理がないと考えました。
③裏設定:社会システム
2001年に人類は宇宙旅行を出来ませんでした。現在火星にすら人間は到達していません。
なぜかと言うと、コスパが悪かったからです。大金が必要なのは当然ですが、それを超えるような必要性がありません。
いずれ宇宙旅行は出来るけど、自分が生きてるうちには行けないかな…?と思う人が多いのではないでしょうか。
それではクリストファーノーラン監督がスペースオペラの映画を撮りたい!と思っても時代を21XX年に設定しなくてはいけません。
監督は舞台を現在から30年後とするために第三次世界大戦後の近未来という設定にしました。
しかしその設定の上で社会を描くと色々な辻褄合わせが必要になります。
ここでクリストファーノーラン監督は全ての辻褄をあわせる裏設定を採用します。
「第三次世界大戦後、アメリカは共産主義化する」
資本主義的な自由経済では環境破壊に歯止めがきかない
これが一番大きな理由だと思いますが、この裏設定で映画のあらゆるシーンに説明がつきます。
インターステラーでのアメリカ版共産主義のポイントです
①企業は全て国営になり、ほとんどの企業は解散させられている
②生活に必要なものは配給制
③国民の仕事は農業
④中央集権的な教育体制
以下に例を挙げてみました
服屋さん
おそらくインターステラーの世界で、服は古着・倉庫に在庫していた新古品を配給で配っています。服を作る企業が地球滅亡寸前の今必要かと言うと、着ることのできる服は山のようにある。
それが2050年ごろの世界を描いているはずなのに服装が未来的でない理由です。
家
家具がほぼ現代と変わらず、むしろ電化製品はほとんどありません。外に電線がありますが、あまり立派ではない。大規模の発電所はテロの対象になるので放棄されています。電機メーカーは国営化し一般人向けの製品は作っていません。扇風機などの個人で直せる様な古い家電は残っています。
車
未来の話なので電気自動車が走っているかと思いきや、普通のガソリン自動車です。新しく自動車を作るより既存の自動車を修理した方が環境に優しいです。また、燃料はガソリンかは不明ですが、バイオエタノールで走っている可能性もあると思います。
教育
小学校のシーンがありますが、アポロは月へ行っていないなど驚きの教育方針で、教科書は“改訂版”が使われています。プロパガンダ教育は完全にソ連のそれです。
ソ連での教育にも大学はありモスクワ大学などの超名門校もあります。ただソ連では集団主義教育というのがあり・・ざっくり言うと中等教育まで終えると学校での実力テストで、農民、研究者、スポーツ選手、軍人など進路が決められます。
反科学的な教育方針を責める主人公に対し、旧教育を受けていた学校の先生(黒人男性)は申し訳なさそうに目を伏せますが、新しい教育を受けた若い先生(白人女性)は何を言っているのかと目を丸くする対照の演技をしているのも面白いです。
ソ連版NASA
自由主義を廃して共産主義化したアメリカではNASAが地球脱出を研究しています。
よく共産圏の科学者は悪の組織とかマッドサイエンティストとして描かれますが、インターステラーは舞台が共産主義なのでマッドサイエンティストが出てきます。
アンハサウェイ(ブラウン博士)です。
ブラウン博士のどこがマッドサイエンティストかというと
受精卵を人工培養して人類の存続をはかるというモラル的に絶対ダメなことなのですが満面の笑みで説明してくれます。
国民は科学を理解していないので、科学者は孤独ですが、独立した環境で、ある程度の倫理問題は無視して目的へ直線距離的に進むのでこうなるのでしょうか。
学校のシーン同様、次世代であるアンハサウェイは「倫理的にダメ!」と言われると困惑した演技をし、老ブラウン博士は気まずそうな演技をします。
おわりに
ヴェルヌという人が書いた『十五少年漂流記』という小説があります。
無人島に流れ着いた少年15人がたくましく2年間を協力しながら生き抜くという冒険小説です。
数十年後、ゴールディングという嫌なやつがいて同じように無人島に流れ着いた少年達がたくましく生き…抜けないという意地悪な小説を書いています。
まず15人も子供達がいたらイジメられるやつが出てくるだろうし、子供がリーダーの言うことを聞いて仕事を続けられる訳がないし、夜には怖がりだす子供もいるだろう…などというツッコミどころに全部つっこんだ同人誌(2次創作)だと思ってください。
本作は『2001年宇宙の旅』が実現しなかった現在において、ツッコミどころに全部つっこんだ二次創作です。
三時間弱あるこの映画で、前半の40分(ロケット発射まで)を使って細かい設定が書き込まれているので、是非その点も見ていただければと思います。
