「【ベルリンを舞台にした、南北朝鮮、CIA、アラブなど多数の国が絡むスパイアクション。徐々に北朝鮮内の内乱である事が分かる辺りから面白さは倍加します。】」ベルリンファイル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ベルリンを舞台にした、南北朝鮮、CIA、アラブなど多数の国が絡むスパイアクション。徐々に北朝鮮内の内乱である事が分かる辺りから面白さは倍加します。】
■ベルリンに常住する韓国国家情報院のチョン・ジンス(ハン・ソッキュ)は、国籍不明で指紋さえ検出されない、通称“ゴースト”と呼ばれる秘密要員、ピョ・ジョンソン(ハ・ジョンウ)の存在を知る。
彼を追うチョン・ジンスは、その背後に隠された巨大な国際的陰謀を知ることになる。
◆感想<Caution!少し、内容に触れています。>
・ピョ・ジョンソンの身元が”国籍不明で指紋さえ検出されない、通称“ゴースト”と呼ばれる”と言う時点で、今作の監督、脚本を担当したリュ・スンワンが、”どの欧米映画人気シリーズ”を参考にしたか、分かるよね。
・それにしても、ハ・ジョンウもハン・ソッキュも、あんな顔をして(ホント、スイマセン。イケメンと呼ぶにはちょっと惜しい・・。)、ヒューマン映画から、今作の様なアクション映画まで何でもこなしてしまうのだから、そりゃあ韓国の名優と呼ばれるだけはあるよね。
・今作では、中盤までは誰が全貌の糸を裏で引いているのかが分からないが、北朝鮮の高官を父に持つトン・ミョンス(リュ・スンボム)が、ピョ・ジョンソンの後釜を狙って仕掛けた事が分かると、一気に物語は進行し、アクションも一層激烈になるのである。
・アクションで言えば、特にハ・ジョンウの身体を張った接近肉弾戦や、高所から落下したりするイタソーなシーンが特筆モノである。
・最初は、ピョ・ジョンソンの北朝鮮大使館で働く妻リョン・ジョンヒ(チョン・ジヒョン)の二重スパイの疑いを持つピョが、リョンが北朝鮮に住んでいた時に最初の子を貧しさで亡くしていた事から、夫婦関係が冷え切っていた事が分かるシーンからの、漸く子供を身籠ったのに、ピョに言わない(言えない)所なども、哀調なトーンで物語は進むのである。
<ラスト、ピョがトン・ミョンスが序盤に、使ったペンでの殺しで止めを刺すシーンや、妻を撃たれて亡くしたピョをチョン・ジンスが、悪態を付きながらも逃がすシーンなども、ナカナカでありました。
そして、ピョは新たなる孤独な地に旅立つのだが、何故にこの作品がシリーズ化されなかったのだろうかね。
マア、韓国映画でシリーズ化される作品は、極少ないし、韓国の観客は目が肥えているからね。マ・ドンソクの「犯罪都市」シリーズ自体が、珍しいんだよね。じゃーね。>