鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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鎧を一枚一枚剥ぎ取って
いかれたのは彼女じゃなくてジジイだった!!
お、お見事です…繊細な童貞ジジイの演技(最初の状態でも偏屈なイケジジイとしての魅力が溢れている)から、彼女に夢中になりだしたちょっとかっこ悪い脱童貞ジジイへの変貌、周囲の人物の配置…素晴らしいカメラアングル…。結末はなんとなくわかりましたが引き込まれました。
最初は偏屈ジジイの鑑定物語、そして謎のパーツと依頼人のミステリー、童貞ジジイの恋愛物語…そしてミステリーに戻ってくるという、自然に心の置きどころの移り変わりを操作される感じ…嫌いじゃない…。
二度目も見て確認したい!!
結末には色々あります。彼女は来たのか?来なかったのか?人を見る目のある鑑定士に最小限の嘘だけですますために、本当にナイトアンドデイの場所は好きだったと本音を混ぜていただけなのか、それすら嘘なのか?もし来たとしてジジイは彼女を許してしまうのか?
大体において、ビリー一味は一切法を犯していない。逆に、ヴァージルは歯車を掻き集めて(論文を読まれたのだろうなあ)内緒で組み立てている。もしも部屋に入れてもらった時、自動人形のことを諦めるなり、明かすなりしたら、彼女は計画を最後までやらなかったのでは?という因果応報(というにはきついが)さを感じ、私より家具のことが大事なんでしょうという言葉の重さもずっしりくる。
そしてこの作戦の陣頭指揮を取ったであろうビリーは確実にジジイの好みと落とす手練手管を持っていてお前ホモか?!と罵倒して、リハビリを終えたヴィージルがあのクソガキをボコボコにするまでのアクションエピソードを想像して余韻を楽しんでいます酷い…酷い話だ…。
かといって結婚したままハッピーエンドもちょっと違うので、お話の結末というのは難しいですね。
邦題見事です
童貞老人のチェリー喪失にまつわるお話ですが、後半20分がイヤやなぁー。
物語としての落とし所は、そうでしょうが
、110分みて、あと20分でこの展開は、
伏線の急な総括みたいで、ムムムとなります。トルナトーレなので、いずれディレクターカット版が出て、エピローグをもっと増やしてくれてるでしょう。
面白かった!
人間の感情は芸術品と同じ・・偽造できる。
映画「鑑定人と顔のない依頼人」
(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)から。
ちょっと洒落た邦題と、予告編につられて鑑賞したが、
後味の悪い終わり方に、やや期待が裏切られた気がする。
原題は「La migliore offerta」(イタリア語)で「最高付け値」、
それなら、ラストシーンのドンデン返しも、
この人間関係こそが「最高付け値」だったなぁ、と笑えたのに。
鑑定士が主人公なので、何度か耳にすることとなった
「いかなる贋作の中にも、必ず本物が潜む」を選ぼうと思ったが、
なかなか、そのフレーズだけで本作を思い出すまでに至らない。
だから「人間の感情は芸術品と同じ・・偽造できる」とした。
この後「まるで本物に見える。だが、偽りだ」と続く。
「偽り?」と聞き返す人に対して「何事も偽造できるのだ」と言い、
「喜び、悲しみ、憎しみ、病気、回復、愛さえも」と言い切る。
それが見分けられるかどうか、鑑定士の腕の見せ所となるのだが、
人間の心は、芸術品よりも難しく、簡単に鑑定できない。
そして、その鑑定ミスは「最高付け値」に繋がっていく。
やはり、邦題より原題の方がよかったなぁ。
P.S.
「歯車は人間みたいなもの。
長年組み合わさっていると相手の形状に似てくる」
この台詞は、とても深い意味がありそうだったなぁ。
贋作と真実
ジェフリーラッシュの渋い演技がたまらない、哀愁漂う作品。
優れた審美眼を持つ鑑定士が顔のわからない依頼人に惹きつけられていく…
これをラブストーリーと取るか、サスペンスと取るかはその人によるだろう。
美術品の真贋を見分けられるからと言って、愛のそれを見分けられるわけではない。
「贋作の中にこそ本物がある」
作中のこのセリフが全てを物語り、なんとも言えない皮肉めいた気分を味合わせてくれる。
これはバッドエンドなのか、バッドエンドなのか…
見終わった後に不思議な余韻が生まれた。
オトコはみんなアホ
童貞の気難しいおっさんが若いミステリアスなオンナに見事に手玉に取られた話。結果、終始リードしていたのはオンナでありオトコではない。騙されたと気づいた後でもどこかで彼女を待っているおっさんの姿には他人事には思えないように感じた。。
予告を見る限り2時間もかけてよくある詐欺話を見せられるとは思わなかったというのがホンネ。
面白かった
童貞老人が20代の女とセックスして騙されて宝を奪われるひどい話で、面白かった。それ以上にひどいのは童貞であることを見抜かれ、こいつを騙すならメンヘラの女が調度いい、童貞はやばい女をむしろ好むからな、などと作戦を練られていることだ。
童貞だからこそメンヘラに入れ込むし、易々と宝のありかを教えてしまう。気の毒であるとしか言いようがない。
童貞映画だと思ってなかったのでびっくりした。
結論・ハッピーエンド
二日続けてみた。ラストシーンが悲しいとのレビューが多いが、最後はハッピーエンドだと思う。
施設に入った主人公のもとを訪ねた元秘書が
渡した手紙や雑誌のなかに、
クレアからの手紙も入っていたのだろう。
必死にリハビリし、プラハへ。
最後のせりふは「悲しい言葉」ではなく
本当に、待ち合わせをしたのでは。
そうでないと
店が実在している必然性がない。
最高の依頼人、私の。
余韻ひくラストシーンに走馬灯の如く…
彼はああするしかなかった
長年、偽物の中にある真実 を知るものとしては… 。
彼女だけが知っている真意。
彼は そこにかけたかったのでしょうね。
「 信じるものは 救われる」。
面白味のある作品でした。
主役のジェフリーラッシュ、流石です。
名高い鑑定士が老年になって初恋を知る…その相手は顔を隠す依頼人で…やがて正体を明かしたかに見えた美しく若い依頼人は甘く切ない時間を彼に残し、共謀者の面々と共に、鑑定士が生涯かけて集収した絵画をさらい、忽然と消えてしまう…
なんてこと、、!!
本当になくしたものは壁一面の肖像画ではなく、重なり合わさったと信じていた二つの心、そのかたわれでしょう。
モリコーネの控えめな音楽と、美しい街並み、部屋の装飾、登場人物達の立ち振る舞いまでがヨーロッパの美意識を感じました。
ラストが見えた時に伏線があった事に気づく。
上質な大人のミステリー
映像がとても美しく、美術館に迷い込んだような2時間半だった。地位も名誉もある年老いた鑑定士が、ある一人の訳あり依頼人によって、人生が、少しずつ、変わっていく。ミステリーなのか、はたまた、ラブストーリーなのか、、、。女性目線で見ると、最後のどんでん返しは、やはりなぁという感じだった。中盤以降は、そんな、甘いラブストリーで、、終わって欲しくないという気持ちで、見ていた。ところどころ、伏線があるので、もう一度見て、謎解きをしてみたい気がした。ゆったり、美術館に来た気持ちで、大人のアートミステリーを楽しむのもよい。
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