鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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人間の感情は芸術品と同じ・・偽造できる。
映画「鑑定人と顔のない依頼人」
(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)から。
ちょっと洒落た邦題と、予告編につられて鑑賞したが、
後味の悪い終わり方に、やや期待が裏切られた気がする。
原題は「La migliore offerta」(イタリア語)で「最高付け値」、
それなら、ラストシーンのドンデン返しも、
この人間関係こそが「最高付け値」だったなぁ、と笑えたのに。
鑑定士が主人公なので、何度か耳にすることとなった
「いかなる贋作の中にも、必ず本物が潜む」を選ぼうと思ったが、
なかなか、そのフレーズだけで本作を思い出すまでに至らない。
だから「人間の感情は芸術品と同じ・・偽造できる」とした。
この後「まるで本物に見える。だが、偽りだ」と続く。
「偽り?」と聞き返す人に対して「何事も偽造できるのだ」と言い、
「喜び、悲しみ、憎しみ、病気、回復、愛さえも」と言い切る。
それが見分けられるかどうか、鑑定士の腕の見せ所となるのだが、
人間の心は、芸術品よりも難しく、簡単に鑑定できない。
そして、その鑑定ミスは「最高付け値」に繋がっていく。
やはり、邦題より原題の方がよかったなぁ。
P.S.
「歯車は人間みたいなもの。
長年組み合わさっていると相手の形状に似てくる」
この台詞は、とても深い意味がありそうだったなぁ。
贋作と真実
ジェフリーラッシュの渋い演技がたまらない、哀愁漂う作品。
優れた審美眼を持つ鑑定士が顔のわからない依頼人に惹きつけられていく…
これをラブストーリーと取るか、サスペンスと取るかはその人によるだろう。
美術品の真贋を見分けられるからと言って、愛のそれを見分けられるわけではない。
「贋作の中にこそ本物がある」
作中のこのセリフが全てを物語り、なんとも言えない皮肉めいた気分を味合わせてくれる。
これはバッドエンドなのか、バッドエンドなのか…
見終わった後に不思議な余韻が生まれた。
オトコはみんなアホ
童貞の気難しいおっさんが若いミステリアスなオンナに見事に手玉に取られた話。結果、終始リードしていたのはオンナでありオトコではない。騙されたと気づいた後でもどこかで彼女を待っているおっさんの姿には他人事には思えないように感じた。。
予告を見る限り2時間もかけてよくある詐欺話を見せられるとは思わなかったというのがホンネ。
面白かった
童貞老人が20代の女とセックスして騙されて宝を奪われるひどい話で、面白かった。それ以上にひどいのは童貞であることを見抜かれ、こいつを騙すならメンヘラの女が調度いい、童貞はやばい女をむしろ好むからな、などと作戦を練られていることだ。
童貞だからこそメンヘラに入れ込むし、易々と宝のありかを教えてしまう。気の毒であるとしか言いようがない。
童貞映画だと思ってなかったのでびっくりした。
結論・ハッピーエンド
二日続けてみた。ラストシーンが悲しいとのレビューが多いが、最後はハッピーエンドだと思う。
施設に入った主人公のもとを訪ねた元秘書が
渡した手紙や雑誌のなかに、
クレアからの手紙も入っていたのだろう。
必死にリハビリし、プラハへ。
最後のせりふは「悲しい言葉」ではなく
本当に、待ち合わせをしたのでは。
そうでないと
店が実在している必然性がない。
最高の依頼人、私の。
余韻ひくラストシーンに走馬灯の如く…
彼はああするしかなかった
長年、偽物の中にある真実 を知るものとしては… 。
彼女だけが知っている真意。
彼は そこにかけたかったのでしょうね。
「 信じるものは 救われる」。
面白味のある作品でした。
主役のジェフリーラッシュ、流石です。
名高い鑑定士が老年になって初恋を知る…その相手は顔を隠す依頼人で…やがて正体を明かしたかに見えた美しく若い依頼人は甘く切ない時間を彼に残し、共謀者の面々と共に、鑑定士が生涯かけて集収した絵画をさらい、忽然と消えてしまう…
なんてこと、、!!
