「だんだん難しくなってくからイヤ。。」インターステラー チャップさんの映画レビュー(感想・評価)
だんだん難しくなってくからイヤ。。
「メメント」でクリストファー・ノーラン監督が好きになって色々観るようになってきたのですが、結局良かったのは「メメント」と「インセプション」のみ。他作品は、世界観が共感できるものの、ストーリーに没頭できない。気持ちが入り込まない傾向があった。
さてこの作品はどうか。 同じく世界観が良いことは当然のことながら作品テーマにも共感を得たが、どうも私の頭には難しすぎてストーリーにのめり込めない。4次元という3次元の人類には理解し難く、表現し辛い世界観がどうもしっくりこない。 自分が勝手に思う4次元世界とも違う表現をされていたので、なおさらしっくりこない。表現方法としては頑張ってはいたとは思うけど、私には理解できなかった。 というか理解できるはずないのだから、納得できなかったというほうが適切か。
4次元という時間を超越するという設定は、中盤までは面白くワクワクもする。なるほどって。時間の流れが違う世界間でのやりとり、流れが遅い世界から見た早い世界での緊迫感は見ていて面白い。でも肝心の核心に迫る4次元シーンに入り込んだとき、「え?確かにそうだけどこれ?」とどうも納得できない。
そもそも人類は果たして4次元世界にたどり着けるのか?たどり着けないんじゃないの?って思うからなおさら。
更にラストシーンで、娘が父親に対して「 私は私の家族がいるので、あなたは勝手に他の女のとこへ行きなさい」ってはどうも。。 確かに娘の立場とすればそうなんだろう。そうなんだろうけど、ここまでのストーリー展開でオチがこれであると少し寂しくないかい?って感じで。
いつも独特なストーリー展開と世界観( 映像イメージのみならず世界設定等も含む )で楽しませてもらうノーラン監督ですが今回はホントに難しくて面白さがない。理解し難いテーマに取り組んだチャレンジングな姿勢は評価するけど、いかんせん気持ちが入らず。。
映像美も今ではさほど物珍しさはない。お金をかけるのもいいけど、それよりもお金をかけなくても、圧倒的な力で観客を引き込み、映画の世界に没頭させ魅了する、そして何度も見たくなる、分かっていても見たくなる、分かっていたけど更に面白さを発見する、そんな「メメント」のような映画をまた作り出して欲しいと切に願うばかり。