私の男のレビュー・感想・評価
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原作の純粋な毒華が映画では悪女へ
原作が好きで観に行った一作。
何年か前、読みながら考えてた淳吾のキャストが渡部篤郎(無気力で倫理的に危うく一見執着の薄そうな良い男のイメージ)だったので、
浅野忠信の演技は純粋というか綺麗というか、完全に搾取される良い人だなぁと、そこが少し物足りない。
二階堂ふみの演技は完璧というか、完全に悪女というか、淳吾の窶れ具合と反比例して妖艶になって行く様が素敵でした。
原作では、倫理の危うい淳吾に育てられたから…という免罪符が示唆されていたハナの倫理観のぶっ壊れ具合が、純粋な悪女と描かれてるのが印象的です。
淳吾、完全に搾取されています。ぶっちゃけ土壌です(笑)
原作は読み手も書き手もファンタジーとして割り切っていた部分にリアリティを持たせた結果、やや生々しい感じに仕上がっているので、そこは好き嫌いの別れる所だと思います。
最初の方、もう少し、互いに貪り合うような関係の描き方だったらもっと好きだったかも知れません。
観て損は無いと思います。
二階堂ふみさんと黒木華さんには頑張って世界に出て欲しい
私は日本の映画をあまり見ない。特に日本の若い女優の演技はみていて面白くない。
ただ二階堂ふみさんだけは、作品のためなら何でもする、脱ぐことも厭わないという表現者の覚悟があって、とても見るのを楽しみにしていた。
撮影時18歳ということなので、演技者としては技術的にまだまだ未熟なところがあるけれども、ガッツは確認した。本当に頑張って欲しい。
イランのキアロスタミ監督作品などで是非見てみたい。
北海道の風景が素晴らしかった。この部分は
世界に通じると思った。
わりと好きな二人だから・・・
主演で観る作品を決めるが… 確かに?二階堂ふみは女性っぽさを増したし… 浅野忠信との絡みは見応え(も)あるが,しかし、まだまだ(言い方判らんが)無理に背伸びし過ぎて、経験?年齢?が《作品内容・脚本》に対して,追っ付いていないかい?!なんという風にも思わせちゃったなぁ~
わたしの…
冒頭、亡骸になった母親を蹴る花。
淳吾の車中の言葉「おばさん好きだったな…、もう顔も忘れちゃったけど…」
家の中に滴り落ちるおびただしい血の雨。
最近の説明台詞ばかりの映画と違って、あまり直接的な表現はない。しかし、これらのシークエンスから推定されるある事実。
途中で言葉で説明されちゃうけど、このくだりがなくても、観る側に確実に伝えきることが出来てたらもっと凄かった。
そして、二階堂ふみはどこまで行くのか?
小説とは違ってたから、高良健吾の使い方がちょっともったいなかったね。
不安定に惹かれる。
不安定感を出した映像が、この作品の内容にどこまでもマッチングしていて、決して最後まで晴れ晴れした気持ちにはなれない。
まるで終わりのわからないフランス映画のようでいい味が出ている映画です。
二階堂ふみのクレイジーな演技は大好きです。あんな不安定なボーダー気質の女の子には非常に弱いです。
近親相姦がテーマなんですけどあるんですかね〜〜こんなの?
生々しい
わたしの二階堂ふみちゃんが!
浅野忠信嫌いじゃないし、好きな方だけどなんでだろ、見ていられない(見たけど)
「家族」を求める、血の繋がりを愛しく思う、温かみと安らぎ、すべてが歪んでしまっている。
少なくとも淳吾は気付いただろう。
娘は母親になりでもすれば…狂ってしまう?