本当になくしたものは壁一面の肖像画ではなく、重なり合わさったと信じていた二つの心、そのかたわれでしょう。
モリコーネの控えめな音楽と、美しい街並み、部屋の装飾、登場人物達の立ち振る舞いまでがヨーロッパの美意識を感じました。
ラストが見えた時に伏線があった事に気づく。
伏線っぽいのがたくさん散りばめられていて、探りたいタイプの人は楽しめると思います。
鑑定士のラブストーリー、ミステリー、サスペンス…
観終わった後にどう感じるのかどうか。
劇中でこんな言葉が出てきます。
「贋作の中にこそ本物がある」と。
偽物か本物かを見分ける鑑定士に対しての最大の皮肉なストーリーです。
大好きな作品
好き嫌いは分かれるに違いない!
オチが読めた方も多いらしいけど、単純なわたしは騙された……
騙されれば騙されるほど、心がえぐられる。
こんなに観たあとに誰かに話したくなる映画は久しぶり!
またみたい!
上質な大人のミステリー
映像がとても美しく、美術館に迷い込んだような2時間半だった。地位も名誉もある年老いた鑑定士が、ある一人の訳あり依頼人によって、人生が、少しずつ、変わっていく。ミステリーなのか、はたまた、ラブストーリーなのか、、、。女性目線で見ると、最後のどんでん返しは、やはりなぁという感じだった。中盤以降は、そんな、甘いラブストリーで、、終わって欲しくないという気持ちで、見ていた。ところどころ、伏線があるので、もう一度見て、謎解きをしてみたい気がした。ゆったり、美術館に来た気持ちで、大人のアートミステリーを楽しむのもよい。
あまりの衝撃に…
金持ちでインチキな潔癖症の老人の鑑定士が、ある若い女性からの鑑定をしてほしいという願いの電話がきっかけに起こっていく物語。最初はミステリーで、中盤は老人の恋愛物語で最後はまたミステリーと流れの移り変わりがすごかった!終盤あたりは度肝を抜かれ、ほんとに心に突き刺さる。最後の老人の言葉もとても意味深く切ない。もう一度見返したほうがいいかも。笑
モヤっと
贋作の中に本物が隠れている
作品中に多くのヒントを散りばめた親切な作品。どんでん返しと聞いていたので、深くさぐり過ぎたがよくあるパターンだった。
ハッピーエンドではない。
ご老人騙すのは腹立たしい。
さすがイタリア。。
この映画、イタリア発だったんですね、納得。
イタリア映画が生半可な月並みの安いメロドラマに収める訳ありません。
主人公オールドマンなる独身老人鑑定士が顔のない依頼人に招待され次第に惹かれていき、衝撃の終止符で締める映画です。
ある意味老人虐待の映画。
個人的には流石、イタリアと賞賛したい。
同時に、何度も見なくて良いかなと感じた。
伏線はわかりやすく、キーパーソンの存在要素が明確で高評価。
然しながら極端な見せ場が一箇所に集中しているため、シナリオがわかってしまうと伏線回収に二度見たいほどの甲斐甲斐しさは無いでしょう。
この伏線が考えさせられます。
生涯を掛けて蒐集した鑑定士オールドマンのコレクション
これは正当な手筈で集めたものではないのだから。
彼自身映画の序盤で「影の存在」と自分を称しています。
見所はここかもしれません。
ここの解釈が、エンドロールでの気分を決定するでしょう。
この映画のポイントは、彼の恋愛プロセスに「影の存在」を極めて薄く匂わせている所。このような背景を薄める技法が其処此処に散りばめられています。
この技術はおそらく歴代の監督史でもあまり見ませんね。
この結論に納得させられるだけの度量があれば
素晴らしい映画となるでしょう。
上手いんだけど二度観たいとは…
「半券持って来たら1000円で二回目観られる」キャンペーンしてるだけに周到な伏線張ってあるし上手いと思う.伏線確認したい気もするが,「この映画を二回観たいか?」というとそうでもないわけで…
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