「キッカケは謎だが、老人の末路に思いを寄せる、ひとつの甘く哀しい物語なのだと思う。」鑑定士と顔のない依頼人 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
キッカケは謎だが、老人の末路に思いを寄せる、ひとつの甘く哀しい物語なのだと思う。
鑑定士の男が何者かは、最初から4シーンで分かる。依頼人がどういう立ち位置に居るのか、しばらくしてから分かる。
鑑定士と依頼人の共通点に「視線」がある。そこをミステリーに仕立て、観客を巻き込む。観客の視線は常に鑑定士の目線と重なる。
中盤になると、おぼろげだが謎の筋道が見えて来る。後半近くになると、もっとハッキリ結末が見えて来る。それでも彼に成り切り、終わりを迎える事になる。最後の最後まで「彼」で居られる。
本物偽物は別として、美術品に興味がある人、インテリアが好きな人、古いお屋敷を見たいと思う人は、とても良い目の保養になる映画。
興味と愛は紙一重なのか。
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