災害のせいだけではないはず、この二人の歪みは。
濃厚‼︎
直木賞受賞作品としては知ってて、読みたかったんだけど、あとまわしになってはや数年、先に映画観ました。
ちび花は、朝ドラの花子とアンのちびはなとおんなじ子役さんやね。どっちもくしくも役名がハナ。子役さんの顔つき、ふみちゃんと似てるなーて思いました。
高校生の花がそとでキスをねだるシーン、きれいで危なくて…切なかった。
仕事で10日間留守にすることを拗ねた花の背後からの、ご機嫌とりなんだかムラムラしちゃったんだかわからん強引な淳悟の唇や胸のさわり方が、いやらしくてすてきやった。浅野さんけっこう胸毛さんね、低い声すてきだわー。その前の別の人との絡みで背中をねぶる感じも、ゾクゾクしましたなぁ。
純粋さは凶暴さなんですね。
かなしいお話です。
花は高良くんと結婚するんやとおもってたら、別の人がでてきてびっくりしたです。百恵ちゃんの息子さんでした。
16ミリと35ミリとデジタル撮影でとりわけてると何かで読んだんですが、そのへんはわたしにはわからなかったです。でも幼少期と紋別と東京の映像はそれぞれテクスチャーが違うようには思った。
流氷ってあんな風に鳴くんですね。
陸から海を眺めて流氷が見えるんですね。
いってみたいな冬の北海道。
実の親子ってなんで気付いたのかは原作を読んだらわかるかもしれませんね。
ふみちゃんのこぼれそうなおっぱい、ビューティホーでした。
おっぱい差し引いてもふみちゃんの熱演に引き込まれました。
浅野さんは、いわずもがな。素敵です。エロス溢れてました。やばいです。
康すおんさんがエンドロールで名前あったけどどこにでてたかわからんかったー。あれかな?チビ花抱えて走ってた、顔が全然みえやんお父さんかな?
万人受けはしませんが、強い光の背中合わせにある影の濃さに興味がある方は、ぐっとくると思います。
悪夢的快楽スペクタクル
原作の息の根止めてこそ、映画。そんなことを山中貞雄が80年も前に言っている。
原作最大の特徴の時間である時間の遡りという技法は原作にもヒントを与えたイ・チャンドン「ペパーミントキャンディ」だけでなくもっと前にはジェーン・カンピオン「ルイーズとケリー」など、いま映画でそれをやられても、それ自体驚くものでない。むしろ原作を読んだとき、映画としてのエモーションのかかりづらさをどうするのかと思ったら、こうきたか、というその大胆な取捨選択に驚く。まさに息の根止めて、再構築。
ということで、その最大の魅力、北の果ての田舎町、流氷、血、疑似親子、男と女、という映画的モチーフを再構築して徹底化した。
凡庸な小説家なら怒り狂うかもしれないが、さすが映画マニアの桜庭一樹はそれを当然のように受け入れる。その関係もいい。
さらに、時折はさまるフラッシュフォワード、映画は時系列に進んでいるように見えて、実はラストシーンの銀座まで、全部が過去回想で、ラストシーンが現在、という構成にも見え、反芻すると、とんでもないアクロバットをみた感じ。
ストーリーではなく、風景と男と女を描き出すために練られた構成。
見世物としての映画をここまで極めた邦画は本当に貴重だ。
二階堂ふみちゃんが妖艶すぎる
二階堂ふみちゃんがあまりに妖艶で困惑する。衣擦れの音がエロかった。浅野忠信の荒んだ佇まいもセクシーでかっこよかった。
見る人に解釈を委ねる演出が多く、うっかりしているとよく分からなくなるので気が抜けなかった。
里子と関係する話だったら嫌だな~と思っていたのだが、実の親子という本格的な変態の話だったので、逆に安心した。でも実の子であっても、ふみちゃんみたいなのに迫られたら抗えるかどうか分からない。浅野忠信に親としての自覚がなさすぎるのが問題なのだが、恐ろしい話であった。
新潟の冬の海も相当なものだと思っていたのだが、この映画の北海道の海は、流氷もくるし、はるかにとんでもない地獄のような光景だった。あんな風に歩いて渡れるものなのか。藤達也の「たすけて~」という声のタイミングが遅くて面白かった。
浅野忠信のゴミ屋敷も凄まじかった。
全体的にとても暗かった。
二階堂ふみのための脚本