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コメンタリーや設定資料を見ずにここまで書いてしまったので、間違いなど指摘いただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
人間味あふれる
寿命が近づき人間が住めなくなりつつある地球から脱出し、居住可能な新たな惑星を探す。
とても壮大でワクワクする設定。
相対性理論とかブラックホールとか5次元とか出てきて、とっても難しいけど、根底に愛があって、何だか良い映画。
いい意味で大変な映画だった
アマプラで視聴。名作だと聞いたので。
これぞ映画という内容だったと思います。
映像美もさることながら親子の絆の描き方や、最後の伏線回収などとても考えさせられた作品だと思います。
惜しむらくは自分の問題ですが、上映時間も気にせずふらっと見てしまったせいで集中できる環境と心づもりを整えていなかったことでしょうか。映画館で集中してみれば星も5だったかもしれないですが、自宅で見る際にはぜひ集中できる3時間を用意してからご鑑賞されることをおすすめします。
映像はカッコイイけど
ノーランをあまり過大評価しない方がいいと思う。この監督、どの作品でも大きく風呂敷広げるけど、結構イイ加減。風呂敷があまりにも大きいんで、なんか凄いものを見せられてる感が強いけど、それはこの監督が映画をヒットさせるために見つけたいつもの作戦で、あまり深く考察しない方がいい。なぜなら、監督自身があまり深く考えてないから。
惑星間を繋ぐもの
メディアも某有名人もこぞって「やっぱりノーランは違う」「ノーラン天才!」「最高ノーラン」と言うので、なんだか流れでこの方のすべての監督作品を観てます。構成とかはスゲー!!って思うのですが、エモーショナルな部分は揺さぶられることはそれほどなくて、どこまでも“理系”というのがこの方の作品の印象。テネットとかもはや「やりたいことやりました」みたいな印象でした。
そのなかで唯一感情を揺さぶられたのが本作。父と娘の関係性に、感動しました。息子の扱いは少し不憫でしたが・・・・
インセプションも個人的には多少エモーショナルな印象を受けましたが、設定が振り切れてたのと、ディカプリオの眉間に皺の演技が邪魔して感情移入しきれませんでした。
自分の中ではノーラン監督作品ベストです。多分、脚本に弟さんのエッセンスが入ると個人的にはハマる気がします。
完封されました。
ノーヒットノーラン みたいな…。
とても面白かったです。
最初から宇宙に行くまでの展開も早くて、終始テンポ良くて長めの映画ですが、退屈せず見れました。
インセプションも衝撃の面白さでしたが、これも◎
映画の最高到達点
宇宙旅行を扱った映画で、現時点で表現できるおそらく最高のクオリティと言っていいだろう。
そして、女性にはもしかして理解してもらえないかもしれない。同じく、子供にも。
「ブレードランナー」「2001年宇宙の旅」「12モンキーズ」「ライトスタッフ」過去を彩った金字塔の映画たち、間違いなくこれらと同列に扱われる名作だ。
映画はここまで来た。
ブルーレイ版が発売された暁には、自宅で何度でも何度でも繰り返し見たいものだ。
レビューなので、あえて、この映画の難点を挙げておく、参考にされるといい。
・長い! およそ3時間。コンディションが良くないと集中力は限界に達する。
・ストーリーがこみいっていて難解。ある程度、理論物理学やSF映画などの予備知識があったほうが楽しめる。その分、敷居の高い映画になっている。
・映画のラスト、主人公のたどる運命は、荒唐無稽、ちょっとありそうに無い展開をたどるが、前半に散りばめられたていねいな伏線を鮮やかに回収している。その点、見事なカタルシスを得られるものの、納得できない人は、全く受け入れないであろう。
・間違いなくデートムービーにはならない。見終わったあと、どちらかが映画の不満を言おうものなら、ケンカになってしまうだろう。
・「ダークナイト」「ダークナイト・ライジング」を期待する向きにはおすすめ出来ないかも。「インセプション」的な難解なプロットが好きな人にはおすすめ出来るかも。
・IMAX版で鑑賞。音響のやかましさは、限界を越えている。そして、印象的なテーマの音楽が無かった。過去を彩った名作の映画たちには必ずそれがあった。個人的にはそこが唯一の残念ポイント。
2014.11.23
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