鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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架空の愛と幸福
社会のコミュニティーから外れた鑑定士が部屋に篭ったままの少女に恋をする話。
この作品では鑑定士の孤独に強く惹かれた。
現実では1人で誕生日を祝い、誰とも行動を共にせず、競売氏としてひたすら日常を過ごす。
その中で気に入った美しい女性の肖像画をコレクションし誰にも見せず一室に篭り続ける。
社会的に見ればかなりのお金持ち、満たされた地位にいる彼はそれでも孤独に見える。
外界との拒絶をしていた彼はある意味少女と良く似ていた。
それ故に彼女に恋をした途端のめり込み、あれ程規則正しく生活をしていた彼は狂って行く。
少女が姿を消した途端取り乱し、競売の最中で電話をしたり、仕事もだんだんと疎かになる。
この作品の中でとても好きだったのは細やかな表現だった。
(最初はどんな時でも手袋を外さず、他人の携帯を使う時はティッシュを挟む徹底的な彼の潔癖ぶりが、後半になるにつれみっともない姿になる所など)
そして意味深なオートマタ。あらゆる質問に答えるという人形は完成することなく彼の前でみすぼらしい姿を現わす。
そしてあのラスト。
だが彼はある意味つかの間でも幸福だったのかなと感じる。
偽りの愛、騙され全てを失い、たとえ手元に残ったのが少女の肖像画1枚でも、待ち続ける選択をした彼は、「来ない物、手に入らない物を待ち続ける」というある意味での幸福を手にすることができたのではないだろうか。
一瞬、頭の中が真っ白になった。
はーっ もう最後のどんでん返しが効きます。
頭の中が真っ白になりました笑
この映画の良いところは主人公のジェフリーが、かっこよすぎないところですかね。
「シャルウィダンス?」のロバートデニーロのようなダンディなかっこよさがあれば、いくら年の差があれど「そりゃ、惚れるやろ!」ってなってしまいます笑
それと比べて本作は、気難しそうな頭の固い、しかも女性経験のないおじさんが、ミステリアスな女性に恋をするお話。
最後まで騙されてしまいました。
お見事です。
ラストがつらい
老人と女
「老人と子ども」「人妻と少年」に続き「老人と女」の愛の話ですか、と思ってたらとんでもなかった。不穏な空気が漂っていてただでは終わらないんだろうなと思ってたけど、予想以上の事が起こって、見終わった後の喪失感がハンパない。巨匠ジョゼッペ・トルナトーレの手のひらでコロコロ転がってた2時間だった。
引き込まれます
多分いいかも!
クライムサスペンスとしては素晴らしいと思いますが…好きになれない映画
前半は面白いです。美術も展開も素晴らしいと思います。
ただ、ラストがとてつもなく嫌でした…。
なので評価低めです。
ストーリーの結末が中盤くらいから予想出来るんですよ。
こんなバレバレならもっとシンプルに
みんなハッピー!おしまい!ちゃんちゃん!でいいじゃん…って思ってしまいました。
ドンデン返しにしてやりたいっていう脚本の見えすいた意識が溢れてていやらしいです。
サラが忠告をしてくれたシーンでラストの景色がバッチリ浮かび、覚悟しながらラストまで観ていたんですが、それでもラストは胸が痛かったです。
こんな仕打ちしなくてもいいじゃないかと。
もっとシンプルなハッピーエンドにしてくれてもこの映画は充分クライムサスペンスとして魅了的な良作だったのに何故こんな悲壮感漂うラストに…。
残念です。
幸せなおじいちゃんがみたかったです。
ものすごくイタい恋物語
多分面白いと思う
ハッピーエンド?
事前情報なしで観た。
そのせいもあってかストーリーの着地点がまったく見えず、鑑定士と同じくずっと情緒不安定な2時間ちょい。
だいぶ引き込まれた分、残酷すぎる仕打ちに放心状態だったけど、冷静に考えるとある意味あれはハッピーエンドとも言える気もしてきた。
一旦は廃人ギリギリまで落ちたものの、人生の終盤において、人間らしい感情を呼び覚まされた主人公。んー、よく出来てる。
何かあるとは思ってたが
二回観た。。あのひとってさー
勝手に想像・・・・・
ビリー(サザーランド)ってあの子のお父さんなのかなー?と思った。昔、お母さんの絵を描いて、一度あの鑑定士に見せたことがあって。でも鑑定士はその絵を見ても思い出さなくてやっぱり「駄作」と一蹴、もし評価はともかく鑑定士があのダンサーの絵を見てビリーの画風だと思い出してくれてたら、ビリーは違う結末にしたのかなーと。
最初、あの小人病の女性って実はオートマタ!とか思っちゃった。
そんな想像が膨らむ場面がたくさんあった。
二回観たが、あと二回観ても発見が増えそうな作品。
極上。
文句無しに面白い
二回観れば全ての謎が解ける
一度目はラストのネタばれではなく、ヴァージルの『ナイト&デイ』でのラストシーンに驚愕(あまりに残酷に感じました)。でも次の日に、あの結末は悪くなかったのかな。。と思い直しました。
そして二回目の鑑賞後、ヴァージルの表情が全てを受け入れたように感じました。
クレアが来ないことを知っていて、『連れが来る』と告げたのだな。。と。
それは、大切なものに出会えた有り難さを噛み締めた瞬間なのだと思います。
クレアは、まさに人生の『ベストオファー』全て(虚飾の財産や名誉)を無に出来るほどの存在だったのかな…と。
人間は自身の欠点を知ってから初めて、幸せな人生を生きられるのかもしれません。
とても面白く、勉強になった作品でした。
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