人生初の初日の初回上映。有楽町スバル座の昭和な雰囲気を楽しみつつ、映画の始まるのを待つ時間は幸せそのもの。
作品はというと、、、
「海炭市叙景」と共通する冷たく陰鬱なトーンの画像。これ、熊切和嘉のこだわりなのか。子供のころいつも憂鬱な気分になった、あまり天気の良くない日の夕暮れ時の外の光。あれを思い出させる。両作品と同じく、雪に閉ざされた北国で過ごした時の記憶が感傷と共に蘇った。
画像のほうはともかく、音のほうは映画によくありがちな、生活の細かな音までが強調されているもので、少し不自然さを感じた。その不自然さは、二階堂と浅野の絡み合うシーンで、シーツの擦れる音を強調し、二人の肉体が接触している音は聞こえてこないことによってピークを迎える。
このことにより、父娘(表面上養子関係だが、実は本当の親子)の秘めたる関係という、人類史上もっとも古い禁忌と言ってもよい関係の描写が、その画像のインパクトに比べて、映像全体としては落ち着いたトーンとなっている。良し悪しは別として、音の作りが、この作品にそのような効果をもたらしている。
二人の愛し合うシーンの中で、血の雨が降るシーンがあるのだが、賛否分かれるところだろう。これじつは監督の照れではないかと思っている。あそこで血の雨でも降らなかったら、実に隠微で二階堂の若い肉体のうねりに観客はドキマギしてしまうではないか。
さて、二階堂ふみである。残酷なまでに、純粋に義父を愛している少女を見事に演じている。一人の男の一生を、全て自分のものにしてしまった残酷さにすら、最後まで気づいてはいない。
すでに、主演を彼女にすることが大前提で、脚本が練られたのではないかと思うくらい、二階堂の口から出てくるセリフの一つ一つが、彼女の顔つき、仕草になじんでいる。義父の恋人に対して、自分の想いを告げるシーン。あの無邪気な笑顔で、あれだけあけすけに自らの愛にとって邪魔なのだと宣告されれば、たいていの女は、男の娘には敵わない。
このようなシーンで観客の目を引き付けるこの女優は、今の日本の映画界に欠かせない存在だ。
娘を他人である男へ手渡さねばならないことは、父親にとって、非常に辛く、人生の虚しさを覚えることには違いない。ただ、この父にとっては、その悲劇があまりに自分の若うちに訪れ、そして去って行く娘が美しく、愛らしい容貌の持ち主ということだけでなく、自分への人並みならぬ愛情を持っているということが不幸だった。
婚約者を紹介するために久しぶりに会うラストシーン。最後に彼女は父親と足を絡めあいながら、何をささやいたのだろう。
淫靡な世界へようこそ
原作を読んでからの鑑賞です。プレミア試写会に行ってまいりました。大人しいけれど、どこか狂気を感じる二階堂ふみちゃんは流石としか言いようがありません。流氷シーンの演技は、観るもの全ての心に突き刺さります。酷く脆くて儚い、彼女の尖った感情。切ないだとか悲しいだとか、そういう感情よりも先に涙が流れました。それ以外で特に心惹かれたのは音響かしら。ベッドシーンの衣擦れの音や流氷同士がぶつかる音、花火の音が物語にリアリティを与えているというかなんというか…。
原作に比べるとエグさは5割減くらいです。淳悟の「おかぁさん…おかぁさん…」と、唾液交換のシーンがありませんでした。私が原作で一番狂気的だと思ったのはあの二つのシーンだったので(笑)
でも、全体的によくできた映画だと思います。映像と音響、演技など全てに迫力があるのでご覧になりたい方は是非劇場で。
危ない浅野忠信
熊切監督の作品は個人的好みとしてあまり好きじゃない。ある一定層の人気を誇るのは分かるが、自分としてはこの描き方にあまり飲み込めない。ただ、今回の作品ふ海炭市叙景よりストーリーが分かりやすく描かれてるので見やすいところはあるが、主役2人のキャラクターにいらいらさせられたり、性的絡みのシーンが生々しかったり、かなり感情をゆさぶられる。それがいい方でなく、嫌な方に。しかし、役者はすばらしく、中でも久々にこんな浅野忠信を見たという感じがした。何しでかすか分からない危ない浅野忠信。
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